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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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開かれたのは心の瞳

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回で、今回でようやく……ようやく大台シリアスが…………!!!!!!


そして早速さとレミがフライングを……!!



それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーside フランorオーエン?



「あっ……あっ……!?」



どうして、どうしてこいしの第三の目が私に向かって開いてるの?

あの時、こいしの第三の目は完全に閉じてたのに……私を、『フラン』を拒絶してたのに……!



「フラン、どう? 私はもうフランを拒絶したりしてないんだよ! 私は、『全部知ってるフラン』を受け入れられたの!!」


「その開いたでかい目が証拠だねぇ。 嘘を嫌う鬼として、私はその瞳が開かれてるのは幻や錯覚なんかじゃない、本当に開かれてるってことの証人になるよ!!」


「にゃはは! 絶対に嘘はつかない鬼の御墨付きなんだ、安心して目の前の光景を受け入れて良いんだよフラン!! もちろん私もそれを保証する!!」



まるで良いものを見つけた子供が家族に報告するときのように、こいしは嬉しそうに私に向かって開いた第三の目を見せてくる。

さらにそれを勇儀と萃香が満足気に笑いながら嘘なんかない、本当のことだと保証してくれた。



「あやややや…………フ、フランさぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」


「えっ、キャッ!?」


「お願いです何でもしますから馬鹿な私を許してください!!!! また、またフランさんと一緒に楽しく着せ替えごっこしたりお風呂に入ったりしたいんですよぉぉぉ!!!!!!」


『『『『『『いつの間にそんな羨ましいことしてたの!!!?』』』』』』



心底不安そうに叫びながら抱き着いてきた文お姉さん。

文お姉さんが必死になって謝ってくる言葉の中の一部に反応した、私と文お姉さん以外の全員が文お姉さんに疑問と驚きの声をあげていた。



「文さん、いい加減にフランさんから離れてください! フランさんは今から私の尻尾をモフモフして休憩するんですから!」


「私も手伝うぞ、犬走。 ほら、私と犬走の尻尾に敵いはしないんだからさっさと退くんだ射命丸!」


「くっ、こういう時は藍が恨めしいわね……!」


「私も妖怪化すれば尻尾があるんだが……!」



藍さんの加勢もあって手間取ることなく文お姉さんを私から引き剥がす椛。

そうしている間に紫さんと慧音さんが何かを悔しがっていた。

そして文お姉さんを引き剥がし終えた二人が振り向いて……。



「さぁフランさ「妹様! お疲れなら私が気功で癒して差し上げますよ!!」ん……って美鈴さん!?」


「もうあの人は止められないです、姫様……」


「止めなくたっていいじゃない、鈴仙も合法的にフランを触れる滅多に無い機会なのよ? ほら、一緒に治療するふりしてフランを堪能してきなさい」


「な、なんてこと言ってるんですか姫様ぁぁぁぁぁ!!!!!?」



椛の言葉を美鈴が遮り、その後ろで鈴仙が輝夜にツッコミを入れて叫んでいる。

……それは懐かしい、そして本当に暖かい光景で…………。



「ちょっとさとり!? 本当に揉みしだかないで、って、あっ、ちょっ!!!?」


「……レミリアの服がボロボロな状態、それはつまりレミリアが誘っているような格好をしているということ…………そんな美味しい状況を、私が逃すはずがありません!!!!」


「そんなことをキリッとしながら言い切るなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?」


「あっ、恥ずかしいだろうからわちきが傘で見えないようにしてあげるよ!」


「ちょっ、余計なことをしないで!!!? い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?」



小傘の妙なフォローに戸惑いながら、さとりに襲われて御姉様が必死に悲鳴を上げる。

……それは見慣れているはずの光景で、それでいて酷く嬉しい光景だった…………。



「ふうっ、ようやく背中の痛みも引きましたね。 それにしても、皆さん本当に元気だなぁ……! やはり皆元気で笑顔なのが一番です!!」


「中には悲鳴を上げてる奴もいるみたいだけど?」


「……元気なのが一番です!!!!」


「見捨てるの早っ!!!?」



好き勝手して騒いでいる皆を見ながら落ち着いてる様子の星に、ぬえが簡単なツッコミを入れる。

すると星は良い笑顔のままざっくりと流していた。

……本当に心地良い、自然と笑みが込み上げてくる…………。



「あっ、オーエン笑えてるじゃん!!」


「本当だ!! フランが笑ってるよ!!!!」


「もっと間近で見たいのだー!! フラン、もっと私に見せて欲しいのかー!!!!」


「「ちょっと、フラン(オーエン)を独占しないでよ!?」」



私が自然と浮かべた笑顔にルーミアとこいしとぬえが集まってくる。

気が付けば三人とも私に抱き着きながら奪い合いをしていて、思わず私は笑い出してしまっていた。

……おもしろくて、暖かくて…………あぁ、戻りたい……!!



