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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
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漸く貫通!……あれ、皆は?

どうも、東方転妹録最新話です!



さてさて、今回は以前からいつ出てもおかしくない状態だった三人が初登場しますよ!

……まぁ、初登場=何かやらかすのが大体の流れの中、この三人も例に漏れませんでしたけどね(笑)



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー五時間後、紅魔館地下の穴。

ーーーーside フラン



ーービシッ、バキャッ、ズガァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!


「よしっ! やっと貫通したわね!」


「ふぅっ、長かったぁ!」


「あ、あの……御嬢様のグングニルが、私を、貫通したままなのですが…………ふ、普通に痛いのですが…………」



御姉様の最後の一撃、『スカーレットマイスター』によって遂に地底に向けて紅魔館から穴が貫通したよ!

後は穴を整備して、広く通りやすくするだけなの!

……美鈴は、さっき穴を掘るのを手伝おうとして『芳華絢爛』を撃ったときにおもいっきり私が巻き込まれちゃったせいで御姉様に張り付けにされちゃったの。

まぁ、私がレーヴァテインで地面を1ヶ所集中して燃やしてる時に後ろから弾幕が飛んできたら流石に対処できないわけで…………あっ、私が弱いんじゃなくて美鈴が実力者なだけだからね!?

私は弱くないもん、多分!



「それにしても、さとり達はまだ来ていないようね? 時間的にはもう着いていてもおかしくないはずなのだけれど…………もしかして、予測位置がずれたのかしら?」


「むぅ、でも御姉様、遠くの方にも明かりはないよ? 私達やルーミア、ぬえならともかくさとりやこいしに勇儀達だと明かりを使わないと見えないはずだけど…………あっ、グングニルは抜いてあげるね!」


ーーズボッ!


「ごふっ!?……あ、ありがとうございます妹様! それと、先程は本当に申し訳ありませんでした……」


「ううん、美鈴は手伝おうとしてくれたんだし、気にしなくて良いよ! 今度から気を付けてくれれば良いし御姉様に罰はもらってるしね!」


「貫通どころか吹き飛ばされなくて本当によかったですよ…………あっ、さとりさん達の気はこの辺りからは感じませんね」



吸血鬼特有の暗闇での目の良さを活かして真っ暗な地底の中を見渡してみても、さとり達が来ている様子はないね…………美鈴の気でも見つけられない辺り、かくれんぼしてるわけでもないみたい。

あっ、グングニルは……まぁ御姉様はさとり達を探すのに集中してるし、私が持ってて良いよね!



「しょうがないわね、さとり達を探しに行きましょう。 美鈴、警備メイドを何人か連れてきてそこで変な奴が地底から侵入してこないか見張っていて頂戴。 その間に私が一人で先行するから、フランは美鈴がメイド達を連れてきたのを確認してから私に着いてきなさい…………あぁ、グングニルはそのまま持ってて良いわよ」


「了解しました! それでは早速手配してきます!」


「えっと、じゃあ美鈴が来るまでここでグングニルとレーヴァテインと一緒に見張りをしておくね!」




美鈴一人で見張りをさせないのは、大分御姉様が地底を警戒している証拠。

だからこそ私の身を案じてくれたのか、グングニルは私にそのまま預けてくれた。

後は御姉様の身の安全だけど、私の心配を見抜いたのかゆっくりと微笑みながらその鋭い爪を口許に当てている。

そして美鈴が上に上がって行き、私がレーヴァテインとグングニルを構えて穴の下にいるのを確認してから、御姉様は地底の暗闇の中に消えていった。



「さて、ちょっとの間だけど暇になっちゃったなぁ…………」



そういえばまだムラサやナズーリン、一輪が地底に封印されてるんだよね。

さとり達の一件が終わったら、もう封印から解放してしまおっと!

そしたら星もきっと喜んでくれるよね!

……あ、でも魔界にはまだ行ったことないし行き方も分からないから、魔界の中の法界に封印されてる白蓮は助けられないんだよね…………。



「まぁ、いざとなったら空間を破壊して穴を開ければ良いし大丈夫かな?」



でも白蓮を助けちゃったら異変は一つ無くなっちゃうけど、それでも早めに白蓮を助けた方が良いよね。

白蓮の思想と紫さんの思想は全部ではないけど、それなりに被ってるから幻想郷の発展に協力してくれそうだもん!

……あっ、でもあの異変を起こすのは封印されてたぬえのはずだから、もう白蓮を助けても助けなくても異変は起きないのかな?



「……うん、気にしてても仕方ないし星の笑顔が見たいし、白蓮は後でサクッと助けちゃおっと!」



そうやって一人、この後の事を考えてながら呟いていると…………。



「「「今聖(姐さん)と星(ご主人)を事を言いましたか(言った?)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?」」」


「ひゃうぅっ!!!?」



えっ、えっ、何々!?

き、急に後ろから叫ばれたよ!?

