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13.誘導尋問?

4日連続投稿。

でも、明日からはしばらく長編はお休みすると思います。

都合上、PCができないので……

詳しくは活動記録の方をご覧頂けると幸いでございます。

ではどぞ。

「……幽霊だ」

答える。

「他の奴等には見えないのかい?」

御社はぴくりとも動かず、感情の読めない表情で見つめてくる。

「……ああ、見えるのはごく一部の人間だけらしい」

しばらく俺をじっと見つめた後、御社はゆっくりと歩み寄ってきた。

そして御社は俺の目の前に立つ。柚子のような香りがほんのりと漂う。

俺は想定外な展開に……そして、御社の言い得ぬプレッシャーに固まる。

御社はスカートのポケットから右手を出すと……俺の首を軽く掴んだ。

「……!!」

咄嗟に後ろへ飛びのく。

「……どうやら、嘘ではないようだね」

……何なんだこいつは……

「ああ、安心してくれ。今のは君が嘘をついていないかどうかを確かめるために

首に触れて脈拍を確認しただけだよ。嘘発見器などにも応用される、古典的な

方法でね」

もはや、完全に御社に主導権を握られている。

「で、その幽霊だけど……そろそろ、種明かしをすることにしようかな」

「種明かし?何の話だ」

「僕には、その幽霊とやらは見えないよ」

「……は?」

こいつはさっきから、利子と幾度も視線を合わせていたじゃないか。

思っていると、表情一つ変えなかった御社がクスクスと笑った。

「馬鹿だな、君は」

「……勿体ぶるな」

睨み付ける俺を見て、御社は先ほどの表情に戻る。

「朝といい今といい、君は無意識のうちに、その幽霊とやらをチラチラと見ている。

君にとっては、隣に人間がいるのと同じなのだから、当たり前ではあるけどね」

「……そんな……」

「他に気付いた人はいなかったみたいだけど、君の視線の動きは明らかに横を

気にしているようだった。だから、少しカマをかけてみたんだよ」

朝を思い出す。利子のほうを向いて、まわりを見て、なるほどと呟いた御社。

でも、無意識にほんの少し横へずれる視線に気付いて、咄嗟にカマをかける……

先程のことといい、御社真雪は、本当に何者なのだろう。

噂の『御社真雪はどんな人間でも騙せる』というのは、結構的を射ているかもしれない。

「さて、じゃあ、もういいかな」

御社は俺から離れると、背を向けて教室を出て行こうとする。

「……え?おい」

「もう用事は済んだんじゃないのかい」

御社が教室のドアを開く。

「あ、いや……利子のことは、他人には言わないでくれ」

「そんなの……ん?」

とつぜん御社が振り返る。

「利子?利子って言うのかい、その幽霊」

「あ?ああ。北野利子と言うらしい」

すると御社は、こちらを振り返ったまま動かなくなった。

「?どうした?」

「……いや。名を名乗る幽霊なんて珍しいもんだと思ったんだよ」

そう言うと、また背を向け、教室から出て行く。

「僕は、敬司以外のことには興味がないんだ。何もかも杞憂だよ、浅野。……あと」

「あと?」

「……いや、なんでもないよ」

そう言って、流れるような黒髪をなびかせつつ教室を出て行った。

(一応、一件落着……なのかな?)

(そうですね……)

しかし、どうしたものだろう。

カマをかけて自爆させ続け、挙句の果てに「興味がない」か。

考えれば考えるほど、御社真雪という人間がよくわからない。

……まぁ、いっか。

とりあえずは、一件落着だよな。




「なぁユキ、用事って何だったんだ?」

「お、敬司はそんなに僕のことが気になるのかい?嬉しいなぁ……」

「はぐらかすなよ。……ただ、お前さっき、ちょっと様子がおかしかったし」

「……ちょっとお腹が空いたんだよ。腹が減っては戦はできぬってね」

「戦ってなんだよ」

「ん〜、敬司に言い寄ってくる邪魔な奴等との戦かな」

「……冗談だよな?」

「どうだか」

「もういい。……ただ、何かあるんだったら遠慮なく言えよ、ユキ」

「僕の悩みは敬司が恋しすぎることだけだよ」

「お前はもっとまともな冗談を言うよう心がけろよ」

「それは、別に冗談じゃないけどなぁ……しかし、」

「ん?」

「利子、ねぇ……」

その小さな呟きは、敬司の耳に入る事はなかったようだ。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

この小説がマンネリ街道を絶賛進行中だったので、ここ数話はストーリー的にも

少しだけ進めてみました。……いや、概ね予定通りですけどね。

もう大体の流れは決まっているので、ここから完結まで突っ走るかな〜……などとも

考えていますが、利子の本領はぐだぐだパートなので、しっかりとぐだぐだします(何

あと、前話では間幕をやりましたが、あれは一応ストーリーにも関係してきます。

投稿ミスではごじゃりませぬ。

利子から一言。

「私のセリフが……テレパシー一回……?(ワナワナ)」

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