酔った勢いには御注意を
どうも、東方転妹録最新話です!!
えー、実は今回から当作品はガラケー投稿ではなく、タブレット投稿になりました!!
……うん、実にどうでも良いですね、こんなことを言いたくなるのはがっつり体調を崩しているからでしょうか?
さて、使いなれないタブレットで変なテンションで書き上げた今話、楽しんでいってください!!
ゆっくりしていってね!!
ーーー10分程後、白玉楼の庭、大きな桜の前。
ーーーーside こいし
普段私たちがいるところとは違って奇妙な薄暗さがある冥界。
その冥界で恐らく一番大きな建物だろう白玉楼の庭にある大きな桜は、冬が近づいている今、枯れた葉っぱが数枚付いているだけで私の興味をあまり引かなかった。
だから私は、今隣で美味しそうにお酒を飲むフランを見ながら………………全力で、フランの誘惑に堪えていた。
「ねえ、こいし? いつもお酒だけじゃそこまでならないのに、どうして今はそんなに真っ紅なの?」
「だ、だって……それは、その…………」
恐らくなんの意図もないと思うけど、フランは私の頬をゆっくりと撫でながら無邪気に、それでいて妖しく微笑んでいる。
その上フランは私の頬を撫でるために片手をつきながら前のめりになってきていて 、悔しくも私より大きい胸元がしっかりと私の前にさらされていた。
……これって、やっぱり誘ってるのかな?
いや、今のフランは確実に酔ってるから、もし調子に乗って手を出そうものならきっといつかの酒場の時みたいに怒られちゃうはず………………うぅ、これじゃ生殺しだよぉ……!!
「ふふっ、真っ紅になって可愛いなぁ…………ねぇねぇこいし、ちょっとだけギュッて抱き締めて良い? 大丈夫、何も壊したりしないから」
「えっ、あっ、うん!! 良いよ! 私はフランから頼まれたことならどんなことでも断ったりしないもん」
「へぇ、どんなことでも断らないんだ?」
「う、うん…………」
あっ、もしかして私使う言葉を間違えた……?
ゆっくりと四つん這いになりながらフランが迫ってきはじめてるけど、やっぱり確実に間違えたよね?
こ、このまま来られたら絶対に不味いよね?
いつものフランからされるならむしろ大歓迎だけど、酔った勢いでっていうのは流石にやだよ!?
だってフランが本当にそれで良いのかわからないもん!!
「えっと、フランちょっ「こいし、なんでも言うこと聞いてくれるんでしょ?」……う、うん…………ってダメだよフラン!! まだそういうのはちょっと早いよ!?」
あ、危なかったぁ…………もう少しで完全に流されちゃう所だったよ!!
って、あれ? フランの目に何か光り始めた………………あっ、も、もしかして、泣いてる……?
「どうして…………なんでも言うこと聞いてくれるっていったのに……こいしに、甘えたかっただけなのに…………ヒクッ…………変なことなんて、しないのにぃ………………グスッ…………」
「えっ!? ご、ごめんねフラン!! ほら、ギュッてしてあげるから、おいで?」
私の間抜けな勘違いでしゃくりあげるフランに、私は慌ててフランのその力を軽く入れるだけで折れそうな華奢な体を抱き寄せる。
するとフランはしゃくりあげながらも私の胸元に顔を埋めて、時折ぐずる音を響かせながら私から離れなくなった 。
なっ ……こ、これは………………!!!!
フ、フランが可愛すぎるよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!
私が泣かせちゃったのに、それでも自分から、自分からしがみついてくるなんて!!
「……こいしの…………バカ…………」
「ぐはっ!!!?」
あまりにもフランが可愛すぎて死にそうなんだけど、これはあれかな、御義姉様と同じようにギュッて抱き締められて背骨粉砕されるのかな?
でもフランは私の胸元に両手を持ってきているし私の服を、こう、キュッていった感じで小さく掴んでるから背骨を粉砕されたり能力を使われたりすることもないわけだし…………これは、(精神的な関係の)一線を越えても良いってことだよね!!!?
「フラン!! 私と一緒にな「おっ、こりゃ楽しそうなところに出くわしたねぇ? いっちょ私も一杯付き合わせておくれよ」ろ……って、ちょうど良いときに乱入しないでよ!!!!!!?」
「にゅ?…………あれ、貴女は………………」
「おぉっと、こりゃ別の意味でお楽しみ中だったかな? そりゃ悪いことしたねぇ」
本当に、本当にちょうど良いときに乱入してきた邪魔者にーーー赤い髪を左右に一本ずつ結び、大きな鎌を持った海女さんか船頭のような感じの服装をした女性に怒鳴ってみたは良いものの、怒鳴った際にフランは私から離れてその邪魔者を不思議そうに見つめ、邪魔者も私が怒鳴ったことなどさして気にした様子もなく陽気に笑っていた。
……この女性、陽気な感じが勇儀と性格がどこか似ているような気がするけど、でもどこか根本的なところでなにか違う気がするけど、なんだろう…………?
