表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
133/283

恐ろしい教育環境と哀れな狐妖怪

どうも、東方転妹録最新話です!



今回はフランだけ突然すぎる場所変えをして、そして藍様が…………!


皆さん、藍様に合掌をお願いします。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数十分後、白玉楼の庭。

ーーーーside フラン



レーヴァテインで御姉様達を打ちのめし(とは言っても御姉様達には大したダメージじゃないんだよね)、とりあえずその場で説教をしていたはずなんだけど…………。



「……私、なんで白玉楼にいるんだろう?」



とてつもなく大きな屋敷、その周りを花も葉もなく静かに囲む沢山の桜達……そして、屋敷と桜達に挟まれた庭の真ん中にポツンと座り込む私……。

……確か、説教中に急に足場が無くなったと思ったらここにいたんだっけ?

だったら、紫さんがしたのかなぁ……?



「ふふっ、多分フランが今考えている通りじゃないかしら?」


「あっ、幽々子さん! えっと、じゃあやっぱり紫さんが?」


「よし、私の読みは当たっていたわね! あっ、そうそう、確かに紫がフランをここに連れてきたわ。 というか暫くフランを預かってほしいってさっき頼まれてたのよ」



私が突然のことに呆気にとられていると、白玉楼の数ある障子の1つが開き、中から幽々子さんが出てきた。

……なるほど、やっぱり紫さんが私をここに連れてきたんだね。

でも、どうして幽々子さんに私を預かってくれるように頼んだのかな?

あの場にいた私以外のメンバーは来てないみたいだし……。



「ねぇねぇ幽々子さん、なんで他の皆はここに来てないの?」


「さぁ、それは紫に聞かないと分からないわよ? まぁ妖忌はともかく、妖夢がフランに会いたがっていたからじゃないかしら?」


「……えっと、もしかしてその理由は戦い、というか剣術のことだったり?」


「………………ふふふっ!」



うん、これは確定だね。

紫さんはどうなのか分からないけど、とりあえず確実に幽々子さんは私に妖夢の相手をさせる気だよ、絶対!

……あっ、でも妖夢相手なら絶対に年上として扱ってもらえるよね?

そうして妖夢の前でちゃんと大人っぽく振る舞ってる所に皆が来てくれたら…………フフフッ!



「……もう、乳臭い赤子なんて言わせないもん…………!」


「? フラン、何か言ったかしら?」


「ううん、なんでもないよ!」


「そう? なら良いんだけれど…………さっ、もう中に行きましょう」



不思議そうな表情の幽々子さんに手を引かれ、私は白玉楼の中に向かっていく。

そして、幽々子さんと一緒に障子を潜り抜けると…………。



「ぬっ!? 曲者の気配!!」


「えっ……?」


「っ!? フランっ!!」


ーーーガキィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!



障子を潜り抜けた途端、妖忌さんの何かを警戒するような声と共に私に向かって鋭利な何かが振り下ろされた。

思わず目をつぶって幽々子さんにしがみついてから、ちょっとしてゆっくり目を開いていくと…………。



「……妖忌、貴方、フランに何をしようとしたのかしら?」


「ゆ、幽々子様!? も、申し訳ございませぬ! 以前感じた侵入者の気配とフラン殿の気配が酷似しておりました故……っ!!!?」


「そう、フランを侵入者と間違えた、ね…………」



妖忌の自慢の一刀、桜観剣を閉じた扇子一本で受け止める幽々子さん。

その光景すら凄いはずなのに、幽々子さんから溢れでる何かに私は気圧されてしまっていた。


……えっと、妖忌さんが私の気配を侵入者の気配と間違えたみたいだけど…………それって前に妖忌さんが私を人拐いと勘違いした時の気配と同じと思ったのかな?

もしそうだったらしょうがないような、悲しいような…………。



「幽々子様!! お祖父様!! 大きな音がしましたが何かあったので…………ってフランさん!!!? それにお祖父様も何をしてるんですか!!!!!?」



さっきの音を聞き付けたらしく、奥の襖から妖夢が入ってくる。

するとやはり、妖夢は目の前の光景に驚いてしまっていた。



「あら、ちょうど良い時に来たわね妖夢! 驚いている所に悪いけど、フランを連れて客間で一緒に遊んでいてくれないかしら? 私も妖忌との『お話』が終わったらそっちに行くわ」


「えっ、あっ、はい、分かりました! じゃあフランさん、こちらに来てください」


「あっ、うん…………」



連れていくとは言ってもこの状況にどう入り込めば良いのか分からず、胸の前で両手をもじもじさせながら私を呼ぶ妖夢。

その姿がなんだか可哀想に見えたから、私はすぐに駆けよって妖夢の手を取り、素早く廊下に出た。

もちろんちゃんと襖を閉めるのも忘れていない。



「さて、妖夢、客間まで案内してもらって良いかな? 客間に着いたら、体は動かせないけど戦い方について話そうよ!」


「っ! はいっ!! すぐに案内しますね!!」



部屋を出る時と逆に、今度は妖夢が私の手を引いて客間まで駆け出す。

その時の横顔を本当に嬉しそうで、まるで新しい玩具をもらって喜ぶ子供のように輝いていた。


……でも喜ぶ理由が戦い方って言うのも、なんだかなぁ?

