うっかりには気を付けよう!
どうも、東方転妹録最新話です!
今回はもうタイトル通りですね!
フランがついついやらかしちゃいます(笑)
さて、レミリア視点で楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数分後、白玉楼広間。
ーーーーside レミリア
誰に向かって言っているのかは分からないけど、ごきげんよう、現在偉そうに私の前でふんぞり返ってる奴をどうしてやろうかと思案しているレミリア・スカーレットよ。
いきなり現れて説教をするだけならまだしも、今度は突然さとりを見て地底に連れていくとかふざけたことをぬかす奴ーーーー四季映姫とかいう閻魔らしいーーーーは、いったい何を考えているのかしら?
……宴会の最中に突如襖を開いて現れ、宴会の様子を確かめるやいなや神力を存分に発しながら大説教、それが終わってから西行寺幽々子に何やら冥界の管理者になって欲しいと頼んでいた。
さらに西行寺幽々子がそれを二つ返事で快諾した途端、次はさとりをじっと眺めたかと思いきや旧地獄ーーー別名地底に連れていくと理由も言わずにのたまう始末。
あっけにとられる周りは放っておきつつ、さとりを連れていこうとする四季映姫とさとりを庇って立ち塞がった私は睨み合うこととなっていた。
「……貴女、さっきから随分と勝手なことを言っているけれど、一体誰の許可を得てそんなことを言っているのかしら?」
「それは別に誰から許可を必要とするものでもないはずですが? 第一、少なくとも貴女は自らの能力でこの時が来ることを知っていたでしょう」
「私のこともお見通しって訳ね…………だからと言って、紅魔館の、私の家族をそう易々とくれてやったりしないわよ?」
「親しい仲とはいえ血縁でもない者にその傲慢さは感心しませんね。 まぁ今の私の態度もいきなり過ぎて考えものなのかもしれませんが……」
どうやらこの生意気な奴にも自分の発言がいきなり過ぎるという自覚はあるらしい。
なにやら文字が書かれた棒使って口許を隠す辺り、何かを思案しているようだけれど、果たして何を考えているのかしら……?
「……あの、私の意志などは考慮されないのですか?」
「そうなのだー!! さとりの意志が一番重要なのかー!!!!」
そうだ、この四季映姫とかいう奴にどんな考えがあるのかは知らないけれど、ここはさとりの意志が一番重要なはず。
今まで突然すぎる流れに驚き発言できなかったさとりの意志を四季映姫は流していたけれど、ここでさとりが嫌がるならば流石に『公正な閻魔』はこの場は引くだろうし、『さとりの意志』を重要視するだろう…………。
「ふむ、確かにその通りですね。 私としたことが失念していました…………では問わせていただきましょう、古明地さとり、貴女は旧地獄の管理者になる気はありませんか?」
少しばかり反省の色を見せた四季映姫が、今度こそさとりに向かって『意志を尊重する勧誘』をした。
後はさとりの意志に任せるだけで、だからこそ『ある意味で』私は安心していたのだけれど…………。
ーーードガアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!
「おねえちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!! 大丈夫!!!!!? 手荒なことされてない!!!?」
「さとり!! 助けに来たよ!!!!!!」
「ちょっ、流石に映姫様の邪魔は「はいはい部下は黙ってて」って、もがぁ!!!?」
……見事なまでに場の空気と庭に繋がる障子を破壊して現れたフラン達といつの間のかいなくなってフランと一緒に現れた封獣に、さとりの返事はさきのばしにされてしまった。
うん、もちろんフラン達がさとりを心配して来たのは分かるけれど、今回は『やらかしちゃった』の一言につきるわね。
見事に空気を粉砕しての登場だもの。
ただし、やらかしちゃったとはいってもフランの行動に一切罪はないけれど。
「……大丈夫ですよこいし。 少しお話をしていただけですから」
「本当!? よかったぁ……!! てっきり無理矢理連れ去られて既に御義姉様が勇者のごとく飛び出してたかと思ったよ!」
「「「「「レミリア(さん)が勇者、ね(ですか)…………」」」」」
「ちょっとそこの部外者達は黙ってなさい、全力でグングニル投げるわよ?」
八雲紫を始め、紅魔館の者と、四季映姫とその従者らしき奴以外がこいしの言葉に反応してこちらの様子を笑いながら見つめてくる。
確かに私は悪魔で勇者と呼ばれる立場ではないけれど、流石に家族を守るためならそんなことを気にするわけがない。
……まぁ、流石に聖なる勇者とはいかないだろうけど。
「ねぇねぇ、御姉様、さとりは本当に大丈夫なんだよね? 『無理矢理』連れていかれたりしないよね……?」
「それなら大丈夫よフラン、それは『さとりの意志』で決めるものであって、あの四季映姫とやらも『無理矢理』連れていく気はないみたいだから」
さとりとこいしを横目に見つつ、何故か四季映姫から身を隠すように私にしがみついてくるフランを優しくあやす。
その様子を見て先程まで私を笑っていた連中が歯痒そうな雰囲気になったのを感じて、何となく溜飲が下がったのは秘密だ。
「…………さて、思わぬ邪魔が入ってしまいましたが、もう一度問いますよ古明地さとり。 貴女は旧地獄の管理者になる気はありませんか? 始めには言いませんでしたが、貴女の能力なら既に地底に逃げ込んでいる数多くの哀れな者達の心を覚り、その者達の悲しみを拭ってあげられるのです」
「映姫様…………また大切なことを最初に言わなかったんですね…………」
待ちきれないと言わんばかりに四季映姫が再び話を切り出し、私のように妹を抱き締めてあやしているさとりに一気に視線が集まる。
……そして暫くの沈黙の後、さとりはゆっくりとその重い口を開いた。
「……少し、時間をください。 まだやらなければならないことがありますから」
「えっ!? お、お姉ちゃん!!!?」
「も、もしかして本当にコイツに着いていく気なのかー!!!?」
「ちょっ、それだったらアンタの妹はどうすんのさ!?」
……さとりが出した答え、それは条件付きとはいえ四季映姫の急な要望を受け入れるという答え。
その答えに思わずこいし、ルーミア、封獣が声をあげるけれど、それもさとりの澄んだ視線により自然と抑えられていった。
そしてその様子を見つつ私はフランの方に視線をやったけれど、フランはさとりの言葉にはさして興味を持っていないどころか、静かにある一点ーーー四季映姫の持つ小さな鏡に向けられている。
……きっと全て(本当は大体という言葉が正しいのだろう)知っているフランからすればこの状況は当然の状況で、またさとりが拒否しなかったのもフランにとって当然なのだろう。
だとすれば、いつか私が能力で見た『さとりがどこかの当主となる』が今これからのことであるのは間違いない。
……それにしてもフラン自身の気持ちはどうなのかしら?
