霧にさおさしあやかしつく夜
最終エピソード掲載日:2026/03/05
主人公・龍左衛門は、品川の茶家見川(さけみがわ)に面した船宿・『鯉志(こいし)』で船頭を勤める粋な若者だ。
彼の両親は、十年前(1774年)に茶家見川の洪水に巻きこまれ、そろって行方不明になっていた。
かつて『茶家見川、二十五町(約2725メートル)に店百軒』とうたわれたこの川は、武州金沢藩(神奈川県横浜市)の申し立て……洪水ばかり起こしている……で一度埋めたてられた。それが、明和の大火(1772年)を境に防火帯としての価値が再認識され、ちょうど十年前に復活したという経緯を持っている。
龍左衛門の両親が犠牲となったのは、皮肉にも、川を掘りかえす工事の終盤に起きた事故であった。
そんな時に、龍左衛門は一人の河童と知りあった。両親の遺体が中々見つからなかった彼に、河童は船頭としての手ほどきを行い、新たな人生のきっかけをもたらした。
両親の行方不明から、十年後(1784年)。
初秋の黄昏時に、その日の仕事を終えた龍左衛門は、河童から相撲に誘われた。
相撲の誘いを断った龍左衛門だが、土俵代わりに使っている廃神社に、若く美しい女性が住みついていると聞かされた。
河童と別れて『鯉志』に戻った彼は、いつものように女将のおふみに労われ、店の看板をしまおうとした。
その時、一人の客が舟を出してほしいと頼んで来た。武家の女性とすぐ分かる彼女は、河童が語っていた神社のそれで、かつて茶家見川の川舟改役を勤めていた櫛田家の娘であった。
渋るおふみに対し、櫛田は、自分の生死を賭けた仇討ちが目的だと語った。というのも、彼女には恋人がいたのに、櫛田を置いて婿養子に出されてしまった。納得出来ない二人は駆け落ちを計画していたが、婿養子先にばれてしまい、手討ちにされてしまったのである。
恋人の仇……桐塚 重斎(きりづか じゅうさい)は、武州金沢藩の末席家老。幕閣に働きかけ、茶家見川を埋めたて、そして掘り返させた張本人であった。
彼の両親は、十年前(1774年)に茶家見川の洪水に巻きこまれ、そろって行方不明になっていた。
かつて『茶家見川、二十五町(約2725メートル)に店百軒』とうたわれたこの川は、武州金沢藩(神奈川県横浜市)の申し立て……洪水ばかり起こしている……で一度埋めたてられた。それが、明和の大火(1772年)を境に防火帯としての価値が再認識され、ちょうど十年前に復活したという経緯を持っている。
龍左衛門の両親が犠牲となったのは、皮肉にも、川を掘りかえす工事の終盤に起きた事故であった。
そんな時に、龍左衛門は一人の河童と知りあった。両親の遺体が中々見つからなかった彼に、河童は船頭としての手ほどきを行い、新たな人生のきっかけをもたらした。
両親の行方不明から、十年後(1784年)。
初秋の黄昏時に、その日の仕事を終えた龍左衛門は、河童から相撲に誘われた。
相撲の誘いを断った龍左衛門だが、土俵代わりに使っている廃神社に、若く美しい女性が住みついていると聞かされた。
河童と別れて『鯉志』に戻った彼は、いつものように女将のおふみに労われ、店の看板をしまおうとした。
その時、一人の客が舟を出してほしいと頼んで来た。武家の女性とすぐ分かる彼女は、河童が語っていた神社のそれで、かつて茶家見川の川舟改役を勤めていた櫛田家の娘であった。
渋るおふみに対し、櫛田は、自分の生死を賭けた仇討ちが目的だと語った。というのも、彼女には恋人がいたのに、櫛田を置いて婿養子に出されてしまった。納得出来ない二人は駆け落ちを計画していたが、婿養子先にばれてしまい、手討ちにされてしまったのである。
恋人の仇……桐塚 重斎(きりづか じゅうさい)は、武州金沢藩の末席家老。幕閣に働きかけ、茶家見川を埋めたて、そして掘り返させた張本人であった。
一、日暮れて客遠し 一
2026/02/17 17:46
二、日暮れて客遠し 二
2026/02/17 17:47
三、日暮れて客遠し 三
2026/02/17 17:47
四、日暮れて客遠し 四
2026/02/17 17:47
五、日暮れて客遠し 五
2026/02/17 17:47
六、祖先の実績 一
2026/02/17 17:47
七、祖先の実績 二
2026/02/17 17:48
八、祖先の実績 三
2026/02/17 17:48
九、祖先の実績 四
2026/02/17 17:48
十、祖先の実績 五
2026/02/17 17:48
十一、祖先の実績 六
2026/02/18 17:48
十二、祖先の実績 七
2026/02/19 14:24
十三、岩に柔肌 一
2026/02/20 11:02
十四、岩に柔肌 二
2026/02/21 15:42
十五、岩に柔肌 三
2026/02/22 00:25
十六、岩に柔肌 四
2026/02/22 11:59
十七、岩に柔肌 五
2026/02/23 12:00
十八、岩に柔肌 六
2026/02/23 15:27
十九、岩に柔肌 七
2026/02/25 12:44
二十、岩に柔肌 八
2026/02/25 20:15
二十一、焼け石に舌 一
2026/02/26 15:07
二十二、焼け石に舌 二
2026/02/27 13:34
二十三、焼け石に舌 三
2026/02/28 10:53
二十四、焼け石に舌 四
2026/02/28 13:29
二十五、焼け石に舌 五
2026/03/01 08:06
二十六、焼け石に舌 六
2026/03/01 12:57
二十七、焼け石に舌 七
2026/03/01 19:44
二十八、焼け石に舌 八
2026/03/02 07:34
二十九、最後の風魔 一
2026/03/02 11:42
三十、最後の風魔 二
2026/03/03 17:01
三十一、最後の風魔 三
2026/03/03 22:50
三十二、最後の風魔 四
2026/03/04 10:03
三十三、最後の風魔 五
2026/03/04 14:56
三十四、最後の風魔 六 (完結)
2026/03/05 10:56