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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
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再始動、紅い悪魔の館……そして、静かに空を舞う鵺

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回はフランと幽香を離れて久々に紅魔館に視点が移ります!!


……ただまぁ、一番良いとこ持っていくのはやはりあの人でしたが(笑)




それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー同日昼、紅魔館玉座の間。

ーーーーside レミリア



……幾つもの障害を乗り越え、ようやくスタート地点に立てたわ…………!!



「さて、そろそろ本題に入るわよ……?」


「……そうですね、時間を浪費しすぎましたから」


「うん、もう一刻の猶予もないもんね」


「私達の光を早く探し出すのかー……!」



玉座の間に集いし紅魔館の精鋭達。

私はもちろん、彼女達からは周りのモノ全てを威圧するような、そんなオーラが出て玉座の間を満たしている。

そのような中、私達は目配せをしてから頷きあって……。



「まぁ探し出すのが遅れた原因は御嬢様方の喧嘩ですけどね!」


「「「「だまらっしゃい美鈴!!!!!!」」」」



……余計な一言を言った美鈴に、全力で弾幕を放ったのだった…………。






―――――



「うぅ……ひ、酷いですよ皆さん…………!」


「何時の時代、どんな場所でも良かれ悪かれ余計な事を言うやつは排除されるものよ、美鈴?」



床に這いつくばって恨み言を言う美鈴に、私は厳しい現実を突き付ける。

それを聞いた美鈴は唸り声をあげながらさめざめと涙を流していた。



「……さて、一仕事終わったことですし、フラン探しについて話し合いましょうか」


「封獣はもう人里でフラン探しをしてるみたいなのかー。 まぁまだ見つかってないみたいだけど」



さとりが遂に本題を切り出し、ルーミアがフラン探しの進行状況を述べる。

……まぁ初めてフランが脱走した時は、探索専門の部下を持ってしても跡をつけるのに何年とかかってしまったから…………いくら封獣がこの小さい国に多少の土地勘があるとはいえ、2日じゃ見つからないわね。



「とりあえずフランが行きそうな場所を割り出しましょうか。 まず最初に……フランは、フランが知っていて私達が知らない場所に逃げるはずよ」


「だったら御義姉様やお姉ちゃんの知ってる場所に、それともう星の寺の可能性はないね。 前回身を寄せて私達に見つかったわけだし」



私の質問にこいしが答える。

そしてこの瞬間、私には宛がないことをはっきりさせられた。

悔しいけれど、なんだかんだでフランの旅の癖を知っているのはこいしとルーミアだけなのだ。



「でも、私とこいしが知ってる場所もフランは選ばないんじゃないのかー?」


「そうだけど……フランも長い間旅をしてなかったわけだし、印象深くて記憶に残ってる場所に行くなら私達が知ってる場所でも可能性はあると思うよ?」


「むー……でも、私がフランと旅をした時には身を寄せられるような印象深い場所はなかったのかー…………」



こいしの言葉に今度はルーミアが悔しそうに唸る。

正直私とさとりもルーミア以上に唸りたくはあるけれど……。



「……だったら、こいしはどこか心当たりはありませんか? 身を寄せられる、印象深い場所は……」


「私もそんなに…………あっ!」


「あら? どこか心当たりがあったのかしら?」



今の様子だとこいしには心当たりがあるようね。

また寅の妖怪がしきっていたような場所があるのかしら……?



「身を寄せられるかは分からないけど、印象深い場所ならあるよ!」


「じゃあこいし、そこはどこなのかー!?」


「えっとね、確か太陽の畑って場所だよ!!」


「「…………はっ?」」



う、嘘よね? さとりも驚いているようだけど、私もかなり驚いたわ……!

……太陽の畑って言えば、たしか八雲紫がいつか言っていた…………!!!!



「「か、かなり危険な場所じゃない!!!!!?」」


「「ひゃうっ!?」」



私とさとりの叫び声にこいしとルーミアが小さく跳ねる。

私も叫び声と共に翼を天に突き上げたけれど、さとりに至っては目玉が飛び出すのではないかってくらい第三の目を見開いていた。



「そんな……!? レミリア、あそこはあの風見幽香がしきっている場所です!!」


「分かってるわ、八雲紫が真面目に話していた花の妖怪のことでしょ!?…………フランならそう簡単には負けないとは思うけれど、幾らなんでも危険だわ……!」



認めたくはないけれど、八雲紫の実力は本物だ。

その実力は人里の上空でフランを巡って争った時や酔っぱらってこの玉座の間に入ってきた時に十分理解している。

……だからこそ、その八雲紫が真面目に話すような妖怪は恐ろしいのだ。



「で、でも前に太陽の畑に行ったときにフランは私を守って風見幽香と戦ってたし、多分行かないんじゃないのかな?」


「……フランは風見幽香と争ったことがあったのですか? 確かに、それならフランも警戒して…………」



確かに争ったならフランも行きはしないかもしれない。

しかし、まだ判断材料が揃っていないわ……!



