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高校6年生  作者: 15
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プロローグ

 午前9時。3月にはいったとはいえまだ気温は低く、ジェットヒーターが何台か稼働しているが体育館の中は少し冷たい。

 防寒用のコートを脱がずに羽織ってきていたらな。と宗一郎は少し後悔した。確かに車を運転するにあたってコートが邪魔だったのだがめんどくさくなってそのまま車に置いてくるとは……

 そんな事を思っているうちに全日制の卒業生達も入場を終え、全員席に着いたみたいだ。かわいい子が居ないか、全日制の生徒らが座っている方向を見渡してみると、式が始まる前からもう泣きだしている子もいる。

「青春やな~」僕は隣の席に座っている同級生の鋼也につぶやくように話しかけた。

「そら、まあ、卒業式やし。たぶんまだ18の女の子やろ~? 涙が出るってことはそれだけ悲しいし思い出も沢山あるってことやろ」

 先輩面で何かを悟ったかのように話す鋼也に僕は少し苛立ちを覚えたが何も口に出さなかった。

 すると一人の先生がマイクに近づきだした。

「お! 始まるみたいやで」

「只今より! 平成29年度。岡部高等学校、卒業証書授与式を開催します!」

 司会の先生の起立の言葉と共に体育館内の全員が立ち上がった。

「国家斉唱」

 ピアノの伴奏が流れる。僕は成人式以来、約1年ぶりに着るスーツの袖を眺めながら少し微笑み国家を斉唱しながらこの日を迎えるまでの日々を少しずつ思い出しながら記憶を辿った。

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