14.HERO
久々に更新。
「なんか、無駄に心が疲れた」
「すみません……」
結局、御社の口止めに成功した(というより、興味が無い旨を伝えられた)
俺たちは家に退散し、夕食を食べている。
ちなみに今日は作るのがダルかったのでレトルトカレー。
正直、利子が学校に来た事自体が事の発端と言えばそれまでなのだが、
それは言わないでおく。
何だかんだで、こいつといるのも悪くない……と、最近は思っているのだ。
幽霊だがな。俺の大嫌いな非日常だがな。
それでも、利子を嫌いになれない……のは、ロリコンだからなんだかどうだか。
「ユーマさん、これは何ですかっ!?」
「ん?」
見ると、いつの間にか利子はつけていたテレビのチャンネルを切り替え、 アニメを見ていた。
『食らえ、ウスノーロ星人!!ウルトラハイパーブレード!!』
『ぐああぁぁっ!!こ……この恨みはらさでおくべきかっ!!』
仮面をかぶったヒーローらしき男の腕から光の剣が出てきて、カマキリのような
敵キャラに攻撃する。敵、ヒーローの斬撃に爆発(?)し、吹っ飛ぶ(??)。
「教育に悪い番組を見るな利子。……というかこれゴールデンタイムの番組か?」
「……」
利子、無言。
「こういうのは普通土日の朝に……って利子?」
「……かっこいい」
「……お前本当に中3(通算)か?」
「『この恨み(以下略』が超かっこよかったですっ!!」
「しかも敵キャラ!?」
「あの表情!!見てましたか?ユーマさんっ」
「見るも何も、あんないけすかないカマキリに表情なんて……」
「カマキリじゃありませんっ!!ウスノーロ星人ですっっ!!」
「す、すまん」
あまりの勢いに思わず謝ってしまったジャマイカ。
そしてエンディングテーマが流れた……
『♪僕らの〜〜ハイパーマンは〜〜♪』
「ウル○ラマン以上にネーミングセンスなくない?」
思わず本音ポロリしてしまう俺をよそに、利子はぼーっと画面を見ている。
『♪地球に〜〜やさしい〜〜♪』
「地球を守るんじゃないの!?」
思いっきり画面にツッコンでしまった……いかんいかん。
『♪スカンジウム光線で〜〜敵をぶっ殺せ〜〜♪』
「……つっこんじゃダメだつっこんじゃダメだつっこんじゃダメだ」
ていうか、スカンジウム光線以前に、ハイパーマンは近接型じゃなかったか?
そしてエンディングが終わり、次回予告。
黒光りする着ぐるみに身を包んだ人間が画面いっぱいに映し出され、
『次回!恐怖のゴキブーリ星人を倒せ!!』
「………明日の準備でもしよう」
疲れた。特撮は嫌いだが、これはさすがに別の意味でひどすぎる……
そして利子は……
「感動しましたっっ!!!!」
胸の前で手と手を合わせ、うっとりした表情をしていた。
「そうか。それはよかったねアハハウフフ」
……優しい笑顔でそう答えることしかできなかった。
「……ま、利子も楽しそうだったしいいか」
俺は金輪際見ないけどな。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
今回はちょっとギャグテイストにしてみましたが、いかがだったでしょうか?
この小説のメインである利子は、全体的に幼いところがチャームポイントと
考えています。いわゆるロリキャr(
ということで、今回もそんなちょっと幼い一面を強調した一話にしてみました。
同時に天然でもあります。ロリ+天然=∞。異論は認めます。
感想、意見、アドバイスなどあれば是非お願い致します。
利子から一言。
「ハイパーマンは毎日やってるそうで幸いです」
雄真「マジで!!!???!?!?」