「待ちなさいさとり、その判断は早計よ?……こいし、その争いは何故起きたのかしら?」



フランは確かに慎重な性格ではある。

そしてそこだけを考えたなら普通太陽の畑はあり得ないけれど…………しかしそれ以前に、フランは純粋で優しい子なのだ。



「えっと、私がフランにあげようと太陽の畑にあった向日葵を摘んじゃって……それで風見幽香が襲ってきて、私が危うい所でフランが助けてくれたのが争いの始まりだったはずだけど…………」


「……そう、じゃあ決まりね。 皆、人里で封獣を拾ってから太陽の畑に行くわよ! 美鈴は紅魔館に残って私達が留守の間全力で守り抜きなさい!!」


「っ! はっ、紅美鈴拝命しました!!」



私の命令に美鈴が雰囲気を変えてその場に立ち上がり礼をする。

それを見てこいしは戸惑い、さとりは私の心を読んだのかルーミアと共に納得顔で準備を始めた。



「えっ? えっ? どうして急に……?」


「こいし、フランの今までの行動を思い出すのかー」


「……そうですね、月面戦争の撤退戦の時が分かりやすいでしょうか」


「それと『オーエン』を名乗って私と共に心中しようとした時とその後の事ね」



どちらにも共通することがある。

それは、フランは案外命知らずだということと、謝らないといけないとフランが感じた時は絶対に謝ろうとすることだ。

正直、そこまでしたらスカーレット家の一員としては謝りすぎだと言えるぐらいである。

もちろん、そこがフランの良い所の一つで、矯正するつもりは全くないけれど。



「……そっか、つまり長い間が空いたとはいえフランなら攻撃されてでも謝りに行こうとするってこと?」


「その通りよこいし、それならフランが太陽の畑にいる可能性は高いわ」


「そっか、そうだね! それなら確かにフランは太陽の畑に行ってるかも!!」



ようやく納得したこいしはフランの居場所に目星が着いたことに嬉しそうに笑う。

これで、後は封獣を拾ってからフランを迎えに行くだけよ……!





「さぁ、それじゃあ早くフランを太陽の畑まで迎えに行くわよ!!」


「「「おー!!!!!!」」」


「……御嬢様方が2日前に話し合っていればもっと早かった、ってギャァァァァァァァ!!!!!!!?」



……余計なことを言うやつは弾幕で撃ち抜くだけよ。

正しく『口は災いの元』ね。











ーーーーー同刻、人里。

ーーーーside ぬえ



いきなりだけど、妖精とは本来自分が生まれた場所の化身として存在する。

例えば水から生まれたなら水の妖精、石から生まれたなら石の妖精、土から生まれたなら土の妖精といった具合だ。

中には風と火、雷と氷といった複数の物から生まれたものもいる。

……そして、妖精達は自分が生まれた場所にめっぽう詳しかったりもするのだ。



「それで、風が言うにはフランは太陽の畑ってとこに行ったのね?」


「はい! 風以外にも雲の妖精が雲から聞いています!」


「へぇ、雲の妖精なんていたんだ……」



まぁそんなことはおいといて、今はフランのことを先にしないとね。

妖精達は紅魔館のメイドだし、風の妖精と雲の妖精以外にも何人か残して後は紅魔館に帰らせよう。



「じゃあアンタと雲の妖精に道案内を頼むわ。 後は出来るだけ優秀な奴を2、3人ここに残して、後は紅魔館に帰しといて。 残る奴には『八雲紫やその式、そして鬼、天狗が帰ってきたら封獣はフランがいる場所に行ったと言うように』って頼んどいてね」


「わ、分かりました! ちゃんと伝えておきます!」


「んっ、じゃあよろしく。 終わったら私のとこに戻ってきてね」



急ぐように他の妖精達の場所に行く風の妖精を見送り、私は静かに空を見上げた。


……ここ最近思うけど、紅魔館の主とその親衛連中は部下を使うということにあまり慣れていない気がする。

元々自分で出来ることは自分でこなすという姿勢をとっているせいか、あまり部下を頼らないのだ。

だからこそフランの姉は紅魔館に警備隊や諜報隊、メイド隊といった部門を作ってはいるものの、大雑把にしか使えていない。

上手く使えば、今の私みたいに誰かが遠くに行っても2日程度で見付けることができるにも関わらず、だ。

…………ただまぁ、自分でこなす姿勢があるからこそ、部下の妖精達も嫌がらずに自ら進んで着いていくのだろうけど。



「……世の中、完璧なんて無いよね…………」



私が都で大暴れした時も、結局正体を見破られ矢で撃ち抜かれて地底に封印されてしまった。

優しく純粋なフランも、一度は自分を見失い『オーエン』として暴れた。

フランの姉も、本当に凄い当主なのに……姉としては妹に欲情したり妹の観察日記をつけて家出されたりと、本当に色々と馬鹿だった。

……最後のは救いようがないかも。







「……さて、そろそろフランを迎えにいきますか」





暫しの思考の後、私は走り寄ってくる風の妖精と雲の妖精を見ながら空に舞い上がった。






ーーーーー

以上、紅魔館始動&ぬえ、空に舞う回でした!!



うん、やっぱりぬえが一番良いとこ持っていった(笑)


せっかくレミィがさとりを抑えて当主らしい判断力を見せたのに(爆)



……あれ? なんだかぬえが活躍し過ぎてる気がする…………?




ま、まぁそれはおいといて、それではまた次回にてお会いしましょう!!

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