09.自重しろ。
どうもお久しぶりです。
この小説にも感想を下さった方がいらっしゃって感激です。
ガッツポーズのまま固まってしまって執筆が続かないのは秘密です。嘘です。
感想・意見・アドバイスを下さる方は大歓迎です!!
では第8話、どぞ。
「学校?」
「ああ」
布団を敷きながら答える。
「あ、そういえば、明日月曜日でしたっけ」
手をぽんと叩く利子。
…そう。俺は明日から学校だ。このイレギュラーは身の振り方を考えなくてはならない。
「それで、お前は家にいるだろ?」
「う~ん」
悩む利子。しかし、こいつは人が大勢いる場所に行くと、万が一利子の姿が見える
人間がいた場合怪しまれることになる。そのハイリスクを考えると、ここは
家で留守番をしているのが
「ご一緒させてくださいっ」
…は?
「私も、学校に行きたいです」
…相変わらず、突拍子もない発言来ましたよ。ま、予想はしてたけど。
「しかし、お前の姿が見える奴もいるんだろ?危ないんじゃないか?」
「大丈夫です。滅多にいないですから」
「滅多にいないとはいえ、スーパーとは勝手が違う。万が一、学校で姿を見られたらマズい」
「確かにそうですけど…」
スーパーでは姿を見られても買出しの付き添いにしか見えなかったが、学校となれば制服
以外の服を着て、利子のような幼い女子が歩いているとなると怪しい。
「ちなみにこの近辺で、お前が見える奴ってどれくらいなの?」
「たぶん、ユーマさんだけだと思います」
「そんなに少ないんだ?こりゃ驚いた」
「詳しく調べてはいないのでわかりませんが、幽霊を認識するのはいわゆる第六感に似た、
『もうひとつの感覚』のようなものみたいです。人間の9割9分は持ち合わせていない
何か別の感覚で見ているようです」
「霊感ってやつ?」
「さぁ、どうでしょう…私にもよくわかりません。ただ、一般的に言われる霊感のように、
幽霊に影響したりはしないみたいですけど」
「ほほぅ」
「ま、要するに、私が見える人はごくわずかですから、学校くらい大丈夫です」
「大丈夫じゃねぇだろ」
「ぶー、いいじゃないですか、1日くらい」
「あのなぁ……」
以下、不毛な争い。
結果。上目遣いに負けた。……もうどうにでもなれ。
「ただ、あまり調子に乗るなよ。お前、自分が見える奴を察知したり出来ないのか?」
「いえ、そんな便利機能ないですよ……近頃の携帯電話じゃないですし」
どんなたとえだよ。
……だが、正直この家に置き去りというのもなんだかかわいそうな話ではある。
一日くらい試してみるのも悪くは無い……とも思い始めていた。
なぜ存在を否定していたはずの幽霊に同情しているのかというツッコミが聞こえた気が
しなくもないが、幻聴であろうとなかろうと華麗にスルー確定である。
まぁ、いいだろう……と思うくらいには思考が麻痺していた。
原因は例の上目遣いが50%前後…なのか?
「まぁいい、じゃあとりあえず明日は来てもいいよ」
「ありがとうございますっ!!」
外見はともかくとして、中身も本当に中3なのかと激しく疑いたい今日この頃だった。
……あ、ちなみに今夜も布団を共有するハメになってしまった。
仕方ないぢゃん、布団1つしかないんだし。
作為なんてないんだからねっ!!と心の中で叫びつつ、実はちょっと自信がなかったのは秘密だ。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
今回はなんだかんだで説明回でした。なんかごめんなさい。次回こそは学校に行く予定です。
新キャラが出るまで……行くのかな?
正直、1話の短さと展開の遅さ(と執筆の遅さ)がじれったいというかウザイというか。
なんとかしたいところです。
それでは。
利子からひと言。
「私の設定がおかしいのは気のせいですか?」
天の声「気のせい」