吸血鬼型フラグ乱立兵器『スカーレッツ1号&2号』
どうも、東方転妹録最新話です!
今回は…………どうしてこうなった?
そして僕の頭の中は何を考えている?
……と、とりあえず楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数十分後、白玉楼客間。
ーーーーside フラン
いきなりだけど、私は本当に妖夢は凄いって思ったよ……。
……だって、まさか、こんな……こんな…………!!
「それでこれがこうなると敵はこうするしかなくて……(中略)……だからここまで来たら敵を一気に振り払って……(さらに中略)……そうしたら軽く妖力弾を巻きながら上段構えで切りかかって……(またまた中略)……だからここでこう強く振り抜かないといけないんですけどここで問題が……(どうしても中略)……となるとフランさんみたいに力がない私はこうするしかないんですけど実はこの前にちょっと注意すれば……(もう、ゴールして……いいよね?)……となるんですが、どうですかフランさん? 私、頑張って色々考えてみたんですよ!」
「こ、ここに……ここに、ヤマザナドゥは……いないはずなのに……!」
……こんなに話が長いなんて知らなかったよぉぉぉぉぉ!!
確かに妖夢が戦いの話が好きだってことは知ってたよ?
でもこれは流石に幾らなんでも長すぎだよ!
「よ、妖夢? 確かに凄いと思っ「ですよね! これならどんな強敵が相手でも苦戦はしても負けることはあんまりないです!! フランさんを始め紫様や藍さんでも……(ま、また中略!?)……だからきちんと一通りのことを上手く出来れば負けたりなんかはしません!!」…………」
……駄目だ、全く止められないよ。
今の妖夢は完全に興奮してるから…………子供が興奮した時って中々興奮が冷めないし、ここは自然と収まるのを待つしかない、か…………。
「御姉様……ちゃんと私と御姉様だけで交換日記するから、助けて…………!」
今は傍にいない御姉様に、何気無く助けを求める。
普通ならボソッと呟いたこの一言が人里まで伝わるはずがない…………そう思っていた私は、本当に御姉様を侮っていたのだ。
ーーーズガガガガガガガガァァァァァァァァァン!!!!!!!!
「なっ!?」
「てっ、敵……きゃあぁぁ!!!?」
私の呟いた一拍後、凄まじい音と衝撃と共に紅い影が『外から』客間に飛び込んでくる。
その時妖夢が衝撃で吹き飛ばされたけど、目で姿を追えば襖を突き抜けて隣の部屋に置いてあった柔らかい毛布に飛び込んでいたから、きっと大丈夫だろう。
そしてそこまで確認してから、飛び込んできた影の方に向き直ると…………。
「フッッッラァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!! 助けに来たわよ!!!!!!」
「おおお、御姉様ぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」
「大丈夫、私がもう来たからにはもう安心なさい! 貴女がいるなら私は誰にも負けないわ!!」
振り向いた先にいた紅い影―――御姉様が、左手を使って全力で私を抱き締めながら何故か右手に持つグングニルを天に掲げる。
その姿を見ながら、私は思わず固まってしまっていた。
……どどどどうして御姉様がここにいるの!?
タイミング的には私の呟きを聞いて飛び込んできたとは思うけど…………スキマが開いた気配も何もしなかったのに、どうやって!!!?
「お、御姉様? ど、どうやって一瞬でここに……?」
「ふふっ、そんなのは簡単よフラン? 何故かさっき胸騒ぎがしたから、ちょっと私自身の運命を操作してみたのよ。 『八雲紫がスキマを開いた時私はスキマを潜っていた』ってね? 能力を使う時フランが関わらないようにしたとはいえ成功するかは微妙だったけれど…………まぁ成功したからそれでいいわ」
「っ…………!!!?」
ま、まさか御姉様は過去の運命を操作したの!?
いや、まぁ胸騒ぎだけで私の所にすぐに来る行動力も凄いけど…………あれ? でもそれだったら…………。
「ねぇ御姉様、過去の運命を操ったんだったら皆の記憶はどうなるの?」
「あぁ、それなら私が何もしなければ記憶は書き換えられるわよ? もちろん運命を操る私と能力が効かないフランには効力はないけれど」
「じゃあ皆が違和感を感じることはないんだね」
「そういうことね。 まぁ私の能力は過去に対してはあまり使わないから、そこまで気にすることは無いわ…………さて、フランを助けに来たのは良いけれど、これはどんな状況かしら?」
気付いてなかった御姉様の能力の使い方に軽く感動していると、一言で一気に現実に引き戻される。
……そういえば妖夢は隣の部屋の布団の上でのびちゃってるし、部屋は御姉様が突っ込んできたからグチャグチャなんだよね。
…………うん、やっぱり能力の使い方は凄いけどその後の行動が駄目だよ御姉様。
いや、悪魔としてはある意味正しいのかもしれないけど…………。
「えっと、白玉楼に連れてこられてから妖夢とお話…………ううん、戦術論、で良いかな? それについて話して……というか語られてたの」
「ふぅん、あの子とはあまり話したことはないけれど少し興味がそそられるわね? ちょっとだけあの子の戦術論を聞いてみたいわ」
「じゃあその時は御姉様だけで聞いてね! 私は仲介も何もしないから!」
「えっ!? ど、どうして……」
「どうしてって、妖夢は語ると長いから」
前世の知識通りなら映姫よりはまだ短いけど、まさかあそこまで長いとは思わなかったよ……。
これから妖夢には出来るだけ戦いの話は振らないようにしないとね!
