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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
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お母さん+娘=親子

どうも、東方転妹録最新話です!!




今回はほのぼの回…………だと信じたいなぁ……!


もうフランに対して幽香さんが、幽香さんが……!!




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー同日の夜、幽香の家。

ーーーーside フラン




「はい、冬野菜の温野菜サラダよ」


「うわぁ……! 美味しそうだね!!」


「ふふっ、私が育てた野菜を使ったんだから当然美味しいわよ?」



どうも、幽香さんの家で晩御飯をいただいてるフランドール・スカーレットだよ!

温野菜の具として使われてるのはカブ、カリフラワー、大根、キャベツで、まるで雪が積もったように白いサラダなの!

……それにしても、幽香さんって花だけじゃなくて野菜も育ててるんだね。

植物を操るとは言っても幽香さんは無類の花好きだから、てっきり花しか育ててないって思ってたよ。



「植物は皆生きていて沢山の感情を持っているの。 だから幸せを一杯感じて育った野菜は、幸せを感じた分だけとっても美味しい野菜になるのよ」


「そっかぁ……! じゃあ幽香さんの育てた野菜は世界で一番美味しいんだね!!」


「えぇ、当然よ!」



私の目の前に温野菜のサラダが置かれている机の反対側で、幽香さんが誇らしげな笑顔を見せながら胸を張る。

そのせいで幽香さんの形の良い大きな二つの丘がとてつもない自己主張をしてきた。


……私ももっと背が大きくなってあれくらい胸があったらなぁ…………。

でも、後300年以上は確実にこのままだし……。



「あら、急に下を向いてどうしたの? 早く食べないと冷めちゃうわよ?」


「あっ、う、うん!……あっ!?」



幽香さんに促されて、急いでサラダの横に置かれた木のフォークを取ろうとする…………がしかし、焦ったせいで手を滑らせてフォークを床に落としてしまった。



「ご、ごめんなさい!! えっと、その……!」


「あらあら……焦らずにゆっくり食べなさい、フラン? ふふっ、今から新しい食器を持ってくるわ」


「あ、あぅぅ……!?」



私が取り落としたフォークを、私より先に拾い上げて楽しげに笑いながら台所に下がる幽香さん。

それを見送りながら、私は恥ずかしさのあまり椅子の上で縮こまっていた。



「ほら、新しいのを持ってきたわよ……って、どうして縮こまってるのかしら?」


「だ、だって…………!!」



幽香さんの胸を見て羨ましく思っていたせいで焦って落としたことが恥ずかしいなんて言えないよ!

これがばれたりなんかしたら、絶対に幽香さんに笑われちゃう……!!



「ふふっ、しょうがないわね? そのままだとまた食器を落としてしまいそうだから、こうしましょうか」


「えっ? あっ、キャッ!?」



ゆ、幽香さんにいきなり抱っこされちゃったよ!?

しかも幽香さん、私を抱っこしたまま私の席に座っちゃった!

……あれ? もしかして、この感じって…………。



「ほらフラン、あーん?」


「ゆ、幽香さん!!!?」



や、やっぱり『あーん』されたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

どうしよう、完全に子供扱いされちゃってる!!!?



「幽香さん、どうして……!?」


「あら、これならまた食器を落とす心配もないでしょう? ほら、口を開けて?」


「あ、あぅぅ…………!!!?」



た、確かにさっき焦って食器を落としたのは私だけど…………うぅ、理由がなくて断れないよぉ!!



「うぅ……あ、あーん……!」


「はい、あーん……」


ーーーシャクッ!


「っ!!!!!?」



恥ずかしがりながらもサラダを口に含んだ途端、みずみずしい野菜の音と一緒に口の中に野菜の甘味が一気に広がった。

しっかりとしながらも爽やかな甘味が、野菜が含んでいた水分と共に口の中を駆け巡り、鮮やかで幸せな味を口の中で奏でている。



「どうかしら? 私が端正込めて育てた野菜の味は?」


「……美味しい、本当に美味しいよ!! なんだかとっても幸せになれる味がするの!!!!」


「ふふっ、それはよかったわ! それじゃあもう一回……はい、あーん」


「あーん……!!」



一瞬にして幽香さんのサラダの美味しさに囚われた私は、さっきまでの恥ずかしさなんて忘れて何回も何回も幽香さんに『あーん』の催促を繰り返す。

そしてサラダ一皿を平らげてしまった時には私のお腹は満たされて、私は幽香さんの優しい香りに包まれながら幸せな気分になっていた。



「んっ、ごちそうさまでした!」


「はい、お粗末様でした」



えへへ! 幽香さんのサラダ、毎日食べたいくらい美味しかったなぁ……!!

それに幽香さんの香りも心地良いし、幽香さんが抱っこしてくれてるおかげで冬の夜なのに暖かくて気持ちよかったもん!

