哀れフラン、絶望と悲しみの叫び
どうも、東方転妹録最新話です!!
さて、今回は…………作者の暴走とフラン達の苦労から構成された内容となっています。
さらには作者が版権に引っ掛からないか不安にもなる内容です。
……◯で一文字隠したから大丈夫だよね?
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数分後、都。
ーーーーside ルーミア
ーーーズダダダダッ、ズバァッ!!!!
「ぐぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!!」
「ぐぎゃへ!!!?」
「アハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!!!」
「ちょっ、当たる!? ルーミア、ぬえ、助けてぇぇ!!!!」
フランが色々と耐えかねて本気で怒って数分、フランの破壊活動は都の中央まで向かい怒濤の進撃を見せていた。
……とりあえず、私とぬえは(どー見ても意図的な)流れ弾にさえ気を付けておけばいいとして、四人の中じゃ一番戦闘が苦手なこいしをそろそろ助けてあげないと本当に致命傷を負いかねないのかー。
…………フラン、まさか本当に私達の命まで狙ってないよね?
ーーーズドォォォォォン!
ーーードガシャァァァァァ!!
ーーーバキャアァァ!!!!
「アハハハハハハッ!!!!!! 早く小白達の上の人を連れてきてヨ!!!!!! じゃないとモットモット壊れちゃうヨ!!!!!!!?」
「フ、フラァ~ン? 流石にそれはちょっと無理じゃないかな? 人間達、どう見ても私達にどんどん追い抜かれていってるよ? バラバラに体を引き裂かれながら…………」
「ウルサイヨヌエ? ダマッテコレデモクラッテナヨ!! 『恋の迷路』!!!!」
「ちょっ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
怒る所か遂には狂化し始めたフラン。
そんな狂化フランに滅茶苦茶に殺戮された武士や陰陽師達を哀れに思ったのか、恐る恐るぬえがフランに近付いて説得をしようとしたけど、ものの見事に一言で切り捨てられ接近している時に喰らいたくないフランの技である『恋の迷路』をもろに喰らっていた。
……でもまぁ、狂化しても武器を持って立ち向かってこない農民や商人には一切攻撃してないし、建物も一部弾幕が当たったのもあるけど全壊してるのはないから、まだいいのだー。
とりあえず、こいしだけじゃなくてぬえも回収しないと…………!
「……ね、ねぇルーミア? さっきフラン、本気の弾幕をぬえに当ててなかった?」
「むぅ、見事に一発でぬえが気絶しちゃったから、多分本気で当てたと思うのかー…………怪我無く止められるのは、きっと御義姉様だけだと思うのだー」
「でも、御姉様もノリノリで浄瑠璃の鏡を見てたよね? それだったらフランは御義姉様にも不満があるんじゃ…………」
「…………もう、誰にも止められないのかー」
「フフフッ、アハハハハハハッ!!!!!!」
狂化してひたすらに笑いながら迫ってくる人間の兵士達を殺戮しながら中央に向かい続けるフラン。
その姿を後ろから追いかけながら止める術はないかとこいしと話し合い、『もう誰にも止められない止まらないフラン』と結論が出て、私とこいし、ついでに気絶してるぬえが色々と諦めかけたその時、フランの前方からやけにキラキラした服を着た一人の男がやって来るのが見えた。
ーーーーー
ーーーーside フラン
「そこの紅き妖怪!! そこまでで止まってもらおう!」
「ン? アナタダァレ? アッ、ワタシハフランドール・スカーレットダヨ!」
ひたすらに不平不満を心の中で叫びながら武器を手に立ち向かってくる人間達を吹っ飛ばしていると、都の中央の方から見れば見るほど目がチカチカしそうな服を着た男性が現れた。
そのあまりの周囲からの浮きっぷりに思わずストレス発散の手を止め、変な人の登場に少しだけ笑みを浮かべつつきちんと自分の名を名乗ってから男性の名前を尋ねる。
すると、目の前の男性はやたらと無駄で激しい動きをしながら名乗り始めた。
「私は! 中央に住まいし!! 四聖獣の主でありこの都の守護龍!!!! 『黄龍』こと中本清である!!!!!!」
「…………グ◯コノポーズ?」
「残念、荒◯る鷹のポーズだ!」
「ソッカ…………キュッとしてドカーン!!!!」
ーーードグシャァァァァ!!!!
