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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
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やらかした姉と平和な妹

どうも、東方転妹録最新話です!



今回は、もうなにも言えない回になっています!

あれです、ギャグです!


さとりはキャラ崩壊です!




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

―――――10分後、地底大穴直下。

――――side レミリア




「さて、ようやく見つけたわね…………」



 フラン達と一旦別れ、時折誰かの妖力か神力等で薄く照らされている地底を、暗闇を見通せる吸血鬼としての目を活用しながらひたすら飛ぶこと十分。

ようやく地底の天井に大きな穴を見つけたのだけれど…………。



「……流石に、あそこには突っ込みたくはないか…………」



 大きな穴を見上げた先に見える広い蜘蛛の巣から、延々と聞こえてくる怒鳴り声。

それは見事なまでに止まることなく説教を辺りに響かせていて、流石の私でも介入することが戸惑われていた。

……でも、早く呼ばないとフランを危険な目に遭わせてしまうかもしれないし…………はぁ、背に腹は代えられない、か。

とりあえず、蜘蛛の巣を軽く焼いて小さな穴を開けて、っと……。



「――いいですか!? 大体貴女達妖怪の皆さんは往々にして話を聞かなすぎるのです!! いつもいつも自分の気分のままに――」


「もうそこまでで良いんじゃないかしら? 先にやることがあるのでしょう?」


「「「レ、レミリア(御義姉様)!!!?」」」


「フランの姉さん、マジで遅すぎ……だって…………あの土蜘蛛とか、泣いちゃってるし…………」


「つ、遂に助けが来てくれたのかい……?」


「おぉ、フランの姉じゃないか……萃香、しっかりしな、助けが来たよ」


「にゃ、にゃはは……も、もぉ無理…………」


「な!? す、萃香!? しっかりしろ萃香!! おい、目を覚ませ!! 萃香!!!! 萃香ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?」



 どうやら皆疲労が溜まっているとはいえ、何とか生きてるらしい。

特に疲れ切ってしまっているのは、自由奔放且つ説教慣れしていない封獣や小さい鬼の萃香のようだ……萃香に至っては、最早死んでしまったのかも分からないけれど。

 そんなことを思いつつ、こちらをおもいっきり睨んでくる閻魔を無視して辺りを見渡すと、蜘蛛の巣の端の方で蹲って泣いている金髪の妖怪を見つけた。



「丁度良いところに来ましたね、貴女にも幾つか話しておきたいことが――」


「それは後にして頂戴、さっきも言ったけど先にやることがあるでしょう? 閻魔としての本懐を果たすのもいいけれど、もう少し余裕を持ちなさいな」


「うっ…………そ、それは……!?」



 後ろでうめく閻魔を後目に、私に纏わりつこうとする厄介な蜘蛛の巣を焼き払いながら端で泣いている妖怪の方に近づく。

どうやら地底に住んでいる女の妖怪のようだけれど、腰のあたりから生えている足を見る限り蜘蛛の妖怪みたいだ。

恐らくこの蜘蛛の巣がいつもより少し燃えづらいのも、あの泣いている妖怪が作り出した糸だからなのだろう。

……それにしてもこの糸、見た目はかなり綺麗ね?

粘着質をどうにかすれば、良い布が織れそうだわ…………!