私何か迷惑なことをした!!!?

ってかこの三人は私知ってるよね!!!?

と、とにかくいきなり叫ばれて耳が痛いよ!!!!!?



ーーガシッ、ブンブンブンブンッ!!!!


「聖と星のこと何か知ってるの!!!!!? 何を知ってるの!!!!!?」


「姐さんは無事なんですか!!!? 星は無事なんですか!!!?」


「聖は、ご主人は一体どうしてる!!!? 頼む、教えてくれ!!!!」


「ひっ、にゃっ、あぅっ!!!? と、とに、かく、ゆ、すら、ない、でぇ!!!?」


「「っ!? ム、ムラサ止まって!」」


「えっ!? あっ……ご、ごめん!!」



いきなり現れた三人の内、一人が振り向いた私の肩を掴んで全力で揺さぶってきたせいで、余計に混乱しかける私。

必死になって絞り出した声で他の二人が私を揺さぶる一人を止めてくれたおかげで、なんとか揺さぶりからは解放されたけど、三人の興奮はまだ治まったようには見えなかった。

……あぅぅ…………いきなり揺さぶられ過ぎて頭がフラフラするよぉ……。

えっと、やっぱりこの三人は…………。



「あっ、そういえば挨拶がまだだったな。 私はナズーリン、聖とご主人……あー、寅丸星と共に以前修行していた者だ、よろしく頼む」


「私は雲居一輪、ナズーリンと同じく姐さん……聖と星と一緒に修行していたわ。 いきなり失礼なことをして申し訳ないけど、よろしくお願いします」


「最後に私が村紗水蜜だよ! まぁムラサって読んでくれ!……それで、聖と星について何か知ってるの!?」



……やっぱり、何故か雲山はいないけどこの三人は命蓮寺のメンバーのナズーリンと一輪とムラサだった。

真っ先に賢将と呼ばれるナズーリンが我にかえって自己紹介をしてくれて、それから一旦落ち着いたらしい一輪とムラサが自己紹介をしてくる。

それでもムラサは、やっぱり興奮が覚めやまないのか揺さぶり攻撃はしてこないもののおもいっきり私に詰め寄ってきた。



「にゃぅ……まだ頭がフラフラするよぉ…………私はフラン、フランドール・スカーレットだよ。 フランって呼んでね? あっ、白蓮とは会ったことないけど星とは友達だよ!」


「っ! ご主人の友人なのかい!? ご主人はどうしてる!? 無事なのか!?」



星と友達、そう言っただけで一気に落ち着きを失いムラサを押し退けて私の肩を掴んでくるナズーリン。

流石に揺さぶっては来なかったけど、さっきから一息もつかせてもらえない私は流石に直ぐには声が出なかった。

そして、ほんの少し息をついてから漸く落ち着いて話そうとした…………その時だった。



「貴様ら!!!! 妹様に何をしている!!!!!!」


ーードガァァァ!!!!!!


「なっ!? ぐぁっ!!!!」


「ナズーリン!!!? って、なんだこいつらは!!!?」


「警備メイド隊、妹様をお守りしろ!!!!」


「「「ハイッ!!!!!!」」」


「なっ!? ナズ、ムラサ、一旦退きなさい!!!!!!」



またまた何と言うか凄いタイミングで現れたのは、警備メイド三人を引き連れた美鈴だった。

出会い頭に私の肩を掴んでいたナズーリンに蹴りを叩き込んだ後、ナズーリン達と私の間に立ち塞がるように浮かぶ美鈴。

その美鈴からの号令により、溢れる妖力からしてそれぞれ水と光と土の妖精達が私を守るように囲む。

……恐らく、美鈴はナズーリン達を『私を襲おうとした賊』と思ってるよね?

早く、誤解を解かないと……!



「あっ、美「妹様、こちらへ来てください!」って、えっ!?」


「さぁ御早く!! ここにいては危険です!!」


「美鈴様、後は頼みます!」


「分かっています!! 速く妹様を安全な所へ!!!!」


「あっ、ちょっ、まっ…………!!!?」



私ですら割り込めないほど怒涛の勢いでことを進める美鈴達に、思わずといった感じで唖然とするナズーリン達。

そんな美鈴とナズーリン達の間の誤解を解けることなく、私は火事場の馬鹿力を発揮した妖精警備メイド三人に引き摺られるように上に運ばれていったのだった…………。





ーーーーー


以上、ナズ雲ムラサ初登場&美鈴やらかした回でした!



……もうあれですね、最近の美鈴のタイミングの悪さは異常です。

それこそレミィにグングニルで貫通されるくらいには(笑)


そして、妖精達の火事場の馬鹿力ーー妖力+緊急時の緊張感+ルーミアと美鈴による日々の(地獄の)鍛練によって生み出されたそれはフランすら引き摺るレベルに……(爆)




それでは、又次回にてお会いしましょう!

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