表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
144/283

頑張ったからには御褒美を

どうも、東方転妹録最新話です!



今回は場面チェンジ回となってます。

と言っても最後にチェンジフラグが立っただけですが……。



それでは楽しんでいって下さい!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー白玉楼広間。

ーーーーside フラン



こんばんは、未だに映姫さんに抱っこされたままのフランドール・スカーレットだよ!

何故か私を都に連れていくかいかないかで唐突に始まってしまった勇儀と小白の勝負なんだけど…………


















「「イダダダダダダァァァァァ!!!!!?」」


「全く、フランがいる部屋で暴れたらダメなのかー!!」



……またしても、ルーミアの勝利で幕を閉じたんだよ!

…………うん、安定のルーミアだったね。




ーーーーー



「ぐっ、つぅぅぅぅ…………!?」


「拳がまだ痛いよ…………」



ルーミアの介入により思わぬ痛手を喰らってその場に座り込む小白と勇儀。

しかし二人とも目立つような怪我は1つもしていなかった。

……何故なら、ルーミアが介入したのは小白と勇儀が1発目を放ちあった瞬間であり、二人の手をガッツリと握って力を込めただけだからである。

もう一度言おう、『二人の手をガッツリと握って力を込めただけである』。



「……あの、ルーミア? 一体どれ程力を込めたら鬼と白虎が暫し苦しむほどの痛みを与えられるのです?」


「んー、相手がさとりだったら頭が一瞬で粉砕するくらいなのかー!」


「うわぁ…………勇儀も白虎も凄く可哀想に見えてきたよ……」



爽やかに恐ろしいことを言ってみせたルーミアにさとりが頭を抱え、こいしが心底哀れむ目で勇儀と小白の方を見ていた。

さらにそこから視線をずらして幽香さんを見てみると、勇儀と小白の姿に共感と同情を覚えたのか、こいし以上に哀れみの感情を込めた視線を二人に向けている。



「と、とりあえずフランが連れ去られるのは避けられたわけですし、詳しい事情を白虎に聞き出してみませんか?」


「そうね、美鈴の言う通り、この誘拐未遂犯から情報をいただきましょうか」


「あっ、だったら私が聞くよ! 小白も私だったら話しやすいでしょ?」



ルーミアの荒業により軽い混乱状態に陥っていたこの場の空気を変えるべく美鈴が話を進め、御姉様がじろりと小白を睨み付ける。

その姿に何となく嫌な予感を感じた私は、自分が訳を聞き出すと言うやいなや映姫さんの腕の中から飛び出して未だに痛みに苦しむ小白の側まで駆け寄った。



「えっと、ねぇ小白? どうして私だけを都に連れていきたいの? 皆が一緒じゃ、だめ?」


「にゃうっ!!!? そ、それは…………ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!? ぜ、前世とのギャップがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」


「きゃっ!?」



軽く俯いていた小白の顔を覗き込むようにして声を掛けると、小白は急に顔を赤くしたかと思いきや激しく頭を抱えて叫び始めた。

そして私も驚いて悲鳴をあげた瞬間、小白は頭を抱えていた手を私の脇の下に通し…………



「よし、この可愛い生き物は私の家に連れていく!!」


「だからさせないって言ってんでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


ーーーバキィィィ!!!!


「あだぁぁぁ!!!?」



……小白の後ろから突然現れたぬえに、手に持った槍で全力でぶん殴られていた。



「ほらっ! さっさとフランを離しなさい!!」


「なっ、しまった!?」



再び痛みに悶える小白の手から私を奪い取り、突然ぬえが現れたことに唖然とする皆を尻目に誰からもすぐには手が届かない位置に避難するぬえ。

そんなぬえの姿をよく見てみると、所々ボロボロになっていて誰かと争った形跡が見てとれた。



ーーードタドタドタッ!!


