幼馴染とアイス
あおいにせがまれた晃輔は、一人でコンビニに入ってアイスを買って来た。
「ほら、買ってきてやったぞ」
「ありがとう! こー兄!」
「ありがと」
「これで良かったよな?」
そう言って、晃輔は手に持っていたアイスを手渡す。
どうせすぐ食べるわけだしいいだろう、と思い晃輔はビニール袋はもらわなかった。
あおいには子供から大人まで大人気のガ〇〇リ君のソーダ味を。
ななにはアイスクリームの外側を薄い求肥で包み、大福のように丸くした雪〇大福を手渡す。
ご機嫌なあおいとは対象的にななは若干不貞腐れながらアイスを受け取る。
「ありがと」
「なんでそんな不貞腐れてるんだか……」
「別に」
ななはぷいっとそっぽを向いてしまう。
なぜだかよくわからないため、助けを求めるようにあおいの方を見る。
「お姉ちゃんはね、私がこー兄に抱き着いたことが気に入らないんだよ」
「ちょっと! あおい! 何を言って――」
「あー、違うか……そっか! わかった! お姉ちゃんもこー兄にぎゅーってしてもらいたかったとか?」
そう言うあおいの顔はニヤニヤしている。
心なしか、ななの反応を楽しんでいるようにも見える。
「なっ!?」
あおいの発言にななの顔は真っ赤になる。
「晃輔!」
「いや、これ俺悪くなくないか?」
耳まで真っ赤になったななは晃輔を睨んだ。これは結構なとばっちりだと晃輔は思う。
「ほら、アイス溶けるぞ。早く食べろ」
これ以上責められるのもあれなので、晃輔は無理矢理に話題を逸らして、二人にバレないように小さくため息をついた。