月への誘いと集結の兆し
どうも愛式未来です!
今回は時間がちょっと飛んで10年後からスタートします。
そして、あの『賢者』が『争い』を持って現れますよ!
それでは楽しんでいってください!!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー10年後。
ーーーーside フラン
どうも皆さんこんにちは!
現在ルーミアと旅を続けているフランドール・スカーレットです!!
ルーミアとの衝撃的な出会いから約10年、キスはしてくるけどこいしみたいに危険なスキンシップはしてこない純粋なルーミアと一緒に色んな所を巡ってきたよ!
河童の集落(にとりは山が違うからいなかったの)でキュウリを沢山もらったり、迷いの竹林って呼ばれる場所で迷ったり(永遠亭は見つけられなかったよ…………)、人間を襲ってみたり(2人で美味しくいただきました)……。
そういえば、ルーミアはとっても強かったよ!
敵が現れたかと思えば闇でできた黒い翼を広げ、ルーミアの身の丈ほどある魔剣『ダーインスレイヴ』を振るって敵をあっという間に細切れにしちゃったの!
時々鍛練としてルーミアと試合をしたんだけど、戦績は半々ぐらいになってるね!
……とまぁ、そんなこんなしながら、今は適当に山脈を歩き続けているんだけど…………
「……ねぇ、ルーミア?」
「……どうしたのかー?」
「ここ、何処?」
「……迷ったみたいなのだー」
…………霧と木に囲まれて、迷っちゃった。
ーーーーside ルーミア
「どうしよっかルーミア?」
「うーん…………」
思いっきり迷っちゃった私とフラン。
いざとなれば飛べばいいんだけど、それじゃあ趣が無いのだー……。
翼を作り出して霧を払う方法は…………飛ぶのと同じく趣がないし……とりあえず歩き続けるしかないのかー。
「フラン、とりあえず歩いてみよー?」
「うん、そうだね……」
まぁまた適当にーーーーー
「あらあら、最近噂になってる2人組を偶然見つけましたわ!」
「「っ!? 誰っ!!!!!?」」
2人で同時に声が聞こえた背後に振り向くと…………
「えっ!? 下半身がない妖怪なのかーー!!!!!?」
「す、隙間妖怪…………?」
か、下半身がない女の妖怪なのだー!!!!
どうやらフランは知ってるみたいだけど、隙間妖怪って上半身だけの妖怪なのかー!?
「あら、ごめん遊ばせ? ほら、ちゃんと下半身はありますわよ?…………それにしても、私を知っていらっしゃるのですか?」
おぉ!!
女の下半身が出てきた空中に、確かに隙間みたいなのがあるよ!
……それにしてもフランは何故この女を知っているのだー?
「うん! 1人旅の時から、ちゃんと噂を聞いてるよ? たしか月面戦争とかいうやつに参加する妖怪を集めているんだよね?」
げ、月面戦争?
……うーん、お月見団子でも奪い合うのかー?
「……あら、良くご存知ですわね? もしかして月面戦争に参加したいのかしら?」
「うん、私としては参加してみたいかな? 武勲を立てれば御姉様の役に立てるからね!」
フランは月面戦争とかいうやつに参加する気なのかー!
……でも、結局月面戦争って何なのかな?
「フラン、月面戦争って何なのだー?」
「それは私からお話ししますわ。 月面戦争は、妖怪にとってあらゆる力の源である月を、我が物顔で牛耳っている者達を倒すという目的で行われます。 そろそろこちらの数も揃いそうですし、後1年以内に参加者全員を召集して私の能力で一斉に月に攻めこむでしょうね 」
……フランに聞いたのに、この人が答えたのだー。
でも、月面戦争かぁ…………フランが参加するなら私は絶対行くよー!
それに私はフランの次にお月様が大好きだし、参加してみたいのかー!
「私も参加するー!」
「……そっか、ルーミアも参加するんだね…………後1年だし、いっそのこと……」
あれっ?
