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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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望むのは永久に続く彼女の笑顔

どうも、東方転妹録最新話です!




まず始めに感想やコメントでお祝いの言葉をくださった皆さん、本当にありがとうございます!!

まだまだ手続きやらで時間が少なくそれぞれに返事が出来ていませんが、全部読ませていただいています!

本当に、本当にありがとうございます!!




しかしあれですね、久々にまとめて書こうとすると中々筆が進みませんね。

展開は思い付くんですが、言葉が出て来づらいです。



さて、今回はさとり視点onlyで進みます!

楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー約1時間後、永遠亭。

ーーーーside さとり



「つまり、フランを取り押さえるために私達に協力して欲しいってわけなの?」


「……はい、特に不老不死である輝夜さんと薬師である永琳さんには是非協力を仰ぎたいと思っています」


「妹様の心がこれ以上傷ついてしまわないように救って差し上げたいのです!

どうか、どうかお願いします!!!!」



美鈴と共に紅魔館から永遠亭まで飛ぶこと凡そ四十分、突然の訪問なのに二十分程かけて畳み掛けるように話をしたことを申し訳なく思いながら私達は輝夜さんに協力を仰いでいる。


しかし輝夜さんの心を見る限り、フランのことを心配してくれながらも出掛けるのが面倒くさいようだ……。



「う〜ん……協力するのは良いんだけど、私は「それなら姫様と鈴仙を連れていくと良いわ」めんどいから……ってちょっと永琳何言ってるの!?」


「あら、姫様が協力すると申しましたからお互いに最善の組み合わせを提案しただけですよ?

私は兎達相手とはいえ薬を作らなければなりませんし、鈴仙もここに来て勉強を始めてから四十年程経ちましたから応急措置くらいならできますもの」



めんどいから私は行かない、そう言おうとした輝夜さんを丁度良い所で遮ってくれた永琳さん。

輝夜さんには悪いがおかげで流れが良くなってきそうだ。

……理由がはっきりしているとはいえ、正直永琳さんが来れないのは痛かったが。

まぁその代わりに治療が出来る鈴仙さんが来てくれるようだから良しとするべきだろう。



「べ、別に私は行かなくても良いじゃない!?

てゐだって……!!」


「フラン相手にてゐは戦力外です。

フランの技で永遠亭があっさり崩壊したのをお忘れですか?

広範囲に展開され、挙げ句あれほどの威力を持った技の前ではすばしっこいてゐでも為す術がありません。

その点姫様はリザレクションが出来ますから技に当たっても心配が無いでしょう?

……何より、姫様もフランが心配なのではありませんか?」


「なっ!? う、うぅ……!」



輝夜さんが必死に反論しようとしたが永琳さんの前では無意味だった。

特に最後の言葉は輝夜さんの抵抗心を根こそぎ取り払ったようだ。

最早輝夜さんの心から抵抗する気持ちは読み取ることは出来ない。

やはり、フランという存在は全てに対して影響力が大きい。

それも、とても素晴らしい意味で……。



「……わ、分かったわよ!!

行けば良いんでしょ行けば!?

こうなったら憂さ晴らしにフランを取っ捕まえて弄り倒してやるわ…………!!!!」



一気に開き直り恥ずかしさを紛らすようにいきりたつ輝夜さん。

弄り倒すという内容が気になったが、心を読めばただたんにフランの頬をつつきまくりたいだけのようだから別段心配することはないだろう。



「さて、これで良いかしら、さとりさん?

それともまだ物足りない?」


「……いえ、ここまでしていただければ本当にありがたいです。 ねっ、美鈴?」


「はい!! 輝夜さん、永琳さん、協力してくださって本当にありがとうございます!!!!」



少し弄ぶような口調で確認してくる永琳さんに、私と美鈴はお礼を言いながら揃って頭を下げた。

……これで私達の役目は一つ終わりました。

後は輝夜さんとこのことをまだ知らされていない鈴仙さんの準備ができ次第、妖怪の山でこいし達と合流して紅魔館に戻るだけ。

その後はただ、フランを待ち受けるのみです…………。



「よしっ、そうと決まれば早速行くわよ!!

永琳! 早く鈴仙を呼んできて頂戴!!」


「はい、かしこまりました」



輝夜さんがその場に立ち上がり、永琳さんへまっすぐ指を向けながら指示を出す。

それを聞いた永琳さんは微笑みながら頷き、静かに部屋を出ていった。

……レミリアと美鈴とはまた違う主従関係ですね。

レミリアと美鈴は正しく主従関係というものですが、輝夜さんと永琳さんはどちらかと言えば娘と母のように見えました。

それに意気込んでいる輝夜さんはともかく、それを見て微笑む永琳さんの心は本当に母性愛に溢れていましたし…………。



「さぁて、それじゃあ鈴仙が来るまで話でもしてましょうか!

