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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ぼくらのぴえろ

作者: エイリアン

こういうの書くのが好きです。

少し残酷な表現が存在します。食欲を無くされる方もいらっしゃるかもしれません。閲覧は自己責任で、お願いします。

男は死のう。そう思った。

仕事での業績は後輩に抜かれ、邪険に扱われた。

同僚にハメられ、今は窓際席。

上司は同僚とグルで、自分を事ある事に叱る。事無くても叱る。

妻は浮気、しかも後輩と。先日それを突き詰めたら黙って離婚届を出された。

娘は数年前に家出。どこかの誰かに誑かされ(たぶらかされ)、娘は今はどこにいるか。警察から補導されたとか、はたまた死んだとか信ぴょう性のない情報ばかり掴む。

森に向かおうか、海に向かおうか。

死ぬ時まで苦しみたくはない、窒息しか出来なさそうな海はやめようか。

森に向かおう。首を吊るのも一瞬と聞いたことがある。

あぁ、工作が得意だな。俺は。

じゃあギロチン装置でも作ろうか。最も楽で確実だ。そうしよう。

男は必要になりそうな道具を持って森に足を踏み入れた。

男は不思議な後継に出会う。

有名な国民的アニメの卑怯道具に出てくる、「どこへでもドア」よろしくドアだけが冗談みたいに、ポツンと立っている。

そこから差し込む光は明るく…どこか温かかった。

男は気づくと扉の中へ入っていた。

1匹のピエロが現れた。

「ふぅ〜む、あなた死にたいようですねぇ、大方…虐めにでもあっちゃいました?」

訳の分からない扉の先で訳の分からないピエロに煽られ、図星をつかれた。男は顔を真っ赤にしながら

「アンタには関係ないだろう!」と叫んだ

「それは!」ピエロが叫び返す

「それはそれはそれはそれはそれはそれはキミョ〜〜ゥウゥウウな話だァ!」

「あぁ?!」

「あなたは復讐がしたいから、冷たい感覚から解き放たれたいから、やり残した事があるから、ここに入ったのでは?ではではでは?ではでは何故ここに入った?ではなぜここに入ろうと思った?電話では?予約では?入れなァア〜イ。」

何なんだこいつは。どう見ても頭のおかしい奴だった。普通なら死のうとしている人間ですらここを離れようとするだろう。

しかし…この人の話す言葉はどこか俺を魅力する。

「やり残したことがなければ入れない…?ハッ、なんの冗談だ。そうだな、せめて言うなら人でも殺せば良かったか!…なんてな」

「oh!まさにそれです!」

……は?

「私は、みんなのぴえろ、アナタの、彼の、かのじょの、愛憑の、孤意吊の、願いを聞くのdeス。」

この方の声は男でも、女でも、大人でも、子供でもないような気がした。

ただひたすらに美しいこの声色に魅了されてくのがわかった。

━━━この方なら…まさか

「…殺すのか…殺せるのか!」

「不毛な質問はノンノン!まずは願いを叶えるといいでーす!あぁ、願いを叶えたあと、生きるも良し、予定通り死ぬもイイデショウ!あなたを丁重にお迎えするお部屋デーす!」

男の顔に生気が宿った。

「生きるに決まってるじゃないですか!あなたさm」

「ナンッッセーンスッ!お客様に、「貴方様」や、「あの方」と呼ばれては、面目が丸潰れでーす!最初のように、「お前」が良いでしょう!こそばゆーい!」

「いやぁ、もう足向けて寝れねぇくらいだよ…じゃあ、アンタ!改めて願いを叶えてくれるんだな?どんな願いでも!」

ピエロはニヤけた後、「貴方は、十二分に苦しんダ…報われていいはずです…!」感情を込めてそう言った。

「まず俺をハメた同僚!」

「消しました!」

何も無かった空間にソーセージのようなものが現れる。

「…!これっ…!」

「お気に召しませんでしたカ?」

「最っ高さ!アンタ!俺の妻も!」

「仰せのままに!」

目の前に鉄に挟まれた肉が現れる。

「上司!」

「こんなのはいかがでしょう!」

「あぁ、親も!それから━━」

男とピエロは楽しげに、名前を出しては答え、名前を出しては答え、を繰り返した。

「おっと、娘も━━━ッ!待ッ」

「遅ォーい!ヒャッハァアアアッァアッアァアー!」

「ッ!」

「ッという方は……はて?ハテ?果て?はてはてな?知りませんなっ」

男は気が付いた。自分が築き上げたはずの赤い山を見つめようやく全てを悟った。

全て、全てのことが都合よく進む世界とは何か。それに引き換えて失ったものの大きさ。思い出。

すべてを失くした自分に生きる意味は…

「つ」ピエロの口が開く

「ぎ」自分の口も開こうとする。「お」

「は」ピエロは驚くような顔をし始めた…と思う「れ」

「…は?」明らかに聞き返す口調だった「も!」

「俺も…俺を消してくれ!」

見上げると、ピエロは笑ながら涙を流し、硬直していた。

突然ピエロは足の先から消え始め、やがて完全に消えた。

男は泣きながら元きた扉へ手をかけた。


気がつくと男は森で寝そべっていた。

ガバッ!と起き上がると、男はあたりを見回した。

目の前に、先程のピエロのと同じような型をした人形が立って、こちらを見つめていた。

この先のストーリーは、あなたが考えてみてください。

…後ろにいるピエロと、ご一緒に

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