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ななとお出かけ2

 

 晃輔とななの二人が昼ご飯を食べ終わったの十四時を過ぎた頃だった。

 ずいぶんな時間、ファミレスに居たなと思った。


 休憩はここら辺でお終いで、ここからは食器類や生活用品を買いにいくために、大変だけど違うお店に行かないといけない。


「う~ん、美味しかったー!」


 ななは満足そうな顔で、晃輔にそう告げた。


「だな」


 ななが満足しているならそれでいいかとそんなことを晃輔は思っていた。


「ちょっと、お手洗い行ってくるね」


 そろそろ、お会計に行こうと思っていたタイミングでなながそんなことを言ってきた。


「どーぞ」


 別に止める必要もないので、ななにお手洗いに行ってもらう。

 晃輔は、なながお手洗いに行っている間に、お店のお会計を済ましておく。

 すると、何故か戻ってきたななに不満げな顔をされた。


「なんだよ……」


 晃輔は、何故ななに不満げな顔をされるのかが分からず首を傾げる。


「別にいいのに。それぐらい……」

「ななが良くても俺がダメなの」

「なんで?」

「なんで……?」


 ななにそう言われて、晃輔はなんでかを考えてみるが、結局、その答えは出てこなかった。


「う~ん、なんとなく?」

「なんで疑問形?」

「さぁ……」

「さぁって、はぁ……まぁ、いいわ。行きましょう」


 ごちそうさまでした、とお店に向かって告げると、晃輔とななは共に店を後にした。


「さぁ、行こっか!」


 店を出たあと、美味しいものを食べたおかげでなのか、ななは何故か張り切っていた。

 ただ、別に、今日からゴールデンウイークなわけで、明日も時間あるから、今日全部買う必要はないんだが、とそんなことを思っていたのだが。


「早いとこ必要なものは買っておかないと、後が大変でしょ? どうせ、あとから買わなきゃいけないものが、わらわらと出でくるんだから。それに、今日、全部買えるなんて思っていないわよ。最低限、とりあえず今必要なものだけ買えればそれでいいと思う」


 とこんなふうな回答が返ってきた。確かに晃輔もその通りだなと思った。


 必要なものが、その都度まだ出てくるだろうし、早く買っておいて損はないだろう。

 ただ、できるだけ早く済ましたい、買えるものは買っておきたい……恐らく、ななはそう思っているのだ。


「なるほどね……」


 晃輔はななの説明に納得するような仕草をする。


「うん……」

「……それじゃあ、行くか」


 次に晃輔たちが足を運んだところは、食器や生活用品が売っているお店で、そのお店は、家電量販店を少し歩いたところにある。

 食器類のコーナーに行くとずいぶんと可愛らしいデザインのお皿が多い。


 可愛いもので思い出したのだが、そういえばななは昔から可愛いものにばかりに目を奪われがちなのだが、ここではさすがに大丈夫……という晃輔の考えは甘かったらしい。


「晃輔! 見て! 可愛い!これ買いましょう!」


 しっかりと可愛い食器類に目を奪われてはしゃいでいた。

 すると、晃輔とななを見て近くにいた女性たちが声を上げた。


「カップルかしら?」

「かわいいー!」

「新婚さんなんじゃない?」


 晃輔たちの近くにいた女性たちの声が聞こえてきた。


「「っ……!」」


 晃輔もななも同時に顔が赤くなる。

 近くにいた若い女性達が晃輔たちを見てそんなことを言ってくるものだから、ななは顔を真っ赤にして黙ってしまった。


「ほら、これでいいか?」


 そう言って晃輔は、なながさっきまで興奮気味に見ていたお皿を手渡す。


「……」


 何も言わずに、こくりとななは頷く。

 晃輔の顔は、恐らくまだ赤いと思うが、顔の赤みが引くのを待っていたら日が暮れそうなので、晃輔は切り替えてお皿選びに集中する事にした。


 あと、女性たちの発言にいちいち反応してしまうと、またからかわれると思ったので、晃輔はいち早くここから離れたかった。

 顔を真っ赤にして黙ってしまったななを横目に、これは続行は無理そうかな……と思っていたら、バッと顔を上げて晃輔に告げた。


「早く、済ませましょ!」

「お、おぅ……」


 晃輔はななに無理やり手を引かれて、図らずも手をつなぐ形となってしまい、それに気付いたななが再度火照ってしまった。

 結局、顔を赤みが引いてないななは、良さそうなものを適当に選び、足早にレジに向かうことになった。


 その後は、ななの調子も戻り、二人で必要な生活用品を選んで買った。

 途中で、同じようになながかわいいものに見惚れてしまい、はしゃいでいた。

 結局、マンションに帰ることができたのは十八時を過ぎたあとだった。


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