いかにフランの知識にあろうとも、気持ちはまた違うはずなのだけれど…………。
「ねぇフラン、貴女はさとりが出した答えをどう思うのかしら……?」
「私? 私はさとりがそれでいいなら別に構わないよ? 地霊殿を紅魔館の真下に作れば通路を繋げられるし、そうじゃなくても一組の設置型転移魔方陣を紅魔館と地霊殿に作ればいつでも会えるもん! あっ、でもさとりが管理しなくちゃいけない怨霊達の処理場の灼熱地獄ってどこにあったっけ?」
『『『『『地霊殿……? 灼熱地獄…………?』』』』』
「えっ………………あっ!!」
……成る程、フランの知識にあるさとりの新たな住居は地霊殿と言うらしい。
そしてさとりの新たな仕事とは旧地獄にいる怨霊達の処理のようだ。
……まぁそれはフランのことを知っている私達には別に問題はないのだけれど…………しかし、ここには未だフランの秘密を知らない者が三人程いて、その上一人厄介者がいることをフランは失念していたらしい。
「…………成る程、それはそれはいい折衝案があるようですね。 しかし、貴女は何故『私がまだ口にしていない仕事の内容を知っている』のでしょうか……?」
「そ、それは、えっと、その…………!!!?」
私にしがみつきながら慌てるフランに容赦なく疑問の視線を浴びせる四季映姫。
そして何とか言い訳をしようと言葉を絞り出そうとして詰まらせるフランにしびれを切らせたのか、四季映姫がゆっくりと口を開き始めた。
「ふむ、どうやら自分からは言いにくいことのようですね? よろしい、ならばこの浄瑠璃の鏡をもって貴女の過去を覗かせていただきましょう」
「えっ、あっ、そ、それだけはダメぇ!!!!」
「なっ!? きゃっ!!!?」
ーーーガッ、ドシャアァァァァァァァァ!!!!!!!
四季映姫が手に持つ小さな鏡をフランに向けた途端、フランは私の目でも霞む位の勢いで四季映姫に飛びかかる。
流石にその速さについていけず勢いよくフランに押し倒された四季映姫の手から鏡がこぼれ落ち、皆の視線が集まりやすいところに転がってきて表を上にして床に倒れた。
さらに、その浄瑠璃の鏡とやらはあの一瞬で効果を発揮していたらしく…………。
「あら、この建物は何かしら? 見たことのない造りだけれど…………」
「あっ、誰か男の人が出てきたのかー!」
「あっ……み、見ないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
しっかりと、フランの前世の姿を映し出し始めたのだった…………。
ーーーーー
以上、フランのうっかり回でした!
本当にフランのうっかりっぷりが冴え渡った回となりました(笑)
次回はどう繋ごうかな……?
さて、最後に感想に関して連絡したいことがあります。
大変申し訳ありませんが、他作品のキャラなりきりや、本作のキャラの絵を描いてくれるといったモノは、正直もて余すぐらい返事に困ります。
前者では、以前より対応に困りつつあり、本作のキャラに返答をしてもらうといった形で何とかして参りましたが、前回の感想の暴走っぷりは最早キャラでさえ対処出来ません。
また後者ですが、著作権等の問題を引き起こしうる可能性もあるため、描くならば個人で、東方転妹録とは関係ない形で、東方プロジェクトの二次創作としてお願いしたく思います。
更にはR-18等は現在本作では一切扱うつもりもなく、本編での表現もR-15に抑えております。
日頃から応援してくださっている皆様には大変申し訳ありませんが、御理解と御協力をお願い致します。
尚、前回分の感想には上の文を持って返答とし、普通に感想を書いてくれた方々には申し訳ありませんが本日は返答いたしません。
本日の感想への返答は無しという形で、少し、休息をいただきたいと思います。
それではまた次回にてお会いしましょう。