っていうか私は貴女達に聞きたいことがあるのよ。

特にさとり、貴女よ!!」


「……私に聞きたいこと、ですか?」



ほんの少し思考にふけっている間に私に名指しで質問があると言って来た輝夜さん。

それに思わず戸惑いながら聞き返せば、輝夜さんは私にとって分かりやすい質問を投げ掛けてきた。



「貴女ってさ、フランのことどう思ってるの?

そこの美鈴って奴は従者として敬ってるみたいだけど、やっぱり貴女ってフランの姉のレミリアってガキんちょと…………その、あ、熱々な、関係、だから…………あ、姉みたいな気持ちなのかしら!?」


「……フランに対する私の想いですか…………」



……ここで一度気持ちの整理をしておくべきなのかもしれない。

レミリアの能力によるなら、いずれ私とこいしは紅魔館を去ることになる。

もちろんそれはどこかの当主となるためのようだから、今回のフランの一件が原因とは思ってなどいない。

……しかし、会えなくなるほどではないと思うが、いずれ別れが来るなら今の内に気持ちの整理をし始めた方が良いのだろう。

なんせ今回の騒動はフランの全てと向き合う良い機会なのだから…………。



「……私は、フランのことを大切に思っています。

それもレミリアと共に自分のモノにしたいくらいに……。

ですが私はいずれ紅魔館を去る身、変化を迎えてはいない今は最後まで関係を進めるつもりはありません。

……だから今は、ただひたすらに苦しみや悲しみからフランを守ってあげたい。

あの純粋な笑顔を、永久に続くようにしてあげたい……!!

…………それが、今の私の望みであり、フランへの想いです!」


「さ、さとりさん……!!」



そう、それが今の私の望みだ。

隣にいる美鈴に第三の目を向けていないため心の様子は分からないが、驚いたような言葉からは感心と戸惑いのようなものが感じ取れた。

そして、私の言葉を真正面から受け止めた輝夜さんはというと…………。



「……明るい話をする予定だったのに、まさかの返事が来たわね。

まぁ別にいいけど、一つだけ言っておくわよ?

……あまり気張ったら駄目。

少しは肩の力を抜いて楽に構えなさいな。

貴女も妖怪なんだから長く生きるんでしょ?

だったら堂々と気楽に日々を過ごしていないと、自分から潰れていっちゃうわ」


「……肩の力を抜いて、気楽に…………?」



この切羽詰まった状況で気楽にとは難しい話だが…………だが確かにその通りだろう。

レミリアも度々私達妖怪は精神的には弱いと言っていたし、ある程度は力を抜いてしまわないと輝夜さんが言うように自分から潰れてしまう。



「……そうですね、私も少し力みすぎていたようです」


「でしょ? これからも力を抜くことの先輩である私を見習ってしっかりと気楽に生きなさい!

だから私はやっぱり「失礼します、鈴仙を連れてきましたよ」行かな、って永琳狙ってやってるでしょ!?」


「さぁ? 私は何も狙ってませんよ」


「師匠…………あれだけ機会をうかがってたら説得力がありませんから……」



輝夜さんが非常に余計なことを言いかけた途端に丁度良く遮ってくれた永琳さん。

隣で鈴仙さんがツッコミを入れていたが、あれは余計だった。

ツッコミを入れられた永琳さんの思考が……とてつもなく、恐ろしい物になっていたから…………。



「くっ……! し、しょうがないわね!!

それじゃあ鈴仙も来たんだからさっさと出発するわよ!!!!」


「……本当にありがとうございます。

それではまず妖怪の山に行きましょう。

そこで仲間と合流してから紅魔館へと向かう手筈になっています」


「よし、分かったわ!!!!

それじゃあ早速妖怪の山に出発よ!!!!」


「あっ、そっちは反対…………!!!?」




私が行き先を告げた途端に部屋から縁側に飛び出し、美鈴が制止するのも聞かずにそのまま縁側から妖怪の山とは正反対の方向に進み始めた輝夜さん。

そんな輝夜さんを永琳さんが弓で射ち落としたのを美鈴が回収してから、私達は今度こそ本当に妖怪の山へ向かったのだった…………。






ーーーーー

以上、さとりの想い回でした!




さとりの望みが早く叶えと作者自身も思っていますが、それでも張った伏線は回収しきらねば話を進められないこの葛藤…………!!


とりあえずシリアス大台が終われば走ります、全力で走ります。

……コメディタッチに!!




それではまた次回にてお会いしましょう!

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