別れと焦り、そして出会い
どうも東方転妹録最新話です♪
今回は決意と別れ、そして出会いがメインになっています♪
・・・因みに、今回のフランはやらかします♪
それでは楽しんでいってください♪
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー翌日、明朝。
ーーーーside フラン
「……私、勇儀の所で修行してくるよ…………だから、またね!!!!」
「えっ!? ちょっ、こいし!!!?」
一体全体どうしてこうなったの!!!?
ーーーー少し前。
「……ぅん…………ふぁぁ……!」
うぁ……もう朝かぁ…………。
……皆さん、おはようございま〜す。
微睡みから抜け出せないフランドール・スカーレットです……。
昨日はこいしを抱えて飛び去ってから、手頃な洞穴を見つけてそのまま休んでました。
最後は落ち込んでるこいしを抱き締めながら寝たんだけど……。
「……こいし、どこだろ…………?」
抱き締めていたはずのこいしが、いない……。
……外にいるのかな?
「こいし〜……? どこ〜?」
「あっ、フランおはよう! 昨日はよく眠れた?」
やっぱり外にいた……!
でも、こんなに早く外で一体何をしてたんだろう?
「木の実も沢山採ってきたよ! 何個か皮を剥かないといけないから、その間に近くの川で顔を洗ってきてね!」
「はーい…………」
ーーーーー
「洗ってきたよー!」
「あっ、お帰りー! もう剥き終わったから早く食べよ?」
目がはっきり覚めてから気付いたけど、思いの外沢山採ってきてるみたい。
……こいしって落ち込んだ時は沢山食べて気分転換するタイプなのかな?
「「いただきまーす!!」」
んっ、やっぱり採れたては美味しいね!
でも、全部食べきれるのかなぁ?
「……ねぇフラン、私、昨日から考えて、決めたことがあるんだ」
「んっ? 何を決めたの?」
昨日からってことは、もしかして私に修行として稽古をつけてほしいとかかな?
こいしの特徴は、やっぱり無意識を操れることだし、そこを軸に鍛えればもっと強くなれそうだね!
「……私、一回山に戻ってみる」
「…………えっ?」
……や、山に…………戻る?
「もちろん、フランの旅の邪魔はしたくないから1人で戻るよ?……だから、フランとはしばらくお別れ…………」
「あっ、えっ、お、お別れ……?」
1人で戻る、だから、お別れ……?
私はまた1人で旅をするの……?
「……私!!!! 強くなったら、またフランに会いに行くよ!! その時は胸を張って私はフランの一番のパートナーだって言えるように、強くなってるからね!!!!」
「こ、こいし…………?」
つ、強くなったらって、私と一緒に修行したりはしないの?
そうしたら一緒に強くなれるよ?
「……私、勇儀の所で修行してくるよ…………だから、またね!!!!」
「えっ!? ちょっ、こいし!!!?」
ーーーーside こいし
……フランの言葉を聞かずに飛び出した私。
フランの言葉を聞いたら、私の決心が鈍っちゃうと思ったから……。
「……ごめんね、フラン…………」
本当はフランと一緒に修行するって選択もできた。
けど、それだと私はフランに甘えてしまうと思う。
フランはとても優しい……だからどんなに厳しく言おうとしても、どこかに優しさが出てくるはず。
……でも今の私には、その優しさは毒になっちゃうの。
だから、厳しくするときはとことんまで厳しくする勇儀の所で修行するって決めたんだ。
「いつか……いつか迎えにいくよ、フラン…………!」
その時は一番の……最愛のパートナーになってみせるからね!!!!
ーーーーside フラン
「こいし…………」
こいしが飛び去って数分が経った。
……私にはこいしを追うことはできない。
飛び立つ瞬間のこいしの目を見たとき、その目には決意が秘められていた。
こいしの第3の目も、普段私を見るときは優しく開いていたのに、あの時は何かを見据えるが如く、鋭く開いていた。
……きっと、今の私にできることは何もないのだと思う。
なら、今私がするべきことは…………。
「……それじゃあ、しゅっぱーつ!!」
こいしが戻ってくるまで、私らしくあること……。
ーーーーー同日の夜。
ーーーーside レミリア
「……弱い、弱すぎる!!!!!!」
フランを追って東に進んできたのだけれど、途中出会った奴等は1人を除いて皆弱かった。
せめてあの羽虫達と同じくらいあればよかったのだけれど……。
「もしかして、そこそこ強いやつはフランが始末したのだろうか……?」
多少の力を持った輩は野蛮なやつが多い……。
そんな奴等なら1人でいた可愛らしいフランに襲いかかってもおかしくはないわ。
そして、そのままフランに返り討ちにあったと考えるのが妥当でしょうね。
「……だとしても、気に入らないな」
私の最も愛しいフランに手を出すなんて、許されることではないわ。
もう死んでいるでしょうから、私は手を出せないけれど……。
「まぁ、できないことを気にしていても仕方がない、か…………」
……今、偵察部隊の部隊長が数人の部下に報告を受けているから、それが終わったら先に進むことにしましょう。
「フラン……フランも今、あの紅い月を見ているのだろうか…………?」
鮮やかに輝く、紅く染まった満月。
夜空に浮かぶ美しい宝石に、思わずフランの紅い綺麗な瞳を思い出すわね…………。
「……たとえ今暫く会えないとしても、いつまでも愛しているよ、フラン…………!」
早く、私の色に染めてあげたいわ……!!