「ふふっ、あははははっ!! 三人とも落ち着いてよ、私の体が千切れちゃうから!」


「「「……フラン(オーエン)が大声で笑った(のだ)ーー!!!!!!!!」」」



心地良い、本当に心地良い空間だよ!

皆の楽しそうな笑顔と笑い声が満ち溢れていて、それでいて本当に幸せな空気に満たされたこの空間!!

ずっと、ずっとここにいたいと思うような、暖かい空間!!

許されるなら、『フラン』を受け入れてもらえるなら……また、またこの空間に戻りたい……『フラン』として、皆と過ごしたい!!

……だから、私は皆に、これだけは言って、そして聞いておかなくちゃ…………。



「……ねぇ皆、その、まずは本当にごめんなさい! 皆を沢山傷付けて、皆に沢山、沢山酷いことをして……。 許してなんて言えないし、それだけのことをしたんだって、自分でも分かってる…………でも、もし一つだけお願いをすることが許されるなら……何でも、何でもするから、ずっと償うから、どうか皆と一緒に……一緒にいさせてください!!!! 皆とこれからを、幸せな日々を歩みたいの!!!!!!」



あまりにも自分勝手で我が儘なお願い。

皆をあれだけ傷付けたのに、それでもしてしまった私のお願い。

……誰にも受け入れられないなら、いっそフランからオーエンになってしまおうとしたのに、それでもやはりフランでいたいと感じたから……私は必死で皆に頭を下げる。

何故だか分からない、分からないけど涙が込み上げてきて、私は遂に泣き出してしまった。


……そしてそんな私に投げ掛けられた言葉は、私にとっては意外で、皆にとっては当たり前らしい物だった。



「……はぁっ、フラン、貴女は何を言ってるのかしら? フランが償うことなんて何も無いでしょう?」


「そこの八雲紫の言う通りよフラン。 フランは誇り高き吸血鬼たる私の妹なの、少しぐらい傲慢な位が丁度良いに決まってるじゃない?」


「まぁこの際傲慢云々は置いておくにしても、私もフランが償う必要なんてないと思いますよ。 誰もフランを責めたりなんてしてませんし、フランが反省しているならそれで良い、ただそれだけです」



紫さんが、御姉様が、星が、それぞれの笑みを浮かべて私を見つめる。

すると今度はぬえが、私の頭を撫でながら私の顔を覗き込んできた。



「あー、さっきは私はこれからもオーエンって呼ぶって感じに言ったけど、やっぱりそれは撤回するわ。 何だかフランはフランでいたいみたいだし、その方が皆と歩みやすいみたいだしね」


「……こうしてみると、封獣もフランが大好きなんだってしっかり伝わってくるのかー」


「あったり前じゃない!! 私はフランのためなら何でもするって誓ってるぐらいなんだから!!!!」


「それは私も同じなのかー!! ポッと出の封獣に気持ちで負けたりしないのだー!!!!」


「良いじゃない、その勝負、受けてたってやるわ!! これからフランと歩む日々の中で絶対に勝ってやるんだから!!!!」



私を挟んで不敵な笑みを浮かべ合うぬえとルーミア。

その言葉からは、私がこれからを共に歩むことを前提にしているのが伝わってきた。

……そして、今度はさとりとこいしが私の前に来る。



「……フラン、もう皆の答えは分かったでしょう?」


「これだけフランは愛されてるんだもん、答えは一つしか無いよね!!」


「答えは、一つ…………」



どうしてか胸に言葉がつっかえて声がほとんど出せない私に、さとりが、こいしが、ルーミアが、ぬえが、御姉様が、星が、紫さんが、藍さんが、慧音さんが、美鈴が、勇儀が、萃香が、文お姉さんが、椛が、小傘が、輝夜が、鈴仙が、皆が満足気な笑顔を向けてくれていた。

……そして、一斉に皆の口が開かれる…………。










『『『『『お帰りなさい、フラン!!!!』』』』』










ーー私は今、フランとして再び歩み始めた。




ーーーーー

以上、大台シリアス終了回でした!!!!




……長かった、本当に長かった!

現在の話数の6分の1を占めた大台シリアス、本当に、本当に長かった……!!



後は次話で後日談をしたあとに、またのんびりまったりほのぼのコメディに戻る予定です!



それではまた次回にてお会いしましょう!!

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