まぁ今は私とフランの邪魔をしたことに対する粛清をしなくちゃいけないし、考えるのは後で良いや!
「さて、覚悟は「ねぇねぇ、貴女ってもしかして死神さん?」…………分かってたよ、フランがその人を不思議そうに見てたときから、私の言葉は遮られるって………………」
「あぁそうさ、私は説教好きで頑固な怖い怖ーい閻魔様に仕える死神だよ。 それにしてもそこの黒い帽子の嬢ちゃんは放っといて良いのかい? 軽く落ち込んでるようだけど?」
「良いの、こいしは後で私が慰めてあげるから」
「えっ!!!?」
あ、後で慰めるって……も、もしかして、よ、夜のお誘い!?
で、でもフランのことだからまた単純に頭を撫でるだけだったりして…………いや、でも今は夜だからそういったお誘いの可能性も捨てきれないし、それに夜もまだ長いし…………!!
「あー、どうやら自分の世界に入り込んじゃったみたいだけど、アンタの連れは大丈夫なのかい?」
「うん、多分眠たくなってきたんだと思うよ。 ここ数日私のせいで色々忙しくしてしまったもん…………」
「いやぁ、その様子だとちょいと違う気がするんだけどねぇ?」
ど、どうしよう!? もしフランがその気なら体とか念入りに綺麗にしておいた方が良いよね?
それなら白玉楼で真水を浴びなきゃ…………いや、でもフランは吸血鬼なんだし、ここは敢えて真水じゃなくて人間の血を、出来れば若い人間の新鮮な血を浴びた方がいいかな?
だったら紫さんに頼んで人間を狩りに連れていってもらわないと…………!!!!
「な、なぁ? 流石にこれはヤバイんじゃないのかい? 妖力纏い始めたし、目も妖しくなってきてるんだけど…………?」
「大丈夫、眠気と必死に戦ってるのが出ただけだと思うよ。 私たちが住んでるところだと私以外皆頻繁にあんな感じになってるし、それに何かするにしても大概私の下着を盗むかいきなり抱きついてきたりするだけだもん…………あっ、自己紹介し忘れてたね、私は紅魔館当主、レミリア・スカーレットの妹、フランドール・スカーレットだよ! さて、貴女の御名前は?」
「い、今この状況でよく余裕を保てるねぇ…………? あからさまに危ないやつがそばにいるというのに………………あー、私は死神の小野塚小町だよ、いつもは閻魔の映姫様のもとで三途の川の送り迎えをしてる」
そうだ、どうせなら紫さんに私とフランを紅魔館に送ってもらおう!
そうすれば送ってもらってから紫さんを縛り上げれば誰にも邪魔されないし、そうすれば一晩中私はフランと………………えへへっ!!
「そっかぁ、じゃあこれからよろしくね小町さん!! ………………さて、来て、『レーヴァテイン』」
「んっ? そんな物騒なもん持ってどうする気だい?」
「そろそろだから、安全のために喚んだの」
「安全のため…………?」
よし、じゃあそこの邪魔者は無視してフランを連れて白玉楼に戻ろっと!!
そして紫さんをおど…………説得して紅魔館に戻ったら………………うふふふっ!!!!
ーーーゴォォォォォォォ…………!!!!
「それじゃあ行こっかフラン!! 紅魔館に戻って熱い夜を「この真っ紅なレーヴァテインと一緒に過ごしてね?」すご…………って、キャアァァァァァァァァァァァ!!!!!?」
「あぁ、そのためだったのかい…………」
いざフランを連れて帰ろうとして振り返った先にあったもの…………それは煌々と燃え盛るレーヴァテインと私がいたずらしたときにいつも見せる無表情な顔をしたフランの姿で、何が起きているのかを理解したときには、私はあの邪魔者の哀れみを含んだ声と共に業火に呑み込まれていったのだった…………。
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以上、こいしの間抜けな独走回でした!!
……うん、ようやく小町が登場したというのに、次話へのフラグ立てたのに…………こいし、やらかしたなぁ。(大元は作者で(笑))
そしてフランの酔い方がおかしかった気がしてならない………。
それではまた次回にてお会いしましょう!!