誇り高き吸血鬼の怒り
どうも愛式未来です♪
今回はフラン重視の妹コンビ無双回になっています♪
・・・何だか人間が出落ちキャラしか出てこないです。
まぁ何はともあれ、楽しんでいってください♪
ゆっくりしていってね♪
ーーーー二週間後。
ーーーーside フラン
「んっ……ふぁぁ……おはよ…ってフ、フラン!? 一体どうしたの!? 身体中真っ赤じゃん!!!!」
「おはようこいし! 怪我はしてないよ? これ全部返り血だもん、朝起きたら大蜘蛛が襲ってきたの」
「大蜘蛛の血って赤かったんだ…………」
皆さんこんにちは!
朝から真っ赤に染まったフランドール・スカーレットだよ!!
あっ、因みに大蜘蛛の血で赤く染まったんじゃなくて、大蜘蛛の胃にいた人間の血をもろに浴びたから赤いんだよ?
まさかまだ消化し始めだなんて思わなかったから、油断しちゃった。
「とりあえず木の実を採ってきたから食べようよ!」
「木の実も真っ赤…………まっ、いっか!」
うん、人からしたら血だらけの木の実とか食べたくないだろうけど、私達は妖怪だしね。
……私も前世は人だったけど、今は吸血鬼だから血は大好物だよ?
何でか知らないけど、生まれてからずっと人間としての感性より吸血鬼としての感性がとっても強いしね!
「ん〜、やっぱり血塗れの木の実は最高だね!」
「……とりあえずフラン、都にもうすぐ着くから食べたら血は洗い流しとこうね?」
「はーい!」
……あっ、そういえばこの辺りに川とかあったかな?
ーーーーー数時間後。
ーーーーside こいし
「「着いたーーー!!!!!!!!!!」」
何とか川を見つけてフランを洗ってから都まで歩いて数時間、ようやく都に着いたよ!
……この何週間かはフランと2人きりで過ごせて本当に幸せだった。
一緒にご飯を食べて、一緒に川で水浴びをして、フランの裸体を沢山見て眼福を味わって、思いっきり抱きついて柔肌を堪能して、夜は添い寝をして……etc.
……一緒に来れて本当に良かったぁ!!!!!!
「じゃあこいし、そろそろ行こっか?」
「うん、行こう行こう!!」
えへへっ、都でフランと一緒に何が見れるかなぁ?
ーーーー都にて。
ーーーーside フラン
「妖怪だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「さとり妖怪と雑種の妖怪だぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「陰陽師でも退魔士でも何でも良いから早く呼べぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
……私達を見て全力で逃げ惑う人々。
まぁ妖怪が来たから混乱してるのは分かるよ?
でもさ、陰陽師も退魔士も一緒じゃないの?
それに、何よりも…………
「こらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 雑種って言うなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 私は、きゅ・う・け・つ・きぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?!? だ、誰か助けてくれぇ!!!! 襲われるぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
うぅ…………もうやだ!!
人間なんて皆大っ嫌い!!!!
「うぅぅ、わ、私は吸血鬼だもん!!!! 御姉様と同じ、誇り高き吸血鬼だもん!!!!!!……雑種なんかじゃ、雑種なんかじゃないもん!!!!!!」
「フ、フラン、落ち着いて!? 一旦都の外に行こう!?」
叫んでいるところを後ろからこいしに羽交い締めにされて引っ張られていく私……。
……吸血鬼を馬鹿にするなんて、例え知らなかったにしても絶対に許さないからね、人間…………!!!!
ーーーーー都のはずれ。
ーーーーside こいし
「……………………」
「フラン…………」
さっきからずっと静かに殺気だっているフラン。
確かに私もフランと会うまでは吸血鬼という種族は知らなかった。
それでも、雑種って言い方はないと思うし……フランが可哀想だよ…………。
「…………ねぇこいし、都、攻め滅ぼして良いかな?」
「フ、フラン……?」
殺気がさっきよりも大きくなってる…………これは、本当にヤバそうだよ。
どうすれば、良いのかな……?
「……アハッ! 向こうから来たみたいだよ、こいし?」
「えっ?」
来たって何がーーーーー
「…………おい、そこの妖怪ども」
「えっ!? お、陰陽師!?」
うわっ、もう札を用意して構えてるよ!?
しかもあの札、とても強力なやつっぽいし…………もしかして都付きの陰陽師!?