「はい、そこの妖怪さん? いつまでもそこに座り込んで泣いていないで、少し落ち着きなさい?」


「ひぐっ……私の、私の名前…………ぐすっ……私の名前を、聞いてよぉ……!」



……どうやら、心底傷ついてしまっているらしい。

出会いがしらに説教ばかりされたのか、名乗る暇も無く泣き寝入り(?)する羽目になってしまったようだ。

私の声も届かず、未だに蹲り続けているけれど…………はぁ、仕方ないわね。



「ほら、顔を上げなさい?」


「っ!? や、やめてよぉ!! どうせ私のことなんて………!?」



 背を向けて泣き続ける蜘蛛の妖怪の顔をできるだけ優しく掴み、無理矢理こちらを向かせる。

するとやはり蜘蛛の妖怪は小さく叫びながら抵抗してきたけど、それを無視して、私は泣いている時のフランにするように、そっと蜘蛛の妖怪の涙をぬぐった。

それだけで動きが止まったことに疑問を感じたけれど、気にする程でもないと判断して話を続ける。



「そんなに泣いていてはダメよ? 貴女も地底にいる妖怪なら、強い妖怪なんでしょう? なら、泣いてなんかいないで不敵に構えていなさいな」


「えっ、あっ…………」


「さぁ、貴女の名前を教えて頂戴? 強い妖怪のことは、覚えておきたいもの」



 ただ涙をぬぐって名前を聞いただけ、ただそれだけで体を震わせて、こちらを唖然と見つめてくる蜘蛛の妖怪。

そして唖然としてから数秒、蜘蛛の妖怪は太陽すら負けるのではないかと思うほど金色の瞳を輝かせて、身を乗り出してきながら嬉しそうに話し始めた。



「あっ、わ、私は黒谷ヤマメです!! 種族は土蜘蛛で、えと、良いところは元気なところです!!!! ヤマメと呼んでください!!!!」


「そ、そう。 土蜘蛛のヤマメね、元気なところは良いことだと思うわ……?」



 何が彼女をそうさせたのだろうと思うほどに、急にハキハキと喋り出すヤマメという妖怪。

先ほどまで座り込んでいたはずが、糸の上に立ち上がってまで身を乗り出してきたから、若干体格で負けていたらしい私にとって後ろにのけぞらないといけないためにキツイことこの上ない。

……そしてヤマメが急に立ち上がったせいで私の炎の魔術でところどころ焼かれていた蜘蛛の巣が嫌な揺れ方をして、後ろからさとり達の嫌な悲鳴が聞こえてきた。



「え、えっと、貴女の名前は…………!!」


「わ、私? 私は地上に住まいし夜の王、誇り高き吸血鬼であり紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ…………とりあえず、一旦落ち着きなさい。 この体勢はキツイわ」


「あっ、す、すみません!!……レミリアさん、かぁ……!! フフフッ!」



 きっちり名乗ってから少しばかり注意すると、すぐに身を引いてくれたヤマメ。

そのおかげで体勢は大分楽になったけれど、私はどうにも嫌な予感がしていた。

決して運命を見たわけではなかったから、それは予感で終わっていて…………そして私が運命を見る間もなく、その瞬間が訪れたのだった。




「レ、レミリアさん! 地上に住んでいるなら地底のことは知りませんよね!? 私が地底を案内してあげますから、着いてきてください!!」


「えっ? あっ、ちょっ、まぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」



 言葉が口をつくよりも早く、私の手を取り地底の最下層に向かって飛び出すヤマメ。

その上私が予想していたよりも強い力で引っ張られていて、不意を突かれた私は為す術もなくヤマメに引きずられるように飛ぶことになった。



「ま、待ちなさ……!? くっ、さとり、ルーミア…………あっ、やっぱりいいわ」



 未だ体勢を整えられていない状況に、私は迷わず助けを呼ぼうとして、見てはいけなかった惨状にすぐにヤマメに引きずられていくことにした。

だって、何とか振り向いた先には…………。



「あぁぁの蜘蛛女ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!! レミリアを離しなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!」


「さ、さとり、落ち着くのか―!? 先にこの蜘蛛の糸をどうにかしないといけないのだー!!」


「お姉ちゃん!? だ、ダメ、まだ皆糸から抜け出せてないから、糸を千切ってないからぁぁ!!!?」


「ちょっ、締まる!? あんまり動いたら糸が絡まって、首とか胸とか色んな所が締まるってぇぇぇぇぇ!!!!」



……絡みつく糸を引きずってまで、鬼すら震えるほど凄まじい形相で追いかけてこようとするさとりと、そのせいで糸があちこちに絡まって身動きが取れず悲鳴を上げるルーミア達の姿が見えたのだから…………。

