声よ届いて、割と本気で！
どうも、東方転妹録最新話です！
えー、今回は一応の決着＆微妙なぬえフラ回です！
……いつか、犯人探しはオーエン編みたいな雰囲気と申しましたが、見事なまでにギャグのまま解決いたしました(笑)
それでは楽しんでいってください！
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー10分後、大穴。
ーーーーside フラン
ルーミアと共に御姉様達を狂わした犯人を探しに大穴に戻り、大穴にいるメンバーの中で唯一まともな映姫さんと合流した私。
もちろん、大穴に到着し、御姉様とこいしと戦っていた映姫さんと合流したということは、狂ってしまった御姉様達との再会も意味する。
……辺りに響くルーミアと映姫さんの叫び、四方八方を飛び交う弾幕、そして我先にとお互いを攻撃しあいながら私に向かって飛び掛かってくる御姉様達。
……さて、いきなりだけど…………これ、詰んじゃったかも。
「ル、ルーミアァ！ 犯人さんはどこぉぉぉぉ!?」
「フラン！ そ「ルーミアッタラ一々邪魔シナイデヨネ!!!?」影に……って、被せるんじゃないのだー!?」
「犯人……もしやその「フフフッ！ 逃ゲタ月ガ再ビ私ノ元二戻ッテキタ…………後ハ、他ノ邪魔者ヲ消スダケネ!!!!」……って私にも被せてくるんですか!?」
「アヤヤッ？ レミリアサンッタラ何変ナコト言ッテルンデスカ？ ……消エルノハ、貴女ノ方デスヨ!!!!」
ルーミアは犯人の位置を把握しているみたいだけど、こいしや御姉様、文さんの声に掻き消されてせっかくの情報が私に伝わらない。
それに映姫さんも所々聞こえてくる『犯人』という言葉に反応しているから、御姉様達が誰かの能力、或いは術にやられているとまでは気付いてくれているみたいだけど……そんな映姫さんの声もまた、御姉様達の声に掻き消されてしまっていた。
それと、さっき詰んだって言ったのは他にも原因があるんだけど…………。
「くうっ!? フランッ!! 離れすぎたらダメなのかー!?」
「せめてルーミアさんか私の方へ！ そちらでは孤立しますよ!?」
「で、でも、そっちに行きたくても……っ!?」
二人からすれば、恐らく今一番狙われていて守らなければならないはずの私が、何故か二人から離れて孤立していることが疑問でならないのだろう。
もちろん私だって孤立したくないし、相手が御姉様達だけなら全力で動けばルーミアか映姫さんに合流することは容易い…………そう、相手が御姉様達だけなら。
「……ホラ、二人ガ呼ンデルヨ？ フランノ姉サン達ノ間ヲ抜ケテ合流シナクテイイノカナァー？」
「うぅ、御姉様達を抜く前に貴女を抜かないと合流なんて出来ないよ…………ぬえっ!!」
飛び交う弾幕の間を、まるで蛇のようにスルスルと通り抜けて私の周りを踊るように回るぬえ。
さながらアダムとイヴに禁断の実を食べさせた蛇のようで、いざルーミア達と合流出来そうなタイミングがあると舞いながら道を塞いで徹底的にそれを潰しに来ている。
……ぬえが現れたのは、私とルーミアが、道中で見つかった文お姉さんから逃げながら映姫さんと合流してすぐのことだった。
その時の様子からして明らかに御姉様達と同じ状態で、私はもちろんのこと、ルーミアと映姫さんもすぐにぬえの存在に気付く…………はずだったんだけど……。
「マァ、アノ二人ガ私二気付イテイナイ以上、スグニハ助ケ二来レナイヨネ！ フランノ姉サン達モ頑張ッテイルミタイダシ？」
「うぅっ、どうしてこんなにぬえの名前を呼んでるのにルーミアも映姫さんも気付かないの……？ それに、御姉様達まで……」
「ソレハサ、私ハ平安京ヲ騒ガセタ時ノ大妖怪ダヨ？シカモ幻術二特化シタネ。 幻術ッテイウノハ視覚ダケジャナク、触覚モ味覚モ嗅覚も聴覚も、五感全テヲ惑ワシテコソ本当ノ幻術ナワケ。 ダカラ御姉様達ハモチロン、相手ガルーミアトハイエアレダケ色ンナ所二気ヲ散ラシテルナラ余裕デ惑ワセラレルシ、閻魔モ疲レガ出テキテルカラ簡単二惑ワセラレルノ！」
「そ、そんなぁ……!!!?」
「アノ白狼天狗モ、今頃犬耳ト尻尾ヲツケタフラン二散々甘エラレテイル幻デモ見テ喜ンデルヨ！」
「そそそ、そんな幻見せちゃダメーーーー!!!!!!!?」
只でさえ誰かの能力で皆大変な状況なのに、ぬえの能力か、或いは幻術のせいで余計に孤立してしまう。
時折伸ばされる御姉様達の手を避けつつ、レーヴァテインで弾幕を払いながらなんとかルーミア達に近付こうとすればさりげなくぬえが邪魔をしてきていて、このままだとじわりじわりと追い詰められて捕まるだけだろう。
御姉様達の方はまだルーミア達が犯人を探しながら抑えようとしてくれてるけど、ぬえの方は私が抑えるしかない。
なんだかぬえも誰かの能力に晒されてるみたいだから、近付くのは怖いけど……。
ーーゴアァァァァァァァァァァァ!!!!
