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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
118/283

good-bye&see-you『U.N.オーエン』

どうも、東方転妹録最新話です!



今回は後日談で、とにかくほのぼのとしています!


……うん、本当に暖かい雰囲気で、書いてる僕も幸せになれました!



それでは楽しんでいって下さい!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー1週間後、紅魔館。

ーーーーside フラン



「……んっ、ふぁ……! もう朝かぁ……」



窓から射し込む朝の日射しを感じて、私はベッドからゆっくりと起き上がる。

そして伸びをしながら立ち上がると、私は着替えるためにタンスへと歩き出した。




――1週間前、再び『フラン』として進み始めてから周りで様々な変化があった。

その中でも一番の変化と言えば、やはりぬえのことだろう。


ぬえはあの後、半分紅魔館の住民みたいになったのだ。

理由は簡単、『私とこれからの日々を過ごすため』。


悪戯仲間であるムラサ達(私はまだ会ってない)と会ったりするために2日に1回は地底に戻っているけど、ぬえと私のお願いにより御姉様の計らいで紅魔館の一室がぬえの物として用意された。

その部屋はルーミアの部屋を挟んで私の部屋の2つ隣にあり、ぬえの趣味なのか、部屋の中は案外和風で染まっている。

だから、なんだかんだで和風が好きなさとりとこいしがよく忍び込んでいた。



そして次に変化があった人、それはなんとルーミアだった。


1週間前、始めはぬえに対して一番警戒していたルーミアだったけど、今は私を除けば一番ぬえと打ち解けていた。

『封獣とはフェアに戦いたいのかー!』、なんて言ってぬえが地底に行く時は必ず着いていくくらいだ。


因みにぬえのことを『ぬえ』と呼ぶのは私だけだったりする。



他にも紫さんと藍さんが本格的に大型の結界を作り始めたり、文お姉さんが1日に1枚は必ずその日の一番よく録れた写真を見せに来てくれたり、星が勇儀と萃香と何故かかなり打ち解けていたりと、様々な変化があった。




――着替え終わった私は、タンスの上にある1枚の写真に目を向ける。

その写真の真ん中には私が自分でも照れくさくなるくらいとびきりの笑顔で御姉様にしがみついていて、周りには御姉様やさとり達だけではなく、1週間前玉座の間に集まった面々に永琳、てゐ、幽々子さん、妖夢、妖忌、チルノ、大ちゃんを含めた皆が笑顔で写っていた。



「……私って、愛されてるんだなぁ……」



玉座の間でのことの後、あの場にいなかった永琳達に私が戻ってきたことを説明するため紫さんがスキマで(無理矢理)連れてきてくれた。

その時、チルノは御姉様達から私が未来のことを知っていると説明したことすら忘れていて、私が1から説明したんだけど、私の説明を聞いたチルノの返事はこうだった。



『それで? それってフランやアタイに何か問題あるの?』



……この言葉に、私が思わず泣き笑いしたのはしょうがなかっただろう。


タンスの上にある写真はその後に撮った写真だったから、思わずそのことを思い出して笑ってしまうのも、また、しょうがないはずだ。



「ふふふっ、皆もお腹抱えて笑ってたもんなぁ! チルノだけ訳が分からなそうだったけど……!」



皆が笑っているのを見て、チルノが『よく分かんないけど、アタイがサイキョーだから皆笑ってるのね!!』って言ったのは言うまでもないだろう。


……そして、そんな回想をしていると、誰かが部屋の扉をノックする音が聞こえた。



ーーーコンコンッ、ガチャ!


「おはよーフラン!! 朝だよ……って、もう起きてたんだ」


「おはようこいし! うん、もう着替えまで終わったよ」



元気よく挨拶をしながら部屋に飛び込んできたこいし。

最近は肩の荷が色々と降りたせいか起きるのが遅かった私が、既に起きて着替えを済ませていることに軽く驚いていた。


……今の私の服は以前と同じ原作のフランの服だ。

返り血を沢山浴び、しまいには焼かれてほとんど残っていなかった純白の服一式は、私の部屋のクローゼットの中の端に揃えて掛けてある。

あの服は私にとって苦い思い出となっていくのは当然だろうけど、ぬえと出会ったことや皆の想いを改めて知ることが出来た時に着ていた服だから、処分するなんてことは私には出来なかった。



