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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
180/283

宴会 = カオス + フラグ

どうも、東方転妹録最新話です!



えー、大変遅くなりまして申し訳ありません!

野暮用で時間がなくなってしまいまして……前回の感想分は、明日の朝返信いたします!


さて、今回はフラグ回!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数十分後、地霊殿。

ーーーーside フラン



……あぁ、私はどうして『このこと』を忘れてたんだろう?

何故旅に出たのか、何を求めて世界に翼を広げたのか……何を望んで、誰を探していたのか。

そんな疑問が、手元で繰り広げられる光景を見れば見るほど私の中で強くなってくる。



「……これじゃあ、顔向けできないよね」



誰に向かって呟いたのか、それは私にも分からない。

でもきっと、過去でも未来でも、そして今でも世界のどこかにいるだろう『このこと』に関する顔も知らぬ同志に、少なくとも私は顔向けできないことは確かであった。



「『あの子』が私に向けてくる感情は、最早私が探す『それ』じゃない…………そして『あの子』は、私が探す『それ』を満たしてくれる可能性は、ない」



『あの子』は私の求める『それ』に見合う条件を満たしていながら、しかし『それ』であるための私と『あの子』の関係は変わりすぎている。

……だからこそ、私は決めなければいけないのだ。



「……もう一度…………」



……もう一度、旅に出ることを。























ーーーーー十分前、地霊殿、玉座の間。

ーーーーside フラン



「えっと、それは文お姉さんの所へ運んで! あっ、そっちは御姉様の所に!」


「「了解しました!」」



地霊殿の完成に合わせて……というよりは、映姫さんが色んな意味悲しい発言をしたために、気を使った(呆れ果てたともいう)ぬえによって急遽行われることになった地霊殿完成祝いの宴会。

本来なら言い出しっぺのぬえが指揮を取るはずだけど、今は私がその指揮をとっていた。

こいしが前掛け、つまりエプロンを紅魔館から取ってくるときに連れてきたお客さんーーーナズーリン、ムラサ、一輪、それから紅魔館と地底を繋ぐ穴を警備し続けてくれた美鈴に宴会の手伝いのためのメイド数人。

そして『着いてきてしまった』と言いたくなる、チルノといった、様々な客人の相手をするために、ぬえ、こいし、ルーミアは次々と指揮から脱落したのだ。



「よし、これで大分足りてきたかな?……って、あぁっ!? 勇儀達がもうお酒飲み干してる!!!?」


「妹様! お酒のおかわりをお持ち致しました!」


「あっ、ありがとう! それじゃあそれを勇儀達の所に持っていってあげて!」


「はいっ!」



これまでの紅魔館での生活の賜物か、阿吽の呼吸とも言えるレベルで宴会の切り盛りを手伝ってくれるメイド達。

おかげで私は場の状況の把握に専念でき、同時にそれぞれがどのように過ごしているかも確認する暇ができていた。

例えば、玉座の近くにいる御姉様の所を見てみれば……。



「あぁもう!? やっと動けるくらいに(精神的に)回復してさとりも気を持ち直したと思ったら、今度は貴様か!!!?」


「ふっふっふっ……そんなに元気に吠えるなんて、部下を倒したアタイの強さに恐れをなしたのね!!!!」


「んなわけ無いに決まってるでしょうが!!!? 何なの、貴様の頭の中は空っぽなのか!!!?」


「何言ってんの? 頭の中には脳みそが入ってるんだよ? 大ちゃんが言ってたもん!」


「そうだけど! 確かにそうだけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


「……レミリア、どうか落ち着いてください。 私が側にいますから」


「……えぇ、本当にありがとう、さとり。 ただね、横から抱き締めてくる分は構わないのだけれど、その翼に絡めてくる触手をどうにかしてくれればもっとありがたいわ?」


「……レミリア、私が『側に』いますから…………!」


「えっ、ちょっ、まっ、や、やめっ……!? ば、馬鹿と変態の同時攻撃なんてもう嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?」