フランがまた何かを考え出したのだー…………もしかして、私が参加するのが嫌なのかー?
「えっと、フラン、私が参加するのは、嫌?」
もしフランが嫌なら、私は残るしかないのだー……。
「えっ? うぅん、むしろ私はルーミアと一緒に参加したいよ! ただ、いっそのこと私の親友と他の友達に頼んで皆で参加したいなぁって思っただけ」
「…………親友と、友達?」
私はフランのお嫁さんだから親友とかじゃない……っていうことはフランには親しい友人がいるってことなのかー…………お嫁さんなんだから、私の方がよりフランと親しいのだー!!!!
ーーーーside フラン
「……それでは2人以上での参加でよろしいですね?」
「うんっ! 連絡する時は鬼の四天王の星熊勇儀と伊吹萃香がいる山に来てね?」
よしっ、これで月面戦争に参加できるよ!
……本来なら月面戦争の目的は月の奪還が主ではなく、幻想郷に性格的に住めない者達を減らすということが主な目的なんだけど、敢えて参加することにしたの!
理由として、1つはこいしがどれくらい強くなったか確かめたいから。
月の軍勢は一筋縄でいかないどころか相当強いはずだからね?
2つ目は、皆の仲と連携を深めたいの!
私と仲良くなって寂しくはなくなったはずだし友達も増えたはずだけど、さとりもこいしもルーミアもまだまだ友達が少なすぎるからね。
それに、妖怪は基本的に連携なんて考えずに戦うのが普通だから、今回の月面戦争でも全員が自分勝手に突貫すると思うの。
前世知識だけど、月の連中は圧倒的に高い技術と統率のとれた動きで戦うはず。
そんな連中に正面から突貫したって蜂の巣にされるのが落ちだよね。
さらに私とルーミアだけ連携を取ってもチームというよりコンビになるから、数的にどうしても不利になっちゃう。
だからこいしや、できれば勇儀や文お姉さん、そしてさとりにも来てもらって人数を増やしておきたいんだ!
……本当は御姉様もいてほしかったりするけど、まだ100年は経ってないし会いに行ったら軽く1年以上かかるから無理なんだよね…………。
「……それでは、私はこれで失礼しますわ」
「うん、またねー!…………あっ、霧は晴らしてね?」
「私達は大丈夫だけど、人間や弱小妖怪とかにしたら妖力で一杯な霧は危険なのかー!」
……最初に迷った時は霧に含まれた妖力が誰の物か分からなかったから、この辺りに妖怪が沢山いるのかなぁ、って思ったの。
だけど、現れたときに感じた妖力が霧の妖力と同じだったから気づいたんだよ!
「っ!?……それは失礼しました、霧は払っておきます…………それでは今度こそ失礼しますわ。 また召集の時にお会いしましょうね? フランドールさん、ルーミアさん……?」
そうして、隙間妖怪こと『八雲紫』はスキマに消えていった…………。
そういえば言い忘れたけどさ、せめて自己紹介しようよ…………?
ーーーーside 紫
妖怪にしては珍しく連携をとり気ままに旅をする2人組、フランドールとルーミア…………。
人が退治しようと思ったり、他の妖怪が縄張りを主張しようとして襲いかかると一切の情け容赦をせず相手を抹殺すると聞いていたから、念には念を入れて我ながら渾身の作といえる撹乱用の霧を作っていたのだけれど…………
「あっさり見破られるだなんて…………」
あまりにも自然にへらへらしていたから、流石に気づいていないと思っていたのだけれど、ね……。
「……まぁどうせ月面戦争で死ぬでしょうけれど」
月の連中がどれくらい強いのかは知っている。
しかも連中の戦闘方法なら、あの2人といえども生き残れたりはしないはずだ。
こちらが届かない場所から休むまもなく攻撃してくるのだから…………。
今私が作っている幻想郷にとって、あの2人のような危険な者達は邪魔でしかない。
やはり、他の血の気が多い妖怪共々ここで滅ぼすのが一番ね!