「都まで侵入してくるとは、中々命知らずの妖怪らしいな? 人っこ1人殺せずに都から出ていくような弱小妖怪に私が出るのも勿体無いが…………まぁ光栄に思って死ぬがいいっ……!?」
ーーーーザシュッ!!!!
切り裂かれた音と共に宙を舞う陰陽師の首。
そして、残った陰陽師の体の向こう側に見える、右手を振り抜いた格好のフラン。
ーーーーードシャッ…………。
「……アハッ、アハハ、アハハハハハハ!!!!!!!!!!」
ーーーーーブシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!
陰陽師の首があった場所から吹き出る血の雨を浴びながら狂ったように笑うフラン。
それは本当に、本当に…………
「…………綺麗……」
……本当に綺麗だよ、フラン。
一瞬で首を跳ね、血を浴びて紅く染まりながら狂ったように笑い続ける姿は、私達妖怪からしたらとても綺麗で、そして私にとっては…………とても、とても愛しかった……。
「アハッ! ねぇこいし?」
「なぁに、フラン?」
「ちょっと、都に遊びに行きましょう…………?」
……確かにそうしたいね!
でも、先にやることはやっとかないと。
「フラン、人で遊ぶ前に先に色々聞き出しといてね? 次の目的地を決めとかないといけないし」
「えぇ、ちゃあんと、聞いておくね…………?」
それならよし!
じゃあ確認もしたし…………
「それじゃあ行こっか、フラン!」
「えぇ、行きましょうか、こいし!」
……楽しい楽しい、お遊戯の時間の始まりだよ!!!!
ーーーー数十分後、都にて。
ーーーーside フラン
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「だ、誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ふふふっ!
まだ遊んでるんだから、逃げたらダメだよ?
「ねぇ待ってよ? 貴方の知ってる楽しい所……強い妖怪がいる所を教えてよ!」
強い妖怪の所には、鬼が山を治めると酒や強者が集まるように、色んなモノが集まる。
だから、楽しいことも集まるはずなんだよね!
「ひいっ!? つ、強い妖怪!?…………あっ、か、風見幽香なら強いはずだ!!!!」
……風見幽香かぁ!
たしか、フラワーマスターだったよね?
向日葵だらけの太陽の畑に、他にも色んな花を栽培していたはず……!!
……色んな花、見てみたいなぁ!
「風見幽香はここからどこにいけば会えるの?」
「み、都から見て東に行けば良いはずだ!!!!…………な、なぁもう良いだろ? た、助けてくれよ?」
東かぁ!
明日の朝、太陽に向かって行けば良いよね!
さて、と…………
「うん、助けてあげるよ!……生き地獄からね?」
「えっ?」
ーーズシャア!!!!!!
……困惑したままの人間に上からレーヴァテインを降り下ろし切り捨てる。
血が地面に広がっていく様は、まるでカーペットが敷かれてるみたい。
……あっ、あれはこいしだね!
こいしは遊び終わったのかな?
「フラァーーーーーン!!!!!!!!」
私のことを呼びながら胸に飛び込んでくるこいしを抱き止める。
……アハッ! 真っ赤に染まってて、とっても綺麗!!
「こいしはもう遊び終わったの?」
「うん、ちゃんと風見幽香ってやつの話も聞いたよ!」
こいしも風見幽香のことを聞いたんだね。
となると、やっぱり都から見て恐ろしいのは風見幽香ってことなのかぁ……!
「私も聞けたのは風見幽香のことだったよ! 東にあるらしいから明日の朝にでも行こうかなって思ったけど……もう出発する?」
何だかこいしが凄くソワソワしてるし……早くいきたいのかな?
「するする!!!! 色んな花があるらしいからそれを見たいの!」
なら、今は夕方だし太陽と反対に進めば良いよね?
……なんかデジャヴを感じるなぁ。
「じゃあ行こっか、こいし!」
「うん、出発しんこー!」
…………あぁ、お遊戯の時間、楽しかったなぁ!!
ーーーーー
ある日の夕方、とある都は2人の妖怪によってほぼ壊滅した。
そしてその2人の妖怪が去った跡には、紅い血の道が出来ていたらしい…………。
ーーーーー
以上無双回でした♪
今回フランが真っ赤に染まりまくりましたね♪
しかも狂わせないつもりが思いっきり狂っちゃいましたし♪
そして次回は妹コンビが太陽の畑に行きます♪
果たしてファーストコンタクトは成功するのでしょうか?
それでは次回にまたお会いしましょう♪