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死するべき戦いの始まり2

「……おおー」


開幕一番からのブルーの早撃ちに、集まっていたスタッフから感嘆の声が漏れる。


ここはブブテレビの会議室の一角。


異世界でのリアルタイム放送を見る為に、ファイバーズのスタッフ達は会議室に詰めかけていた。


戦いが始まった直後、こちらが怪人を送り込んだと同時にブルーは見事な射撃を行う。


何かの薬剤を使用したのは見ていたが、それでもあの早撃ちが神業である事は分かる。


「鉄砲って反動あるんですよね?」


「だな。火薬だよ。ようは爆発を一定方向に向けてるんだろ?」


「ふつう、その揺れの中で照準付けられないだろ……」


さすがはブルーだ、そう皆が感心している中で誰ともなしに訪ねるように口を開く。


「今日はあれじゃないか? 怪人の数が足りないんじゃないか?」


それに答えるのは怪人担当のカマキリだ。彼は残念そうに首を振って口を開く。


「今日の怪人は量がめちゃめちゃいるっすよ。おまけにバージョンツーのお披露目もあるっす」


その言葉にスタッフ達からおおーと歓声があがった。


試作量産型のバージョンワンから、設計見直しの入ったバージョンツーが適応されると言う話は皆が知っていたが、今日披露目だとは知らなかった者も多い。


「おお、バージョンツーも出すのか。大盤振る舞いだね」


「ブルーが居なくなるっすから……。なるべく派手に、記憶に残るように、とのことで。早回しに」


その言葉で、場にしんみりとした空気が流れる。


誰かが鼻をすする音がした。


「無理かねぇ……。ブルーも万全みたいだけど」


いつもより格段に狙うのが早いのは誰もが感じていたが、今までとは前提が違うのだ。


これまではなんだかんだで、殺さないように万全の注意を払っていた。


しかし今日は逆に殺すためのセッティグを行っているのである。


「今回、上位怪人を調節したのってだれだっけ?」


「俺です」


そう言って手を挙げたのはカタツムリだった。


「インパクトありますよ。いつもの予算の三倍はかけましたから。まあ、ジョンダー帝王ほどじゃないですけど」


カタツムリは寂しげにそう言った。彼の調整した上位怪人がブルーの命を絶つ事になるのだ。


その空気をごまかす為にカマキリは明るい声をあえて出した。


「ジョンダー帝王は軍用品レベルだからな。今後の話の展開の肝だし! あれのせいでしばらく上位怪人はしょぼくなるが……」


「予算の関係上、しょうがないでしょー。四人になったら、それでも苦労するんじゃないですか?」


わいのわいのと会議室は盛り上がっていた。


「そろそろジョンダー帝王がでるんじゃないですか?」


この後の展開を知る誰かが言った。


画面の向こうで、ブルーは一分の隙もなく対物ライフルを構えていた。



 ◆


絶好調だ。俺は今まで生きてきた内でも一、二位を争うほど調子が良かった。


マガジンを交換し、撃ち切るまで撃つ。


今日は弾を外す気がしない。


このまま、終わってしまうのではないか? 俺がそう思った瞬間だった。


その向こうにひと際、大きな黒い点が見えた。


そこから出てきたのは、よくわからない黒い甲冑。


今週の上位怪人か!!


俺は素早く二回銃弾を引き絞る。それで終わりのはずだった。


だが銃弾はその甲冑をすり抜けた。


……!?


理解できない現象に俺は焦る。俺はもう一度その甲冑に狙いを定め撃った。


だが当たった手応えはない。と同時に、その甲冑の姿が視界から消えた。


そして横から音が聞こえて、俺は反射的に転がりながら拳銃を引き抜き、そして弾丸を撃ち尽くすまでぶっ放した。


いつの間にか俺の脇には甲冑姿の大男がいた。銃弾を浴びせたはずなのに、びくりともしていない。


スコープの向こう側にさっきまで見ていた奴に違いない。


あの距離を一瞬で? 冗談だろう!?


