闇に似たモノ……?
どうも、東方転妹録最新話です!
今回はフランとルーミアがメインですよ!
そして少し、ヤバくなるかな?
とにかく、楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数十秒後、大穴下部。
ーーーーside フラン
ーー……ガァァァァァァン…………バキャァ……ァァ……!!!!
「うわぁ、御姉様達、派手にやり始めたなぁ……流れ弾には気を付けないとね、っと!」
皆さんこんばんは! 只今地底への大穴を全速力で駆け抜けてるフランドール・スカーレットだよ!
御姉様とこいしの様子がおかしくなった原因を探すために、大穴のもう少し下にいるらしいルーミアと文お姉さんに会いに行ってるんだけど…………上から沢山の流れ弾が飛んでくるんだよね。
見るからに『スカーレット・マイスター』とか『無意識の解放』とかの弾幕が降り注いできてて、しかもなんだか私を狙ってる気がするの。
直撃しそうな弾はレーヴァテインで弾いたりしてるとはいえ、まるで足止めしたいような感じに見えるんだけど…………なんでだろう?
ーーヒュンッ…………ヒュヒュンッ!
「それにしても、弾速が速いなぁ……よっと、油断したら、当たっちゃうや、っと!」
映姫さんも戦ってる筈なんだけど、やっぱり2対1だと弾幕とかは抜かれちゃうのかな?
そろそろルーミア達と合流できないと、一本道の空間で背中を向けながら弾幕を避けるのが辛くなってきたなぁ…………これでグングニルとか来たら、避けきれる自信が無いよ!
「ス………………ング……!」
ーー……ァァァァァ…………ァァァ!!
「あっ、あれは……ルーミアと文お姉さんだ! おーい!! こっちだよー!」
下を向きながら飛んでいると、段々と2つの点のような影が見え始め、近づくほどそれらは大きくなって人の形を取り始める。
そしてその人影がよく見える位に近付いてくると、見慣れたルーミアと文お姉さんの姿だと判別できるようになってきた。
いつもと違う所と言えば、文お姉さんの腹部に何かが貫いたような痕が見える位だ。
恐らく、あれがグングニルに貫かれてしまった部分なんだと思う。
……そんな風に考えながらルーミアと文お姉さんを呼んでみたけど、二人はまだ気付いたような反応を見せてくれない。
ーーギュ…………ァァァァ……ァァァァァァァ!!!!
「あれ? もしかしてまだ私に気付いてないのかな……? むぅ、結界を張ってから……すぅぅっ…………ルゥゥーーーミアァァァァーーーーー!!!!!! 文お姉さぁぁぁぁぁーーーーん!!!!!!」
「「えっ? あっ……!!!?」」
中々気付いてくれないルーミアと文お姉さんに気付いてもらうため、一度その場に止まって、しっかりと息を吸ってから全力で二人に呼び掛ける。
そうすると、やっと二人が気付いてくれたけど、振り向いた二人の顔は段々と疑問の表情から驚愕した様子に変わっていき、遂には段々と青くなり始めていた。
確かに周りに弾幕が降り注いできているけど、別に二人が焦るほどには御姉様達の弾幕は二人に近付いていない。
それに私自身も止まる時に、弾幕位なら防げる程度の結界を周りに張っているし被弾する心配もない。
それこそグングニルやサブタレイニアンローズのような弾幕の中でも強いものでもない限り、数百発は妖力弾を当てないとこの結界を破ることは不可能な筈だ。
「フラン!! 危ないのだー!!!!!?」
「フランさん、後ろっ!!!!!!」
「えっ? 後ろ…………?」
片やダーインスレイブを喚び出しながら、片や扇と合わせて全力の風を纏ってこっちに飛び出してくるルーミアと文お姉さん。
そんな二人が発する警告に従うままに後ろを見てみると…………。
ーーギュアァァァァァァァァァァァァァァァ、バッキィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!
「っ!? うぁぁっ!!!?」
ーーガッッッキャァァァァァァァァン!!!!!!
「「フラン(さん)!!!!!?」」
ルーミア達と弾幕に気を取られ、背後に迫っていたグングニルに気付かなかった私。
振り向いた瞬間にはグングニルは私の結界を接触していて、咄嗟に右手にずっと握っていたレーヴァテインを目の前に持ってきたものの易々と結界を貫いたグングニルは容易くレーヴァテインを弾き飛ばし、私の身体を掠めていった。
もしレーヴァテインが弾かれた衝撃で後ろ、今の場合下に身体を倒すように体勢を崩していなければ、今頃私はグングニルに胸を貫かれていたかもしれない。
私の身体を掠めて、その凄まじい勢いと纏っていた妖力で私の服を所々ボロボロにしたグングニルは、そのままルーミアと文お姉さんに当たることなく下に落ちていった。
「フラン! フラン、大丈夫なのかー!?」
「あやややや!? 服が破れて扇情的に……いえいえ、痛々しい姿になってしまいましたね……!」
「っつぅ…………ルーミア、ちょっとこっちに来てもらっていい?」
「「へっ?」」
帽子は消失、リボンは少し煤けてるけど大丈夫、ドレスは穴だらけでほぼ透け透けになってて、スカートは主に前の部分がボロボロになってる。
全体的に身体の前の部分が主にボロボロで、後ろは比較的無事みたいだね…………さて、今度は……。
「フラン、どうかしたのかー? もしかしてどこか痛むのかー!?」
「うん、ちょっと……ね!!」
「ひゃう!? ととと突然どうしたのだー!? 積極的なのは嬉しいけど、びっくりするのかー!!!?」
利用してしまって申し訳ないけど、心配して近付いてきたルーミアにおもいっきり抱き着いて、ルーミアの首筋に顔を埋める。
そうして突然のことに動揺するルーミアを横目に、チラリと視線をあげて文お姉さんの様子を窺ってみると…………。
「……へぇ、そうですか……フランさんはルーミアさんの様な方が良いんですね……? ふぅん……まぁ少々妬ましいですが、少しの我慢ですネ…………!」
「……うん、あれはアウトだね……」
……そこにいたのはいつもの優しい文お姉さんの姿ではなく、目が据わってしまっている怖い笑顔を浮かべる文お姉さんの姿だった。
さっきの文お姉さんの言葉の中に紛れ込んでいた『扇情的』という言葉。
その言葉を聞いて、ふと何故か私をいつも以上に取り合ってた御姉様とこいしを思い出した私は、ルーミアを利用して文お姉さんの様子を窺ってみたんだけど、その結果がこれである。
上から飛んでくる弾幕は動揺しつつもルーミアが弾いてくれてるから、今の内に調べられるだけ文お姉さんから皆が狂った原因を調べた方がいいのかな……?