「ふむ、なんとなく納得できるわね。 まぁフランのお願いだから断るなんてありえないけれど!」
「えっと、胸をはってそう言ってくれるのはいいけど、私が変なことをお願いしたりしたらちゃんと止めてね?」
最後の一言と共にドヤ顔で胸をはっている御姉様に一抹の不安を覚えながら、一応釘を刺しておく。
まぁ、釘を刺した後も御姉様の態度は変わらなかったけど。
「まぁそれについては紅魔館に帰ってからフランと二人で話をするとして…………さぁフラン、もう紅魔館に帰るわよ」
「えっ!? で、でも客間をグチャグチャにしたままだし、幽々子さんに挨拶もしてないよ?」
「それは放っておきなさい、今はそれどころではないわ。 早くここから去らないと……!」
なんでだろう、なんだか御姉様が軽く焦り始めてる……?
もしかして前に幽々子さんにさとりとのことを弄られてたから、幽々子にまた会うのが怖いのかな?
「フランにこれを言うのは情けなくて嫌だけれど…………ここから早く帰らないとまたさとりが暴走しそうで怖いのよ! ほら、前にここの主に私とさとりが弄られていた時にさとりが本気で私を襲ってきていたでしょ!?」
「あー、幽々子さんとさとりが揃うのが怖いんだね……」
確かあの時は幽々子さんに弄られ過ぎて開き直ったさとりが御姉様を襲ったんだよね。
それを確か…………スターボウブレイクで止めたんだっけ?
あの時は本当にカオスだったなぁ…………。
「確かに、あの時はさとりも鬼気迫るものがあったもんね。 それに幽々子さんも簡単にさとりを暴走状態にしてたし」
「でしょう!? だから早く「でももう遅いよ」帰る……って、はっ?」
「ほら、後ろを見てよ御姉様」
御姉様の言葉を遮り、私は先程御姉様が飛び込んできた場所を指差す。
そして表情を固めた御姉様がゆっくり、ゆっくりと飛び込んできた場所に振り向いた。
……そこには御姉様にぶち破られた障子があるはずだけど、今は…………。
「ふふっ、ごきげんようレミリアさん? 貴女がいない間にキチンと藍は躾をしておいたわ」
「あら、紫ったら沢山連れてきたのね? もしかして皆でお泊まり会でもするの?」
「そうよ幽々子、ちゃんと『皆で』お泊まり会をするわ。 いきなりで悪いけれど、よろしくね?」
「ふふっ、私は構わないわ! 沢山いた方が楽しいもの」
開かれたスキマ、そこから出てくる人里にいたはずのメンバーと何故か一緒にいる幽々子さん。
紫さんと幽々子さんが勝手に話を進めているのをニヤニヤして見守っている辺り、多分皆空気を読んでいる。
そして、その先頭に立つ紫さんが幽々子さんとわざとらしい会話をした後…………二人の影から、御姉様が今一番恐れている人の姿が現れた。
「……さて、レミリア? 今日はどうやら白玉楼に泊まることになりそうですし、紅魔館に帰らずにゆっくりと楽しみましょう?」
「…………フラン助け「じゃあ私はこいしと一緒に月見酒の準備をしてくるね!」て、ってフラァァァァァァァァァン!!!!!?」
後ろから御姉様の私を呼ぶ声が聞こえるけど今は気にしなくて良いよね!
前はあんなことになっちゃったから、こいしとはしっかり月見酒を飲み直したいし、そっちが優先だよ!
……あっ、これだけは御姉様に言っておかないと!
「御姉様…………」
「!! フ、フラ「妖夢には悪影響出さないでね!」…………」
「……お、お願いだから助けて、フラァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!?」
ーーーーー
後に紅い悪魔、スカーレットデビルはこう語る。
『あの優しいフランが匙を投げるくらいさとりは強烈過ぎるのよ!? どうにかしないと、また襲われる…………!!』
……この時のスカーレットデビルは冷や汗を流しながら体を震わせており、さとりとのことがトラウマになっている様子がうかがえたらしい。
ーーーーー
以上、フランお酒フラグ&レミリアトラウマフラグ回でした!!
さて、次回のフランが楽しみですね!
レミリアは…………まぁ、生きてはいるでしょう…………(笑)
それではまた次回にてお会いしましょう!