「あっ、その写真見てたの?」


「うん、ちょっとだけ……」


「ふふっ、フランも皆も本当に幸せそうに写ってるよね!」



本当にそうだ、皆笑顔で、仲良く集まって…………後ろに光る月も、本当に綺麗で……。



「……それじゃあこいし、もうすぐ朝食の時間でしょ? そろそろ食堂に行こっか!」


「あっ、うん! そういえば今日は美鈴が当番だね!!」



今日の朝食のメニューは何なのか、そんな世間話をしながら私とこいしは部屋を出ていく。

残された写真は……背景の月と、窓から射し込む日射しによって、美しく、綺麗に彩られていた…………。










ーーーーー数分後、紅魔館食堂。



ーーー……ガチャッ。


「あっ、もう皆集まってるね! おはよー!!」

「いつもより早く起きたんだけどなぁ……おはよう!」



食堂の戸を開けて中に入っていくこいしの後に続いてみれば、食堂には既に御姉様やさとり達が集まっていて、脇にはメイド達が控えていた。



「あら、おはようフラン、こいし。 今朝は早いのね」


「……おはようございます。 私達もいつもより早く起きただけですから気にしなくていいですよ、フラン」


「おはよーなのかー! 今日もフランは可愛いのだー!!」


「朝から口説くってどういう考えしてんのよ?……とりあえず、おはようフラン」


「おはようございます妹様、こいしさん! それにしても封獣さんは、やっぱり妹様だけなんですね?」



それぞれが食堂に入ってきた私とこいしに挨拶を返してくれる。

以前とは違いぬえがいるけど、既にぬえはこの空気に馴染んでいてルーミアや美鈴と、ボケとツッコミの応酬を繰り返していた。



「ふふっ、皆元気そうだね!」


「そうだね! さて、じゃあ私達も席に着こうよ」


ーーーグゥゥゥゥゥ!!


「……うん、ルーミアも待ちきれなさそうだし!」


「わ、私じゃないのかー!?」



こいしが席に着こうと私を促した時、突然食堂全体に聞こえるようなお腹の音が鳴り響いた。

その音源であるルーミアは恥ずかしさからか真っ赤になりながら自分じゃないと言い続けるけど、そんな可愛い反応に皆は笑ってしまっている。

こいしはお腹を抱えて笑いながら席に着いているし、ぬえに至っては思わず長机をバンバン叩きながら顔を伏せて笑っていた。

……そして私は上座に座る御姉様の斜め前に座った頃には、皆の笑いも大分収まっていて、ルーミアも真っ赤なままで唸るだけになっていた。



「さっ、微笑ましい光景を見て和んだことだし、早速朝食にしましょうか! それじゃあ朝食を持ってきて頂戴!」


「「「はいっ!」」」



全員が席に着いたのを見て御姉様が配膳係のメイド達に指示を出す。

するとメイド達は元気な返事をしながら一旦食堂から厨房に下がっていった。

そしてしばらくすると、厨房の方から朝食の良い匂いが漂ってくる。

その匂いをかぎながら、私はこの幸せな朝の空気を全身で感じて…………『あの詩』の、もう1つの結末を思い出していた。



「……One little Indian boy living all alone;

(一人のインディアンの少年は一人ぼっちで暮らしていた)

He got married, and then there were none.

(彼が結婚し、そして誰もいなくなった)

……その相手って、誰だったんだろう?」


「あらフラン、急に詩なんて歌ってどうしたのかしら?」


「……なんだか素敵な雰囲気でしたね?」


「ううん、なんでもないよ。 ただ、幸せだなぁって思っただけ!」



そう言って笑う私に、御姉様は首を軽く傾げ、正面に座るさとりは苦笑していた。

……そうこうしていると皆の前に朝食が配膳された。

それを確認した御姉様は、音頭を取るために皆に目配せをしながら手を合わせる。

そして皆が手を合わせると、御姉様は少しだけ息を吸った。



「皆、手を合わせたわね。 それじゃあ…………」




『『『『いただきまーす!!!!』』』』




















……こうして、私の、『フラン』の幸せな1日が幕を開けた。





ーーーーー

以上、ほのぼの後日談回でした!



あぁ、本当にほのぼのしていて幸せな気分のままさくさく執筆が進みました!


おかげで定刻にも間に合いましたしね(笑)



さぁ、次回からはストーリーを進める前に閑話としてギャグ回を数回ぶちこみますよ!!



それではまた次回にてお会いしましょう!!

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