春を待つように
春を待つようにして
ただ時が過ぎるのを待つ
深く深く想うほどに
私は目をつむり夢を見る
柔らかい朝焼けのなかで
隣にいるあなたの
体温、匂い、肌の感じ
好きな料理を囲んで
お酒を飲みほす
夕日に照らされた横顔
すみきった星が瞬く夜空を
見上げながら歩く
凛とした眼と首筋
そのすべてがいとおしくて
現実と空想が交ざりあって
目覚めた瞬間
体が動かない
春を待つようにして時を待てば
その先には
見たこともないような世界が
現実か空想かわからないほど
幸せにあふれた景色があると
夢を見る
「人を想って悪いことなんてひとつもない」
あきれはてるまで、いつまでも待とう
見たこともない春の日を。