「……ルーミア、聞こえてる? 聞こえてたら、私にだけ聞こえるように返事してほしいな」
「……聞こえてるのかー。 聞きたいのは、上の方のことなのかー?」
「うぅん、あっちもそうだけど、今は文お姉さんのことかな……」
抱き着いて身体を密着させてるから、二人だけで話すことは思っていたより簡単だった。
文お姉さんがどこか違和感のある笑顔でこっちを窺ってるけど、声は聞こえてないみたいでよかった。
それにルーミアは私の様子に気付いて、今も動揺した振りをしつつも話を聞いてくれている。
「ねぇ、文お姉さんの様子がおかしいと思うんだけど、ルーミアは何か心当たりはないかな……?」
「……心当たり、かー。 さっきまでは全然なかったけど、フランが合流してから一つだけあるのだー」
「私が合流してから……? どんな……?」
私がルーミア達と合流してから、ルーミアには心当たりが一つだけあるらしい。
もしかして私が何か変な物でも出しているのかな……?
さっきまで寝てただけだけど、その間に何かあった?
もしかして、その何かのせいで椛も私を連れ出したのかな……?
「……フラン、フランがここに来るまでに、周りに怪しい影はなかったのかー?」
「怪しい……? うぅん、見掛けたりも感じ取ったりもしてないけど……」
「そうなのかー…………フラン、今私には一つ、干渉してこようとしてる能力があるのかー」
「干渉してこようとしてる、能力……?」
つまり今のルーミアの言葉を言い換えると、誰かが私を尾行していて、そして私の周りの人々に能力を掛けているということなのかな?
でもルーミアには効いてないみたいだし、文お姉さんと合流してから文お姉さんがおかしくなるまでの時間を考えると、多分映姫さんにも効いていなかったと思う。
ルーミアや映姫さんには効かなくて、御姉様やこいし、文お姉さんは一瞬にしておかしくできる能力って、どんな能力なんだろう……?
「これは、私の負の感情を盛り上げようとしてきてるのだー。 でも、負の感情は全ての意思ある者にとって、 暗い、闇のような感情。 だから闇を操る私には効きづらいのかー……!」
「負の感情…………? っ!?」
負の感情を盛り上げる、だからこそルーミアには効かなくて、きっと映姫さんも何らかの方法で…………多分、白黒つけたのかな。
……そんなことを考えて、段々と頭の中で犯人の条件を絞り始めた時、上から降り注ぐ弾幕とはまた別の、唐突な『横からの』攻撃が私達を、いや、ルーミアを襲った。
ーーシャッ!!!!
「なっ!? 射命丸、いきなりどうしたのだー!!!?」
「文お姉さん!?」
無言で、扇から展開した隠し刃を使ってルーミアに斬りかかる文お姉さん。
その神速とも言える速さの攻撃を、ルーミアは私を抱き抱えたまま綺麗に避けて、文お姉さんに正面を向いてダーインスレイブを構える。
私はその横で同じようにレーヴァテインを再び喚び出して構えてから、ルーミアの服を右手で小さく摘まんでいた。
「アヤヤヤヤッ……幾らなんでも、目の前でズット抱き締めあってるのはズルクナイデスカ? そう、だってフランさんは私のモノですヨ? だから…………返してください、ネ!」
ーーシュバッ! ガキィィィィィン!!!!
「ちっ、フラン! ここは一端退くのかー!!!!」
「う、うん! 分かった!!」
普段は中々見れないほどの速さでルーミアに斬りかかる文お姉さん。
そんな文お姉さんの攻撃を容易くダーインスレイブで受け流すと、ルーミアは左手でルーミアの服を摘まんでいた私の右手を握って全力で地底に向かって飛び始めた。
きっと、上にいかないのは上にも御姉様達がいるからなのだと思う。
「チィッ!? 待ちなさイ!」
「待てと言われて待つバカはいないのだー!」
文お姉さんをも上回る速さで私を引っ張り飛び去るルーミア。
そうして何とか私もルーミアに着いていくこと数十秒、私とルーミアは大穴を抜けて地底に入っていて、私達の後ろには誰も着いてきていなかったのだった……。
ーーーーー
以上、フラン、心強い味方のルーミア確保&文、陥落回でした!
いやー、もしかして犯人分かった人、いますかね?
いや、むしろ東方に慣れ親しんでいる人はほとんどの人が分かったかな……?
とりあえず、伏線回収したいなぁというのと…………地霊殿、また延びちゃった(笑)
それではまた次回にてお会いしましょう!