「……さて、次はもう1人の紅い妖怪に会いに行くとしましょうか」
東であの2人組の噂が広まるのに少し遅れて西で広まったもう1人の紅い方…………彼女を恐れる者から『スカーレットデビル』と呼ばれる夜の支配者、レミリア・スカーレットの元へ…………。
ーーーーside レミリア
「月面戦争、か…………」
突如私の前に現れた八雲紫という妖怪。
どうやら月面戦争というものをするつもりのようだけど…………
「それで、如何でしょう? もし参加していただければ、貴女の宝玉たる月を野蛮な輩から貴女の手で取り戻せますわ……!」
確かに野蛮な輩が月に蔓延るのは腹が立つ…………けれども、私にとって優先すべきはフランの捜索。
……ある時いきなり、私の能力を持ってしてもフランの足取りが追えなくなってしまったから、ジパングに来てすぐにフランの捜索を開始したの。
フランを追わせていた部下達は全員誰かに殺され、唯一死ぬ寸前に話を聞くことができた者も『……闇が…………黒と紅が……』とだけ言い残して息を引き取っていったわ。
そんなわけで、今はフランの捜索を優先するつもりなの。
……断るついでに一応フランのことを聞いておくとしましょうか。
「……参加者にフランドールという者はいるか?」
まぁ、こんな胡散臭い女が知っているとは思えなーーーーー
「……同じ方かは存じませんが、東の方で噂になっているフランドールさんなら参加するとのことでしたわ」
「な、なんですって!?」
まさか、月面戦争とやらにフランが参加するの!!!?
「あら? 知り合いか何かでしたの? 本人は相方のルーミアさんを始め、友人の方々と参加するようですわね」
「…………そう」
ふふふ、フランは複数人で参加するのね!
……なら、私がいても別に構わないはずよね?
「……八雲紫、月面戦争、私も参加することにしようじゃないか!」
「……ふふふっ、分かりました。 レミリアさんに参加してもらえて、本当にありがたいですわ! それでは召集の時になったら、お呼びしますわね?」
「あぁ、そうしてくれ…………さて、用が済んだならもう行きなさい。 貴女、まだやらなければならないことがあるでしょう?」
「えぇ、そうさせていただきますわ。 それではレミリアさん、また満月の夜に…………」
そういって八雲紫はスキマとやらに消えていった…………。
……それにしても…………
「……ふふふっ!」
……長かった、本当に長かったわ!!!!!!!!
ようやく、ようやく私の愛しいフランに会えるのね!!
しかもフランと肩を並べて共に戦えるだなんて……!!!!
……あぁ、1年後が待ち遠しいわ!
「あはっ、アハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!」
ーーーーー
…………ある日の夜、三日月の照らす空に歓喜に満ちた笑い声が響いていた。
ーーーーー
以上、嵐の前の静けさの回でした!
今回の話で完全に明らかになりましたが、ルーミアはEX状態ですよ!
家のEXルーミアは、原作のルーミアと見た目も口調も性格も全く変わりません。
ただとても強いだけです!
後、あの魔剣を選んだ理由は、『一度鞘から抜かれたら、誰かを切って生き血を吸うまで鞘に納められない』という言い伝えがあるからです。
バーサーカーのようなイメージが合いました!
さて、ここで読んでくださっている皆様にお知らせです。
今日から感想・レビュー・メッセージ機能を利用して、東方転妹録キャラ応対企画を実施することにしました!
内容ですが、今まで登場したキャラにメッセージや質問がある場合は、そのキャラを指名して感想・レビュー・メッセージに送っていただいたら、そのキャラが返事をしてくれるといったものです。
ただし、変なことを書いたり、他の二次原作ネタを使われたりした場合はキャラから怒られたりしますので御了承下さい。
それでは皆さん、又次回お会いしましょう!