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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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相対するは破壊と闇、正体不明と無意識

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回は嵐の前の静けさ回となっています!



……あれ、言うことがなくなった…………。




そ、それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー同刻、妖怪の山。

ーーーーside ルーミア



……おかしい、勇儀達がどこにもいないのだー。

山に着いてからかれこれ三十分は探しているのに…………。



「出てくるの哨戒天狗ばっかりだね、ルーミア…………」


「その哨戒天狗達も勇儀達がどこにいるのか分からないって言ってるし…………もしかして、もうフランが来たのかー……?」



八雲紫がどう襲われたのかは分からないけど、さとりは他の誰かがフランに気付くことなく不意討ちを受けた。

だから哨戒天狗達も勇儀達の所在が分からないということは同じく不意討ちを受けた可能性が高い。

……しかし紅魔館の警備メイド達より優れている哨戒天狗達の目を欺きつつ、さとりのように一人ではなく戦闘慣れした勇儀達を不意討ちでどう倒すのだろうか?



「こいし、こいしがフランぐらい強いとして勇儀達を不意討ちで倒すとしたらどう倒すのだー?」


「へっ? どうって…………えっと、個別に山の外れとかに誘い出して一人一人ドーン!!……かな?」


「でもそれだと勇儀達なら一人を倒してもう一人を誘い出してる間に、倒した一人が回復するかもしれないのかー」


「うぅ!?……じ、じゃあまとめて誘い出して一気に…………いくらフランでも、これは無理だよね……」



そう、どちらにしてもフラン一人なら無理な話なのだ。

勇儀達を誘い出すまでは簡単だろう。

フランが一瞬でもその姿を勇儀達に認識させればフランを本当に心配してくれていた勇儀達はフランを追いかけるだろうから、後は追い付かれないように逃げ回りつつ山の外れや隣の少し低い山とかに誘導できる。

そう、誘導はできる……のだけど…………。



「……ねぇルーミア、もしかしてフランに協力者がいるのかな?」


「えっ、協力者かー?」


「うん、お姉ちゃんが襲われた時に残された血文字が若い女性の妖怪の血で書かれてるって御義姉様が言ってたでしょ?

だからもしその血の持ち主がフランに協力してるなら、多分勇儀達を全員まとめて叩けると思ったの」



確かにそれなら勇儀達が不意討ちを受けてやられた可能性の信憑性は上がる。

勇儀、萃香、文さん、椛、この四人のうちせめて二人、特に文さんと椛だけでも足止め出来ればフランは鬼二人を相手取るだけで済むし、最初の不意討ちの一撃で勇儀か萃香を落とせたなら最早フランの勝利は固いはずだ。

以前のように容赦してくれるフランでは無く、凶行に走っている容赦しないフランなら能力を使うことに戸惑いは無いだろう。

そうなればあの能力を乱発してくるフランに対し、フランに甘さを持つ勇儀達には勝機はない…………。



「……こいし、山の中じゃなくて山の周りを探してみるのかー。

もしかしたらもう遅いかもしれないけど…………」


「……うん、行ってみようか、ルーミア」



……フランに協力者がいるという最悪の可能性、それが可能性だけで済めばいいのだけど…………。










ーーーーー山の外れ。

ーーーーside オーエン



この結界を作ったのは八雲紫だけど、改造したり張ったりしたのは私だ。

……だから、騒がしい鬼には結界越しに妖力を奪い取ることで黙ってもらった。



「迂闊に『敵』が作った結界に触れ続けるからこうなるんだよ」


「……そ、その結界、そんな仕掛けがあったの!?

まさか充満している妖力ごとあの大馬鹿の妖力を吸い上げるなんて……!!」



絶叫の後も結界に張り付いていたせいで妖力を私に奪われた星熊勇儀は飛び続けることが出来なくなり地上へと落ちていった。

途中で射命丸文と犬走椛に拾い上げてもらっていて大事には至らなかったようだけど……。


……一つ問題なのは結界内の妖力を全て吸い上げきれた訳じゃ無いってことなんだよね。

私も多少消耗していたとは言っても、吸い上げれたのは星熊勇儀の妖力のほとんどと結界内の妖力を多少薄める程度だもん。

正直、あれはルーミアと戦っている時のための秘策だったんだけどなぁ…………。



「……まぁ私は完全回復出来たんだし、これ以上吸い上げる必要もないよね」


「えっ? 全部吸い上げた訳じゃないの?」


「うん、結界内の妖力が無くなるより先に私が完全回復しちゃったからね。

古明地さとりや八雲紫に奇襲を仕掛けるために妖力を使ったとはいっても、結界内の妖力を全て吸い上げるほどじゃなかったみたい」


「あー、なるほど…………。

まぁ私もそろそろ回復し終わりそうだし、オーエンが回復したなら後は放っといていいんじゃない?」



よし、ぬえも賛同してくれたんだし後はこのまま放っといて良いよね。

結界内の妖力が枯渇する、つまり星熊勇儀や射命丸文、犬走椛の妖力が尽きるほど奪う必要は無いんだから……。



「それにしてもさ、次が中々来ないけど……私達も回復し終わったんだし、こっちから探しに行かない?