「「パルパルパルパルパルパルパルパル…………!!!!」」



……御姉様、なんだかんだでチルノとさとりを同時に相手できてるから凄いよね。

ただ、御姉様達の後ろに嫉妬に燃える二人組(片方は隣で燃え上がる嫉妬に喜んで付き合ってるだけ)がいるから…………後で、御姉様に紅茶を注いであげよっと。

さて、勇儀達と反対の壁際を埋めてるぬえ達の方は…………。



「雲山、遅いわね……」


「ちゃんと法輪で先導しているのだろう? だったらいつかここまで辿り着くさ」


「ナズの言う通りだよ、雲山ってなんだかんだで頭いいしね ……それよりも、私としては早くあのフランって子に聖について聞きたいんだけど……?」


「あっ、それ後にしてやってよ。 見ての通り、私の嫁は今忙しいしね」


「「「嫁っ!?」」」


「うん、嫁。 驚くかもしんないけど、それくらい堂々と宣言出来るくらいじゃないと他のやつらに奪われちゃうしね」


「な、なんというか、厳しい状況なんだな……!」


「そっ、油断も隙もないよ。 だからそろそろフランの貞操貰っていこうかなって思ってるんだ。 所詮夜這いによる既成事実ってやつ?」


「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?」」」



……うん、私は何も聞こえてない。

だけど最近すきま風がする気がするし、戸締まりはしっかりしとこっと…………結界付きで、しっかりと。

さて、気を取り直して次は勇儀達…………って、こっちはいつも通りガンガンいってるね。

美鈴と小町さんも一緒にいるし、映姫さんも……あっ、映姫さんもう潰れそう!



「うにゅぅ……も、ほう、のへはしぇん」


「ん? 閻魔はもう落ちるのかい? あー、萃香、そこの布を取ってやってくれ」


「にゃはは!! 閻魔は先に飲まされてたしねぇ! ほらっ、これ使いなよ!」


「あぅ、ありゅひゃひょうごじゃいましゅ…………きゅぅ」


ーーードサッ…………カランッ。


「ん? 映姫様、今何か落としたかな……? まっ、気のせいか」


「小町さん、次、いかがですか?」


「おっ、ありがたいねぇ! いやぁ、一仕事した後の酒は最高だよ!」



色々と映姫さんも心のうちに溜まっていたものを吐き出したせいか、とんでもなく酔って潰れてしまったようだ。

そして潰れて倒れてしまった際、映姫さんの懐からある物が零れ落ちて私の方へ転がってくる。

小町さんが気付きそうになったけど、美鈴から次の酌を受けて直ぐにそっちに気をとられてしまっていた。



ーーカラカラカラッ……コンッ。


「えっと、これは浄瑠璃の鏡?」



思わず器用に転がってくる様子を見ていた私の足に当たり、転がってきた物ーーーいつか、私の前世を晒した小型の浄瑠璃の鏡が、裏の面を上にして床に倒れる。

それを見た私は、私の前世を晒されたときのことを思い出しながらそれを拾い上げた。



「……前も、今みたいに宴会してる時にこれのせいで酷い目にあったんだよね」



今でこそ皆触れてきていないけど、再びこれで私の前世を晒されてしまえばまた私は恥ずかしい目に遇うのだろう。

流石にそれだけは嫌だ…………でも……。



「一人でなら、見てみたいしなぁ……」



前世、或いは過去の自分を振り返ってみたいという気持ちは、無いわけではない。

むしろ他の誰にも見られないなら、嫌でも好奇心で見てしまうだろう…………というよりは、今、私は嫌だという気持ちは欠片もなく、一人で見てみたいという気持ちに満ちていた。



「あっ、ねぇねぇ!」


「はい、どうなさいましたか妹様?」


「えっとね? ちょっと用事ができたから、宴会の指揮を頼みたいんだけど……いいかな? あっ、後はおかわりとか布団とか運んであげるだけだから!」


「えぇ、構いませんよ! 妹様の頼みを断るわけがありません!」


「本当!? ありがとう! それじゃあよろしくね!」


「はい! 妹様に代わって、しっかりと宴会を切り盛りしますね!」



役目を変わってくれたメイドにお礼を言いながら、私は御姉様達や他の皆に悟られないようにゆっくりと玉座の間を後にする。

幸い、ぬえ以外は皆それぞれ忙しそうにしてたし、ぬえもムラサ達に何か(私はなーんにも、知らないよ!)語っているのに夢中になってたから案外気づかれることなく玉座の間を後にすることができた。

そして私は、音をたてないように宙に浮かんで地霊殿の外を目指す。

近くの窓を開け、外に出て地霊殿の隠れやすそうな所を探し、そこに腰を下ろしてゆっくりと浄瑠璃の鏡を覗き込むと、遂に、浄瑠璃の鏡は私の過去を写し始めたのだった…………。





ーーーーー


以上、フラン旅立ちフラグ回でした!



えー、始めに言っておきますと、決してシリアスではないのであしからず。

むしろ皆さんが既に忘れていそうなあの設定を回収するギャグ回です(笑)

……本当、何話越しの回収だろう?




それではまた次回にてお会いしましょう!

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