「それっ、えーいっ!!!!」
「フラン？ 何をしてるのだー!?」
「アハッ！ キタキタァァァァァァ!!!!!!」
レーヴァテインに妖力を籠めて炎柱と化し、何故か誘うように位置を変えるぬえに向かって振り払うように横に凪ぐ。
それに気付いたルーミアがぬえの後ろから驚いたように声をあげている。
その声を聞きつつ振り抜いたレーヴァテインを再び右肩に掛けて構え、縦に振り抜きながらぬえに突撃すると、ぬえは喜んだように白玉楼からくすねたままの槍に雷を纏わせて体の右後ろに横凪ぎの体勢に構えていた。
そして、私はぬえの目前まで迫りーーーー
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「……クスッ」
ーー……ブンッ、スカッ!!
「「「「「えっ(エッ)!?」」」」」
ーーーー私のレーヴァテインを左に回転しながらスレスレで避けながら、ぬえはレーヴァテインの振り抜きよりも早く槍をぶんまわすように投げた。
ルーミアと映姫さんや御姉様達からしたら突然目の前に雷を纏って回転しながら向かってくる槍が見えたのだと思う。
皆が皆、一様に動きを止めてその槍を見つめて固まっていた。
「クッ、コレハ!!!?」
「コレッテ、モシカシテヌエノ槍!?」
「アヤヤッ！ アブナイデスネ、ット！」
「まさか、ぬえもそこにいるのかー!?」
「全く、また新手なのですか……？」
しかし固まっていたと言っても、そこは皆実力者。
すぐに目前に迫る槍に反応して上に向けて回避行動に移り、怪我一つなく槍を避けていく。
……でも、その瞬間にぬえは罠に掛かった獲物を見つけたときの様に破顔して、私はこの後起きることを想像して思わず目を見開いていた。
「アハハハハッ!!!!!! アタレェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!」
ぬえの声に反応してこちらに振り向くルーミアや御姉様達。
その目の前に写るのは、さっきの槍よりも近くに迫ったレーヴァテインから迸る炎柱。
私がレーヴァテインを上から振り下ろすのに対し、ぬえの槍を上に上がることで回避した皆にはそれを回避する術はなく…………。
ーーゴアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
「……アァ、コウシテフラン二燃ヤサレルノハ、コレデ四回目ダッタカシラ…………？」
「チョチョチョッ!? イツモノオ仕置キノ時ヨリ威力ガアルヨ!? マ、待ッテ……フラァァァァァァァァァン!!!!!?」
「アヤヤ…………コレハ、避ケレマセンネェ……」
「フ、フラン!? 今はフランの下着盗んだりしてないのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?」
「……あれ？ これはまさか私も巻き添えに……？」
「えっ、ちょっ、何でこっちにくんのよ!? まっ、ちょっ、く、くんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」
……まるで遺言の様な言葉を残して、皆はレーヴァテインの炎の中に消えていった。
「「……って、あれ？(アレ？)」」
炎を吹き出すレーヴァテインを降り下ろした状態で思わず疑問の声をあげてしまった私とぬえ。
今、レーヴァテインに飲み込まれているのは御姉様、こいし、文お姉さん、ルーミア、映姫さんの五人のはず……だよね？
……うん、ちょうどぬえも疑問に思ってるみたいだし、確認してみようか。
「ねぇぬえ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、良いかな？」
「奇遇だネ、私もチョッと聞きたいことガアルンダ」
「「……悲鳴、六人分聞こえた？」」
「…………」
「…………」
おもわず戸惑ったからか、一気に正気に戻ったぬえ…………いや、多分だけどそれだけじゃなくて、『犯人』の能力が消えたからっていうのもあるんだと思う。
ルーミアの推測なら御姉様達を狂わせていた犯人は、私達を追いかけていたみたいだし…………きっと、六人目の声の主は……。
「……これで、色々解決したのかな…………？」
「多分、ね……あー、色々迷惑掛けてごめんね、フラン…………」
「うん。 でも、ぬえが元に戻ってくれたから安心したよ」
「……ありがとう」
……あぁ、このなんとも言えない空気はどうしたら良いのかなぁ…………？
あっ、レーヴァテインの炎消すの忘れてたや。
ーーーーー『おまけ』同刻、妖怪の山。
ーーーーside 椛
ぬえの手により、幻術を掛けられた犬走椛。
今、椛の目の前には犬耳と尻尾を付けたフランが甘えてきている姿が見えているわけだが…………。
「はぁぁぁぁぁぁぁ！ 可愛い可愛いフランさん本当に可愛いぃぃぃぃ!!!!」
「ちょっ、犬走さん!? は、離してくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!? 私には、そっちの気はありませんってばぁ!!!!」
……現実には、血を流して倒れている椛を見つけ、介抱してくれた同僚の白狼天狗をフランと勘違いして強く抱き締め、一人幻想に悶えていたのであった…………。
ーーーーー
以上、レーヴァテインファインプレー回でした！
もうね、せっかくのぬえの活躍の場をレーヴァテインが持ってきましたね(笑)
さらには椛がしっかりやらかしましたし……さぁて、次回からようやく地霊殿作れるかなぁ(トオイメ
それではまた次回にてお会いしましょう！