「ゼェ……よ、ようやく追い付いたぞこんちくしょう…………ゼェ……!!」


「まさか……ハァ……私達が、振り切られるだなんて……ハァ……!」


「フゥ……我が筋肉もまだまだだったということか……フゥ……!」


「青龍!? それに朱雀と玄武まで…………!!!?」



私がぬえの姿を見て一抹の不安を感じていると、ぬえと小白が現れた場所から見た覚えのある三人ーーー龍太、雀、玄気が現れた。

……流石の私もそこまで寝ぼけてはいない。

三人の姿、そして三人を小白が呼んだときの呼び方、そこから龍太達も私を都に連れていくつもりだとは予測できる。

しかし、現れた三人は見た目がぬえ以上にボロボロで、かなり息切れを起こしていた。



「あら、これはもしかして封獣さんが頑張ってきたのかしら?」


「そうみたいね、さしずめ凛々しくフランの殿方役を買って出たというところかしら?」


「にゃはは! その割には封獣も少々やられちゃったみたいだねぇ!!」



幽々子さんと紫さんと萃香が言う通り、きっとぬえは私が寝ている間に小白達が来ていることを何かで察知し、そして一人戦いに行ったのだろう。

御姉様達もこの部屋で臨戦態勢になっていたことを考えると、多分ぬえも浄瑠璃の鏡から何かを察したはずだ。

……しかし、どうしてぬえは一人で小白達に立ち向かっていって、御姉様達はぬえが一人で行くのを許したのだろうか?

今は聞けそうな状況じゃないし、これについては後でぬえから聞こう…………。



「しかし、封獣さんは東と南と北の三柱相手によく勝ちましたね」


「あぁ、相手は聖獣と呼ばれる種から選りすぐってきたはずの三柱のはずなんだが…………やはり、歴史に名を残しているのは伊達ではなかったということだな」



星と慧音さんが感心したようにぬえを見てうなずきあう。

……それも、座布団に座って御茶をすすりながら。

どうやら何時でも小白達に攻撃できるようにしている御姉様とルーミアとこいしとさとり以外の皆は、全力で観戦する気満々らしい。

それもこれも、ぬえの努力の賜物と言うべきなのかは分からないけど…………。



「ねぇぬえ、怪我とかは大丈夫なの? 何とか勝てたみたいだけど、痛かったら治してあげるからね!」



私を抱きしめ、さらには背中の触手を私の翼に絡めて絶対に奪われまいとするぬえに心配する私。

少なくともぬえは妖力は消費しているはずだから、私が妖力を分けた方がいい、そういう考えがあった。

……ただ、身長差もあったから、下から覗き込むようになったのは仕方ないと思う。



「……フラン、私が完全に回復するまで妖力を分けてもらっていい?」


「えっ? 別にいいけど…………」



ぬえを完全回復させるなら私は大部分の妖力を失うことになる。

しかし私の能力を少し応用すれば全然問題ないことだったから、ぬえの御願いを私は快諾した。

すると…………



「じゃあこのまま妖力を「どうせだからこっちでもらうわ」、って、んむぅ!?」


『『『『『『ちょっ、なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!?』』』』』』



皆の絶叫をBGMに、ぬえは私の視線に自分の視線を絡ませながらとてもとても深い接吻ーーーディープキスをしてきた。

それと同時に私の体から身体を密着しているだけではあり得ないほど凄まじい勢いで妖力が吸いとられていく。

どうやらぬえは、身体が密着している部分だけではなく、咥内の唾液を媒体に妖力を吸い取っているようだ。



「くちゅ……んぁ……んむ…………!」


「ふぁ…………ぬ……え…………んっ……!」



いきなりのディープキスに呆気に取られた皆を放っておいたまま、ぬえは私の妖力を自分の身体に満たしていく。

そして手早く妖力の受け渡しを済ませると、ぬえは一端口を離し、1つだけ指をならした。



ーーーパチンッ!


「……さっ、フラン、さっさとこんなところ出ていこう!!」


「あぅ…………ひゃう!?」



言葉と同時に私を抱き抱えながら広間の外に飛び出すぬえ。

気をやりそうな余韻を感じながら、ふと皆が気になって広間の方に目をやると、そこではさっきまで私達がいた場所、というよりぬえがいた場所に皆が攻撃を何故か仕掛けていた。

一体、どうして…………惚けた頭に浮かんだ疑問を問い掛けるようにぬえに視線を向ける。

するとぬえは、勝利の優越感に浸るように、不敵な笑みを浮かべて小さく呟いていた。



「人間の術、『身代わりの術』と『変化の術』も捨てたもんじゃないよね……!」




ーーーーー

以上、安定のルーミア&イケメン殿方ぬえ回でした!



……さて、久々にキスが出ました!

うん、作者的に満足感があります(笑)



よし、オリキャラネタを次回はどうしたものか……?




それではまた次回にてお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