表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
135/283

フランの痛すぎる愛の抱擁

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回は、まぁ…………題名の通りですね。

さて、犠牲者は誰になるやら……(笑)


それと最近は何故だか感想があらぶってきておりますが、それでも感想をいただけるのはありがたいです!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー1時間後、白玉楼大広間。

ーーーーside フラン



奇しくも綺麗な満月が夜空に浮かび、葉を散らしていく桜並木を照らす。

それは綺麗に整えられた庭と合わさって、静かな、それでいて荘厳な雰囲気を作り出していた。

そんな趣のある風景を生み出す一端である満月に、私は手を伸ばそうとして…………。



「フ、フラン!! 月を壊そうとしたらダメだよ!?」


「こいしの言う通りなのかー! 私達妖怪に取っては生命源そのものと言って過言はないのだー!!」


「おぉーい!! 誰だフランに酒飲ませた奴はぁ!!!?」


「にゃはは! ごめん、私だよ!!」


「藍、フランに尻尾を堪能させて落ち着かせてきなさい。 大丈夫、骨は拾っておいてあげるわ」


「ちょっ、ゆ、紫様ぁ!?」


「ら、藍さんので良いなら私の尻尾でも……!!」


「あややや、椛? なぜ自分の尻尾を刀のように構えてるのです?」



……色々勘違いしている皆に、全力で止められてしまった。


うーん、文お姉さん以外は皆前に一緒に飲んだことがあるメンバーだけど…………やっぱり、私、何かしたのかなぁ……?

まだ一杯目の半分もいってないのにね?








ーーーーーさらに1時間後。

ーーーーside レミリア



よくよく考えてみれば私はフランが酒を飲んでいる所を見たことはない。

私とさとりが私の故郷に帰ってる時にフランはこいし達と飲み交わしていたようだし、その後も勇儀達が紅魔館に挨拶に来たけれどその時は酒を飲む前に八雲紫がやらかしてくれた。

以前ここに――白玉楼に来た時もフランは悩みのせいで上の空になっていて、結局こいしと月見酒をしただけだったし、この前天狗の犬走と飲みにいった時も二人きりで行っていた。

……まぁここまで話す必要は別にない…………しかし、これだけは言いたかった。



「早く、早くこのことに気付いておくべきだったわ……!」


「んっ? 何に気付いておくべきだったの御姉様?」



……フランが、フランがおかしな酔い方をすることよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!?


「だから、その、ね? フランは酔ってきたらこんなに素敵になるってことよ?」


「ふふっ、ありがとう御姉様。 でも、御姉様もお酒が入ったら素敵になってるよ? 純潔を示すように果てなく白い頬をまるで火の粉を散りばめたように真っ赤に染めて…………蒼い髪と合わさって本当に綺麗…………」



よし、これは本当にマズイわね。

こうして艶やかに私の頬を撫でながら口説いてくるぐらい、良い具合にフランが出来上がってるわ……まぁ、フランに褒められるのは嬉しいのだけれど。



「そう、ありがとうフラン。 貴女のその純金よりも輝きを放つ髪も、全てを飲み込むような紅い瞳と合わさって美しく映えてるわよ?…………さっ、フラン、そろそろ寝なさい。 貴女、大分酔ってるわ」


「むっ、別に酔ってないしまだまだ飲めるもん! そんなこと言う御姉様なんか……こうだ!!」


ーーーガシッ、ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!



フランが酔ってしまっているのを見るのは初見だったとはいえ、どうやら誘導に失敗したらしい。

私の言葉に反発したフランは、何故か私に全力で抱き着いてきた…………しかし、これのどこが反発と言えるのか?

どう見ても可愛い妹が私に甘えてきているようにしか感じない。



「フラン? これがどうなるのかしら? 正直嬉しいだけなのだけれど……」


「……ねぇ、そこの虎さん? 貴女、どうしてそんなかわいそうな目であの吸血鬼を見てるの?」


「あっ、風見さん……いえ、その、フランのお姉さんは色んな意味で死ぬだろうなぁ、って思ってしまいまして……」



…………はっ? 私が色んな意味で死ぬ……?



ーーーギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………。


「あら、あんなに甘えられているのに?」


「えっと、まぁ甘えられるのはとても羨ましい限りなんですが…………情緒不安定な時のフランって甘えられる方が危ないんです」


「あっ、それなら私も人里の酒場で経験しましたよ。 私も色んな意味で死ぬところでした」



会話から察する限り、星という虎の妖怪と犬走はその『色んな意味で死ぬ』という経験があるらしい。

しかし、一体どういう意味なのだろうか?

悩殺でもされたなら話は分かるけれど、フランはただ単に甘えてきているだけだ…………むしろ封獣やこいし、ルーミアのそれだけで下位の妖怪なら呪い殺せそうな視線や、さとりの欲情が頂点に達しているような視線の方が遥かに死にそうだ。



ーーーギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……ミシッ…………。


「そう、それじゃあ二人ともどんな経験をしたのかしら? まさか悩殺でもされた?」


「いやいや、そんな悩殺などはされていませんよ。 ただです、ねぇ?」


「あー、私は抱き締められたまま首に、こう、がぶりと……」



フランの頭を撫でながら風見幽香達の話を聞いていると、段々フランの腕に込められた力が大きくなってきた。

まぁ背中が軽く鳴ったけれど、フランがそれほど甘えたいのなら全然苦ではない。

むしろ幸せを感じすぎて太陽に当たった訳でもないのに死にそうなレベルだ。



ーーーギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……ビキッ……バキッ…………。



「あらあら、フランったらよっぽどお姉さんに甘えたいみたいね…………本当、羨ましいわ」


「私は、あの状態は出来れば避けたいですね。 あっ、寅丸さんはどんな感じだったんですか?」



……だ、段々、辛くなってきた……わね。

流石に背骨が、そろそろ折れそう、なの……だけれど…………フランは離しそうに、ないわ、ね……?



ーーーギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……ゴキッ、メキッ…………。


「私ですか? 私はフランがオーエンを名乗っていた時にされたのですが…………」



い、一体何を、された、の、かしら……?

血を、吸われるのは……まだ、良いけれど………………あっ、もう折れる。



「……全力で抱き締められて背骨を粉砕されました」


ーーーギュゥゥゥ、バキャアァァッ!!!!!!!!


「いっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!?」


『『『『『『あっ…………』』』』』』



……あ、あぁ…………フランの愛が…………痛いわ………………。










ーーーーー


ーーーーside フラン


「んっ…………んにゅ……?」


「おっ、やっと起きたか。 もう皆出来上がってるぞ?」


「慧音、さん…………?」



あれ、私、慧音さんに膝枕されてたっけ?