「グハァァァ!!!!!!!?」
(3枚のオブラートで包んだくらいで表現すると)中々渋い名前を名乗った男性ーーー中本清。
どうやら小白達の主である『黄龍』らしいけど、その清々しいほど馬鹿な姿と結構ウザかったどや顔にいらっときたのはしょうがないと思う。
ましてや軽くキュッとしてドカーンしたのは、もっともっと仕方がないと思う。
……ただまぁ、体を一部破壊してもそこまで苦しまない辺り、実力者なのは間違いないよね。
「ぬぐぉぉぉ…………ま、まさかいきなり右手を粉砕されるとは…………!」
「ウザかったからあれは自業自得だもん! ねっ、ルーミア、こいし?」
「うん、あれは本当にウザイ顔だったのかー!」
「だね! フランの狂化が解けちゃうくらいだもん!」
唸る姿もなんだか演技っぽくて余計にウザく感じつつ、清さんという男性の姿を観察してみる。
まず言えるのは、龍太にあった角と尻尾と幾らかの鱗が金色で、人間の見た目で言うところの三十代後半か四十代前半くらいの見た目であること。
次に言えるのは身長はそれなりに高く、玄気より少し上ぐらいだということだ。
……それ以外はもう目がチカチカするとしか言えない。
「ぐぬぬ…………まさか前世からの仲であるお前にいきなりこんなことをされると思わなかったぞ? 誠、いやフランドールよ」
「えっ!? 前世からって…………?」
『黄龍』なだけあって、早くも右手を再生させた清さんはゆっくり立ち上がりながら、私にとって驚くべき発言をする。
……ぜ、前世からの仲ってことは、私と清さんって前世で知り合いだったってことだよね?
ま、まぁさっきもこの時代に生きる人には分からないネタに触れてたし前世からの仲なのは間違いない…………それに小白達は姿が大きく変わったりしてなかったから、この人も前世で知ってる姿とは大して変わらないと思うんだけど…………全然誰なのか思い付かないよ?
それにいきなり私が誠だったってどうして一瞬で…………いや、それは小白達も分かってたしおかしくはないよね、うん。
とりあえず今は正直に分からないって言おっと!
「フラン、この人も知ってるの?」
「いや、多分前世からの仲っていうのは間違いないと思うんだけど…………正直、全然見覚えがないや」
「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!?」
「「「ひゃっ!?」」」
「痛っ!? って何々!? 迷路終わったの!?」
急に叫び出した清さんに驚き、思わず声をあげてしまう私とルーミアとこいし。
さらにはルーミアが驚いた拍子にぬえを落としたらしく、落ちた痛みで目が覚めたぬえも軽く混乱していた。
「そ、そんな…………覚えてもらえていないだと…………? い、いや、今の私には決定的に足りないものが2つある!! よし、これならどうだぁぁぁぁ!!!!!!」
「えっ!? 何あの金ぴか親父!? 何、何が始まるの!!!?」
「「「………………」」」
意外と『黄龍』とは会ったことがなかったらしい混乱しているぬえはさておき、またもや叫び出したかと思いきや信仰の力ーー神力で何やら術式を呼び出した清さん。
そして清さんが術式に両手を伸ばすと、術式から2つの物が出てくる。
…………それは、必要性を一切感じないバーコード頭カツラと、古臭いという言葉を体現したかのような丸眼鏡だった。
「ふっふっふっ…………これを着ければフランも思い出すだろう!! 前世でフランがとことん尊敬して信頼していた私のことをな!!!!」
「……ルーミア、気絶してた私が悪いんだけどさ、今どういう状況か教えてくんない?」
「あー…………またフランの前世の知り合いが現れたんだけど、それが中本清っていう『黄龍』らしくて、さらにフランに忘れられてたから思い出させようとしてるところなのかー…………」
「まぁ、私には単なる馬鹿が現れたようにしか思えないんだけどね」
「…………いや、それよりも私が『あれ』を尊敬したり信頼したりしてたの? 『あれ』を?」
私には信じられない……いや、信じたくない。
こいしが言う通り単なる馬鹿でしかないあれを私が尊敬してたとか、絶対信じられない!!!!
……そうやって目の前の馬鹿な人である清さんを全力否定していると、清さんはその間に髪を書き上げバーコード頭カツラを被り、丸眼鏡を掛けていた。
そして装着後の姿を見た時、私は前世の思い出を全て否定したくなったのだった…………。
「さぁ見るがいい!!!! そして思い出せフラン!!!! 私達の高校での青春を!!!!!!」
「……………………」
「フラン、あの姿を見て何か思い出したのかー?」
「いや、むしろ思い出すことなんてないよね?」
「そうよ、あんな馬鹿とフランが関わってたなんて有り得るわけが「嘘でしょ……?」ない、って、えっ?」
「……どうして、どうして教頭先生が清さんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!?」
ーーーーー
紅い吸血鬼の少女があげた悲鳴、それはその少女に襲われた人間が出した悲鳴より遥かに大きく、都中に響き渡ったらしい。
……そしてその後、その悲鳴を聞いた者は口を揃えてこう言った。
『あれほど全てのことへの絶望と悲しみが籠められた悲鳴はそれまで聞いたことがなかった』、と。
ーーーーー
以上、黄龍登場&フラン絶望と悲しみの叫び回でした!
……全国各地の黄龍ファンの皆さん、本当に申し訳ありません。
もう言い訳もできないです、はい。
しかし本当に版権に引っ掛からないか不安ですね。
その前にフラン達に殺されそうですが(笑)
それではまた次回にてお会いしましょう!