まぁ、やっぱり血は争えないんだろうね、きっと。



「さ……覚悟…………かしら……忌……?」


「まっ…………くださ……私は…………ぎゃぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!!?」



……うん、やっぱり血縁だけじゃないね。

ここの、白玉楼の環境がバイオレンス過ぎるんだよ、絶対に…………。



「妖夢、たまに紅魔館に泊まりに来てね? きっと良い環境のはずだから」


「へっ? あっ、はい! いつか幽々子様と一緒に訪ねさせていただきますね!」


「あー……うーん、妖夢一人の方が良いんだけどなぁ…………」



まぁもう妖夢も聞こえてないみたいだし、泊まりに来たときは幽々子さんは御姉様達に任せて妖夢は私の部屋で一緒に寛げば良いよね。

紅魔館なら少なくとも白玉楼ほどバイオレンスな環境じゃない…………あれ?



「私、よく紅魔館でレーヴァテインやスターボウブレイクぶっぱなしてるような……?」


「フランさん、どうかしましたか?」


「あっ! ううん、なんでもないよ?」


「? そうですか……?」



うん、御姉様達が何もしてこなければ私も暴れたりしないし大丈夫だよね!

……でも、御姉様が何しても出来るだけ笑って許すようにしよっと。










ーーーーー同刻、人里の外れ。

ーーーーside 藍



「……フランさん、貴女は何を思ってそんなことを言ったのですか…………?」



もうすぐ潰えてしまうであろう自分の命。

その命がまだあることに一握りの幸せと大きな悲しみを覚えながら、紫様の手によって今ここにいないフランさんに問いかける。



「さて、藍? レミリアさん達が人里で暴れてしまったことは後で注意するとして、まずは貴女からよ」


「まっさか私が八雲紫と寅丸と争っている間にフランをたぶらかしているとはねぇ? これは少し『お話』が必要だなぁ……?」


「妖怪でありながら何かに純粋な祈りを捧げられるフラン、そんなフランを汚すようなことは許されませんよ?」



紫様を始め、妖怪の山の鬼の星熊さん、廃寺の毘沙門天代理の寅丸さんに物凄い殺気を向けられる。

……遂に秒読みが始まってしまったのか…………。



「とりあえず、その女狐は狩って良いわね? 後でしっかり注意は受けるから、思いっきりやらせなさい」


「いっち、にっ、さんしっ!」


「……こいしはちゃんと準備運動してますね。 では、私も軽く準備をしましょうか」


「よし、ダーインスレイヴの切れ味はこれで良いのかー」


「とりあえず人里から槍を借りてきたけど、私の妖力で固めてるから大丈夫よね?」


「あやややや!! 今回ばかりは私も参加しますよ? フランさんの純粋な心を黒く染めようとしたのは許せませんから!!」


「文さん、私も忘れないでください!……同じモフモフ同盟のよしみ、せめて楽に逝かせてあげます!!」


「藍さん…………すまない…………」



背後で準備をする紅魔館勢を見せながら、レミリアさんが指をならす。

そこから少し視線をずらせば、天狗二人が笑顔で憤り、慧音さんが平謝りをしていた。



「さて、もう良いでしょう? さっさと植物の養分にするわよ」


「にゃははは! フランの分と紅魔館の皆の攻撃に巻き込まれた分、きっちり狐に返してやるよ!!」


「フランさん…………モフモフさせてあげますから、どうか助けてください……!」








……次の瞬間、私の視界は真っ白にそまっていった…………。










ーーーーーおまけ、少し前、妖怪の山。

ーーーーside 雛



「!!!!」


「んっ? どうしたんだい雛?」


「に、にとり! 厄が…………!!!!」


こ、この恐ろしいほど大きな厄はなんなのでしょう?

どうやら人里の近くから感じられるようですが…………。



「あー、また文さん達が何かやらかしてるんじゃない? ほら、あの紅魔館の連中と一緒にさ?」


「なるほど、確かにそれならあり得るわね…………それじゃあきっと大丈夫ね」


「うん、大丈夫大丈夫、いつものことさ」



さて、それじゃあこの厄は無視しておきましょうか。

……ただまぁ、少し興味がひかれますが。





ーーーーー

以上、白玉楼の恐ろしい教育環境と藍様に合掌回でした!




……さて、今のところ藍といい妖忌といい美鈴といい、従者がかなり哀れな目にあってますね。

次は、あの人辺りかな…………?



それではまた次回にてお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