……でも、ちょっと眠くなってきたかも…………。



「ふぁぁ…………!」


「あら、もしかして眠くなっちゃったのかしら?」


「うん……ちょっとだけ…………」



幽香さんと正面から抱き合うように向き直り、おもいっきり幽香さんに抱き着きながら幽香さんの胸に頭を埋めて目を閉じる私。

食事の前は羨ましく感じた幽香さんの胸だったけど、今の私にとっては柔らかくて気持ち良い枕になっていた。



「そう……それじゃあしばらくこうしていてあげるから、もう寝てしまいなさい? フランが寝たら布団に運んであげるわ」


「……うん……ありがとう…………じゃあ、おやすみなさい……」


「えぇ、おやすみなさい、フラン…………」



寝る前の挨拶を済ますと、幽香さんの心地良い香りに包まれながら一気に意識が遠退いていく。

そして意識が途切れるその時まで幽香さんの温もりを感じながら、私はとうとう眠りに落ちたのだった……。










―――――


ーーーーー同刻、廃寺。

ーーーーside 星



月明かりが照らす夜、私は突然来訪した二人の客人。

その二人はフランの親しい友人の方々でした。



「どうぞ、粗茶ですが……」


「あら、ありがとうございます。 いただきますわ」


「いやぁ、夜分に突然来たっていうのにすまないねぇ」



私がお茶を出すと少しだけ申し訳なさそうにする二人の客人―――八雲紫さんと星熊勇儀さん。

一体、どうしてこんな夜分に此処へ来たのだろうか?



「それで、今日はどのような訳で此処へ? 参拝という様子ではないようですが……」


「あぁ、私達はフランを探しに来たのさ」


「残念ながら此処にはいなかったようですが……」


「フランを…………?」



どうやら二人はフランを探しに此処へ来たらしいですが…………どうしてフランを探しているんでしょうか?



「実は、フランの姉が色々やらかしたらしくてねぇ? フランが紅魔館から出ていってしまったんだとさ」


「昼頃に藍と一緒に人里に行ったら封獣に捕まって、それからはスキマで妖怪の山や紅魔館まで使いっ走りにされていますわ……」


「「便利な能力ですしね(だからねぇ?)」」


「私は騎馬ではないわよ!!!?」



私と勇儀さんが思わず本音を漏らすと全力で否定する紫さん。

……まぁ、本人にとっては色々迷惑な扱いですよね。



「まぁ紫さんのことは置いておいて、二人ともあまりフランがいなくなったことに焦ってはいないようですが……?」



先程から会話をしている中で二人から焦りを感じることはありませんでした。

以前会った時はお互い親しい友人だとフランも二人も言い切っていたぐらいですから、心配にはなっているはずですが…………。

……因みに私もフランから親しい友人認定されていて嬉しかったのは秘密です。



「私はスキマでいつでも会えますから、別にこれといって心配はありませんわ。 それにフランは強いですし、鬱憤を晴らしたい時があるはずですもの」


「『可愛い子には旅させろ』ってよく言うだろう? 私にとってフランは妹分、というか『私の』可愛い可愛い娘だからな!」


「「『私の』娘……?」」



……今私は聞き逃してはならない、そして決して譲ってはならないと感じる一言を聞きました。

フランが、誰の娘、と…………?



「……勇儀さん、貴女は何を言っているのかしら?」


「フランは勇儀さんの娘ではありませんよ?」


「はんっ! なんだい、もしかしてフランが『わ・た・し・の』娘だってことが羨ましいのかい?」


「「………………」」



これは、なんとも許しがたい…………例え毘沙門天様が反対したとしても、私はこれを譲ってはいけませんね……!



「……ふふっ、フランは此処へ来るといつも私の膝枕でお昼寝していますよ?」


「あら、それがどうかしたのかしら? 私はよくフランと手を繋いで散歩に行っていますわ」


「二人とも甘いねぇ? フランは私と会うといつも私に抱っこされてるよ?」


「「「……………………」」」



……暫し訪れた沈黙の中、八雲紫はスキマから御札を取り出し、星熊勇儀は手に付いた鎖を揺らして音を鳴らす。

そして私も懐に手を入れ、静かに宝塔を取り出した…………。





「「「……それじゃあ、ゆっくりと話し合いましょうか(話し合おうか)?」」」








今夜は、とても永くなりそうですね……?










ーーーーー



己の欲する立場を掛けて争う3人。

しかし3人はまだ知らない…………既に決定的な行動を起こした風見幽香の存在を……。





ーーーーー

以上、もうなんて言えば良いか分からないほのぼの幽フラ回でした!!



……なんだろう、最近フランも成長してきていたはずなのに一気に幼児退行させてしまった。

元は男なはずなのに……?


あっ、因みに本作は『種族の優位性』という考えを丸々用いています。

フランを例にして簡単に言えば―――上位種族の吸血鬼の肉体に下位種族の人間の精神が宿った場合、フランの基本的本質は上位種族である吸血鬼の肉体重視となっていく、といった感じのものです。

だからフランは肉体は幼女の吸血鬼なので性格や口調も影響されやすいという感じですね。

まぁ詳しいことは活動報告で話します。




……さて、寺にいる3人は大丈夫かな?




それではまた次回にてお会いしましょう!

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