本当に、この瞬間だけはあそこからドンドン引き離してくれたヤマメに感謝してしまった私がいたのだった…………。




……ただまぁ、糸に釣られて変に蜘蛛に声を掛けるのは、これからはよさないといけないわね…………。






―――――同刻、紅魔館のメイド休憩室。

――――side フラン




 美鈴の壮絶な勘違いを解けぬままメイドに連れられて地上まで上がってきた私。

地上に上がるや否や、レーヴァテインとグングニルを幅を取るからと言われ没収されてメイド休憩室に沢山のメイドと一緒に押し込められてしまった。

そんな私が、今何をしているかと言えば…………。



―――グググググッ!!


「あぁもぉぉぉぉ!!!! 邪魔しないでってばぁ!?」


『『『いけません妹様!!!! あそこは危険です!!!!!!』』』



……メイド休憩室一杯に入ってきたメイド達との、一対多の押し相撲だった。

緊急時においての私や御姉様の避難方法はあるとは知っていたけど、まさかその避難方法がこれだなんて、普通誰も思わないよね!?

何故か丈夫に作れらているメイド休憩室に(多分この避難のためかな?)ただひたすらに私とメイドを押し込めて、メイドの肉壁シェルター方式で私の身を守るってやり方なんだけど…………正直、これはルーミア発案の、私や御姉様が外に出ないようにするための拘束方法みたいな気がするよ……。

と、とりあえずここから抜け出して、美鈴に誤解だって伝えなきゃ…………ってぇ!!



「お願いだから、ここから出してってばぁ!!!!!?」


「ですから、それはできません!!」


「あそこは美鈴様に任せて、妹様は身を御隠しになられてください!!」



 うぅ……このまま話しても平行線だよね?

だからといってメイドを傷つけるわけにはいかないし……こうなったら天井か床を破壊して抜け出さないと!



「っ!? 妹様の傍にいる二人! 妹様の手を握りなさい!!」


「「はいっ!!」」


「あぅ!? は、離してよぉ!?」


「こうなってしまったら……妹様、失礼します!」


「ひゃっ!?」



 沢山いるメイドの中でもリーダーシップのあるメイドがどこかの隙間から私が見えたのか、私の考えに気付いて傍の二人に指示を出して能力を塞いでくる。

さらに私の後ろにいたもう一人の身長の高いメイドが、後ろから私を抱っこしてきたせいで無理矢理抜け出そうにも抜けられなくなってしまった。

……ど、どうしよう? このままだと誤解が解けないままだよぉ!?

とにかく、メイド達から逃げ出さないといけないのに…………。



「ん……んにゅ…………?」


「おや? 妹様、眠くなられましたか?」


「今、妹様を抱かれているのは火の妖精ですからね。 きっと体温が心地良いのでしょう」


「今まで随分と大変な作業をなされて疲れてしまったことでしょう。 私達は離れませんから、ゆっくりお休みくださいな」



 どうやら私を抱き上げた火の妖精の暖かさに、眠気が一気に出てきてしまったらしい。

そんな私の様子に素早く気付いたメイド達はどこからかシーツを一枚持ってきて火の妖精ごと私に被せてきてから、一斉にゆったりとした優しい子守唄を歌い始めた。

そうして、避難の意味はあるのかと問いたくなるようなメイド達の行動に、妖精はどこまでいっても妖精らしく平和で穏やかなんだなぁと思いながら、私は誤解を解くことも忘れて深く心地よい眠りに落ちていったのだった…………。





―――――

以上、ヤマメ暴走さとり崩壊メイド達本気回でした!



もう、本当に何も言えませんね(笑)

なんていうかもう、作者もストレスと共に暴走してますから(爆)




ではトイレに駆け込んできます!


また次回にてお会いしましょう!

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