試作 詩
題:雪
ダウンの肩に雪が触れた
からめた指先から 互いの体温が溶けてゆく
灰色の都会に 降りる雪が光をはらんで
咲いた花たちは うちへと歩む
今日だけは 今だけはこのままで
伝わるように 指先を強く握った
題:おもかげ
揺れる影に あなたを見た
熟れた果実が落ちてった 甘い香りが鼻をかすめる
誰も知らないはずだった
とどまることなく 進む時間に あなただけがここにいた
匂いの変わる夏の初め 命が芽吹く冬の終わり
それすらも知らないまま
ひとりだけ
題:ひとり
あーあ ひとりが嫌なんだ やっと打ち込んだ言葉も空を切った
空っぽのベッドのぬるさを感じてる
薄っぺらの強がりで守って 吐き出した台詞で隠して
ぼろ布みたいな宝物を抱えてる
あーあ このままでいいや 自分を夢に落とし込んだ