「……今宵の月をお楽しみになっている最中に申し訳ありませんが、部下からの報告が終わりました」
「そうか、どうだった?」
どうやら報告が終わったらしいけれど、部隊長が少し言い淀んでいるのが気になるわね・・・?
「妹様のことを思い出している御嬢様に報告するのは気が引けますが、どうやら最近妹様に恋をした娘がいるようです。
しかもその娘、妹様と一緒に旅をしていると報告がありました」
「何…………?」
フランに恋をした者がいる……?
しかも一緒に旅をしているですって?
「どうしても約1週間遅れの情報になりますから、今はどうかは分かりませんが……」
「…………そうか」
……ちっ、やっぱりフランをすぐに追うべきだったわね!!
まさか、害虫がフランにまとわりつくなんて…………!!!!
「……よし、先を急ごう。 どうやら害虫駆除をしなくてはならないようだ」
「はっ、了解しました!」
……フランと旅をしているということは、フランがある程度は心を許しているということ。
だからその害虫を殺したりはしないけれど、せめて変なことをしないようにしておかねば……!!
「…………フラン……」
貴女は、私だけのモノなんだからね……?
ーーーーside ????
「わはー! ご飯なのだぁー!!」
「ひっ、ひいぃぃぃぃぃぃ!!!? こ、来ないでぇ!!!!!!」
夜の森に迷い込んだ私の食べ物は若い女の人なのだー!
きっとお肉が柔らかくて美味しいはず!
ーーーーガシッ!!!!
「ひっ!? は、離してよぉ!!!!!?」
「捕まえたのだー!! それじゃあいただきまーす!」
「い、イヤァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!?」
ーーーガブゥッ!! ブチッ、グチャグチャ…………!
ーーーーー
「……あー、美味しかったぁ! ごちそうさまなのだー!!」
やっぱり女の人はお肉が柔らかくて美味しいのだー!
……今度は子供が食べたいなぁ。
お肉はもちろんのこと、骨もまだ柔らかくて体の何処でも食べられるの!
「……血の臭いがするのはここだね」
「えっ、誰なのかー?」
気がついたら後ろに誰か来てたみたい。
綺麗な羽があるし、どうやら私と同じ妖怪のようなのだー!
「私は吸血鬼のフランドール・スカーレットだよ。 貴女の名前はなぁに?」
「私はルーミアだよー! 宵闇の妖怪って言われてるのだー」
……吸血鬼って何だろう?
聞いたことが無いのだー。
「ルーミアかぁ、よろしくね!
私の事はフランって呼んでね!」
そういうとフランは私の方に寄ってきて……。
ーーペロッ!
「ひゃあっ!!!?」
い、いきなり唇の横を舐められたのかーー!!!?
「あはっ、やっぱり美味しい! これは若い女の人の血かな?」
ーーーギュッ、ペロペロッ…………。
今度は思いっきり抱き締められて唇の横を舐められてるのだーー!!!!!!
「ひゃっ!! は、離してなのかー!?」
「むぅ、あまり動かないでよ!! 綺麗に舐められないじゃん!!」
これは私は悪くないよね!?
とっても恥ずかしいし…………何よりくすぐったいのかー!!
ーーーペロペロペロッ……!
「く、くすぐったいのだーー!!!!」
そう言いながら頭を動かした瞬間…………。
ーーーペロペロッ……チュッ…………!
「「…………っ!!!!!!」」
これは、まさか……!?
…………私、キ、キスしちゃったのかーーー!!!!!!!!!!!?
ーーーーー
以上最新話でした♪
これでこいしは一旦離脱します♪
次に出てくるときはしっかり強くなりますよ♪
そしてレミィは遂に本気を出すようです♪
・・・フランとルーミアは、やらかしちゃいましたね♪
フランとしては、ルーミアの口の周りに特に沢山の血がついてたのを舐め取っていただけのつもりだったようでしたが・・・♪
因みに出会い方で分かった方もいらっしゃるでしょうが、ルーミアは3人目のメインヒロインとなります♪
これから最後の4人目のメインヒロインが出るまで、暫くはルーミアのターンです♪
さて、次回はフランとルーミアの対話話になる予定です♪
それではまた次回にお会いしましょう♪