確か、お酒が二杯目の途中に差し掛かったところまで覚えてるんだけど……。



「ふふっ、フランは少し酔いが回って眠ってしまっていたよ。 まだ辛ければ遠慮せずに横になってなさい」


「あぅ、もう大丈夫だよ、ありがとう慧音さん」



膝枕をしてくれていた慧音さんにお礼を言いながら、私はゆっくりと体を起こす。

そして軽く伸びをして回りを見渡すと…………。



「あっはっはっ!! 乳臭いフランに乳をあげてたのはこの乳か!? んっ!?」


「ちょっ、何いきわり触ってるの!! 向日葵畑の養分にしてやるわよ!?」


「まぁ大きさで言うなら家の藍が一番じゃないかしら? 経験も豊富だし」


「紫様!? 変なこと言い広めないでください!! 幽々子様も紫様を止めて……!!」


「私はこのままが面白いから止めないわ。 私も胸があっても経験はないし」


「椛も身長の割には大きめですよね? 良ければ育つ秘訣を教えてくれませんか? フランさんに飲ませ…………記事にするのに使いたいので!」


「文さん、本音が隠しきれてませんよ…………ってかそんなことは美鈴さんに聞いてください」


「ちょっ、わ、私は自然とこうなったので秘訣とかは知りませんよ? 寅丸さんはどうです?」


「私もあまり…………やはり、自然と育つのでは?」


「……くぅぅ……私だって、私だって能力を使えば…………!!!!」



……これはきっと私に喧嘩を売っているんだよね。

うん、間違いない、小さい私に喧嘩を売っているんだよ、絶対。

他の皆は別の話で盛り上がってるけど、萃香とかすごい頬をひきつらせてるし。

…………まぁ慧音さんも大きいけど、膝枕してくれてたし許してあげよっと。



「……『スターボウブレイク』」


「あっ…………」


ーーービシシシシシシシシッ!!



流石に部屋の中でガッツリ射つわけにはいかないから威力をかなり落としてスターボウブレイクを放つ。

そして慧音さんが声をあげた時には、スターボウブレイクはそれぞれ数発ずつ皆にぶつかって弾けていた。

そうして、勇儀達がこっちに視線を向ける前に私がこいし達に目を向けると…………。



「封獣! そろそろ決着をつけるのかー!!」


「ハッ! いいじゃん、どっちが上かはっきりさせてやるよ」


「「絶対に私の方が暗雲を操るに相応しい!!!!!!」」


「フランー、起きて早々悪いけどあれお願い」


「任せてこいし、『クランベリートラップ』」


ーーードドドドドドドッ!!!!



……もうそんなのどうでもいいでしょ、と言いたくなるような争いをしていたルーミアとぬえに、こいしに頼まれるままに手加減なしのクランベリートラップをぶつける。

そしてルーミアとぬえがどうかを確認することもなく、御姉様とさとりがどこにいるかを探せば、二人は部屋の隅で…………。



「……はい、レミリア、これで背骨が治っても動けませんね!」


「さとり!? わざわざ回復を妨げる術を使ったかと思ったら、貴女そんな……!!!!」


「……ふふっ、もう抵抗しても無駄ですよ? さぁ、私にその身を委ね「来て、『レーヴァテイン』」て……って、あっ!」


ーーーゴァァァァァァァァァァ、ドサッ!!


「いだだだだだだだだぁぁぁぁぁ!!!?」



……何故か背骨を痛めて動けない御姉様に、しっかりと第三の目に繋がる触手を絡めて今まさに(性的に)捕食しようとするさとり。

そんなさとりを見ていられずに、レーヴァテインを喚び出して細めの炎柱をさとりだけにぶつける。

すると炎柱が直撃した軽く焦げたさとりの上半身が倒れていき、見事に背骨が痛むという御姉様の上にのし掛かっていった……。

……御姉様には本当に申し訳ない。



「あー、フラン? 紫さん達が良い笑顔でフランを見ているぞ?」


「そっかぁ…………じゃあ慧音さん、申し訳ないけど紫さん達の相手をよろしくね! 私はこいしと二人で月見酒をしてくるよ!! じゃあ行こっ、こいし!」


「うん!!」



近くにあったまだ沢山お酒が入った瓶を左手で掴み、私はこいしと一緒に襖を開けて外に飛び出す。

後ろから慧音さんが私達を呼び止める声がすると同時に何個もスキマが現れたけど、何かが飛び出してくる前に空いている右手を使って能力で全てのスキマの入り口を破壊して先に進んだ。



「じゃあこいし、また『あそこ』に行こっか!」


「うん、『あそこ』で飲もう!」



何故か追手はもう来なかったから、きっと慧音さんがどうにかしてくれたのだろう。

そのまま私は笑顔を交わしながら葉がない沢山の桜並木をこいしと共に通り抜け、そして…………。



「大きい桜だね、フラン…………」


「うん、ここだね、こいし…………」



私とこいしは、あの場所に辿り着いたのだった……。





ーーーーー

以上、哀れレミリア回でした!!



……まぁうん、詰め込みすぎた感が半端ないです(笑)


そろそろ新キャラ出したいなぁ…………。




それではまた次回にてお会いしましょう!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