オーエンの読みなら次の奴等は山に来るんでしょ?」


「うん、そうだね、ここは山の外れだしもう少し山の近くまで行ってこっちから探してみよっか。

完全に山に入らなければ哨戒天狗達にも邪魔されたりすることもないしね」


「よし、そうと決まれば早速行こうじゃない!!」



こっちの準備は整ったんだからこっちの方から出向こうというぬえの提案。

その提案に私が賛同するや否や、ぬえは私の手を掴み一気に飛び始めた。

……多分、ぬえはまたあの大声を間近で聞きたくなかったのだろう。

一時間位前に星熊勇儀の絶叫を聞いた時、ぬえは耳を押さえて唸っていた。

まさか絶叫だけで耳をやられるとは思っていなかったに違いない。

もちろん私自身も耳をやられており、この場を離れることには内心非常に賛成しているけど……。


そんなことを考えていたら、気が付けば私とぬえは山に入るギリギリの所まで来ていた。



「……もうここまで来ればあの大馬鹿の声に耳をやられたりしないよね?」


「やっぱりあれが嫌だったから急いでここまで来たんだね……」



後ろを振り向き確認するように呟くぬえ。

そんなぬえに少しの呆れと沢山の同情を込めて、私も小さなツッコミをしていた。



「よし、それじゃあしばらくここで待とっか、ぬえ。

ぬえもほとんど回復したとはいっても、完全には回復しきってないんでしょ?」



ほっと胸を撫で下ろしているぬえに暫しの休憩を提案してみる。

微妙な違いとはいえ、強者相手では大きな違いとなる全快か全快で無いかという状態。

ほんの少しの自然回復だけで勝敗が左右されたりするのはよくあることだ。

……しかし、もう休憩している場合ではないと、そう山の方に向き直ったぬえは伝えてきた。



「オーエン、山から二人来たけど、あれはオーエンの…………『敵』?」


「……あれは…………うん、あの二人は私の『敵』だよ」



ぬえと私が向いた先、その先にいたのは金髪の頭に紅いリボンを着け真っ黒な翼を広げた少女と、黒いハットを被り胴体から生えた触手の集まる先に第三の目を持つ少女だった…………。

……どうやら二人も私とぬえを見つけているらしい。

声はまだ聞こえてこないけど、一直線にこっちに向かってきていた。



「……ぬえ、あの黒い帽子を被った方、古明地こいしの相手を頼めるかな?」


「りょーかい、そういや私は足止め? それとも本命?」


「出来れば足止めが良いけど、抵抗が激しくて足止めが厳しかったら、その時はぬえに任せるよ」



どこまでしていいのか、それを訪ねてきたぬえに簡単な指示を出しながら私は右手にレーヴァテインを呼び出す。

……そして、そうこうしている内に二人が静かに私とぬえの前に辿り着いた。



「……フラン!! フランだよね!!!!」


「やっと、やっと会えたのかー!!!!」



感動にうち震えたような声で満面の笑顔と共に私に呼び掛けてくる二人。

その二人がそのままの勢いで私に抱きつこうとしてきた時、隣にいたぬえが私と二人の間に槍を構えながら割り込んできた。



「っ、あ、貴女は……?」


「……そこを退いてほしいのかー」


「私は封獣ぬえって言うんだけど、残念ながらここを退くことは出来ないよ。

それとさっきフランって言ってたけど、私の後ろにいるのはフランじゃなくてオーエンね」



立ち塞がるぬえに疑問の声を上げる古明地こいし、何かを悟ってダーインスレイヴを呼び出しながらぬえに威嚇するルーミア、そしてそんな二人に挑発的な態度を見せるぬえ……。

……そうして生まれた緊張した雰囲気を崩したのは、ぬえの一言だった。










「最初に言っておくけど、オーエンの隣にいるのは未来永劫私に決まってるから」







ーーーーー


以上、EX組邂逅回でした!!



……これは、次回荒れるなぁ…………。


とりあえずどちらの組み合わせを先にしましょうかね……。



まぁそれは次回のお楽しみにしましょう!!


それではまた次回にてお会いしましょう!!

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