撃った銃弾はまるでそいつが存在しないかのように抜けて行く。俺の強化された集中力はその光景を捉えていた。


『貴様が、我らの侵略を阻むものか』


甲冑が喋る。その言葉を聞きながら、俺は拳銃のマガジンを入れ替える。


「お前は何だ? だぢづで人か?」


立ち上がり、間合いを計りながらそう訪ねた。


どういう理屈かは知らないが、一瞬で移動し、攻撃が通じない。


上位怪人のでたらめな能力に飽きれることもあったが、今回ほどでたらめなのは始めてだ。


『いかにも、だぢづで人の長……ジョンダー帝王とは私の事だ』


「!! お前がトップなのか!?」


俺は驚き、目を剥いた。


『貴様の名は』


「青島……ファイバーズのブルーだ」


『ファイバーズか。覚えておく事にしよう』


ジョンダー帝王はそう言って、マントを翻し叫ぶ。


『貴様等にはずいぶん煮え湯を飲まされた。だが時は満ちた——暗黒の力よ。我らに力を与えるのだ!』


ジョンダー帝王が言葉と共に天に手をかざす。するとその姿が一瞬で消え失せた。


「……なんだってんだ?」


ブルーのユニフォームの奥で、俺は呆然としながら思わず呟く。理解できなかった。


だが唐突に空から雷のような音が響き、顔を上げる。


俺が見ている前で、ダークホールから黒い煙のような雲がモコモコと沸いてきた。加えてその雲には稲光が走り、非常によろしくない雰囲気を醸し出す。


「……おいおいおい。今日、俺一人なんだぞ!? わかってんのか畜生!」


俺の悲鳴を知った事かとばかりに今度はダークホールから紫の光が輝き出した。その光は線となり、地面に向かって降り注ぐ。


ホルスターに拳銃を仕舞い、対物ライフルのスコープを急いでのぞき見る。


光の降り注いだ先、そこには怪人が立っていた。その姿が紫の光の中に透けて見える。


「……かんべんしてくれよ」


俺の見ているスコープの中では光の中で、怪人の姿がふくれあがっていた。


光が徐々に収まると、そこには倍程度の大きさに巨大となった怪人がいた。


黄土色の体は変わらないが、体つきは大きく、がっちりとしていて、顔の形状はさらに恐ろしい物へと豹変していた。


「暗黒の力とかなんとかってやつか?」


引き金を引く。


轟音と共に発射された弾丸は狙い通り、怪人の体を打ち抜いた。


打ち抜きはしたが、大きくなる前の倒れ方とはまるで違っていた。


先ほどは上半身がちぎれ飛ぶかのように吹き飛んでいたのに対して、今は崩れ落ちたものの原形を保っている。


耐久度が上がってるのか? この短時間で?


ゾッとしたが、そのまま観察も続けてはいられない。


怪人達が動き始めた。まずい事にジョンダー帝王に気を取られていた間に怪人達は動き始めていた。


こっちをみる目、目、目、目、目、目、目、目、目。


——くっそ、いつもより圧倒的に多いんじゃないか!


怪人の目を黄野さんは不気味だと言った。


『何考えてるか、わからないから。だから不気味』


その目が俺を捉えている。距離は五百。遠い距離だが、短くもない。


それでも一斉に一直線にこちらに向けて怪人達は走り出してきた。


何を考えているかじゃなくて、何も考えてないんだな、ありゃ。


行動パターンは以前と変わらないようであるが、その速度は以前の怪人比べて速い。


同時に倍率を変更して広い範囲で対象を見えるようにする。


猪突猛進の見本みたいにこちらへ走ってくる怪人達に俺はライフルの弾をねじ込んで行く。


それでもなお、怪人達は俺を見ていた。間違いなく俺の姿を捉えている。


走る怪人の速度はこれまでと比べても早い。


百メートル十三秒前後くらいか? 緑川君よりはちょっとは遅そうだが今後の脅威の要因になりうる。


だがそれでも!!


視野を集中させる。瞬時に自分の呼吸の音以外は聞こえなくなる。


手の先が、指の感覚が、ライフルの先端を通じて敵を捉える。


撃つ前に口元がつり上がるような感覚を覚える。そして引き金を引く。


薙ぎ払うように角度を変えて引き金を連射する。


全弾命中。


「当たる前に当たった手応えがしたぞ。おいおい」


いつもの俺がその話を聞けば、何をおっしゃるウサギさんとでも言っていただろう。


しかし俺は今の状態にだんだん慣れつつあった。


異常に集中できる感覚が当たり前になり、感じた事の無い領域が顔を見え始めている。


しかし自惚れ有頂天になることは許しては貰えなかった、俺の絶望が怪人達のさらにその奥から現れた。


おい、おいおいおい!


それは黄土色の化け物だった。


ビルの上から見て、その大きさはちょっとした車くらいの大きさがある。


単にでかい。


虫のような尖った六本足。真ん中にあるのは奇妙な肉のかたまりで、そこからはニョロニョロと触手のようなものが動いていた。その先端には口のようなものがついていて非常に不気味だ。


あ、あれが今回の上位怪人か? いつもと違いすぎる。まるで作った奴が変わったみたいだ。


それは直感と言うよりも経験から来る確信だった。


いつもは腕が多かったりもするがどうにか人型なのだ。それが今回はどうだ。六本足だ。そして不気味だ。


通常の怪人以外の別種は一体のみ、それは異世界人との戦いが始まってから変わらない事だった。


だとすると、さっきのより姿の奴ではなく、あの虫モドキが今回の上位怪人なのだろう。


いつもの怪人は強くなるし、帝王は出てくるし、上位怪人は不気味な事この上ない。


まるで俺が独りなのを狙い澄ましたかのようだ。


俺が自分の不幸を呪っている間に、上位怪人は自身の足下にあるほかの怪人の死体へと触手を伸ばした。


そして触手の先端に付いた口で死体を飲み込む。噛んでいるのが分かった。


……食べた?


驚く俺の見ている中で、上位怪人の体がモコモコと大きくなる。触手は次々に飛び散っている下位怪人の死体へと伸びて行く。


共食い。


背筋が寒くなるほどの怖気が俺に走る。


「気色の悪いもん見せやがって!」


反射的に俺は全弾をそれに向かって放り込んだ。


肉がひしゃげ、貫通し、胴体を支えていた六本の足が崩れる。だが触手が伸びて、怪人の死体を食べるとその体はまるで粘土かなにかのようにくっつくと、再び動き始めた。


体が大きくなるだけじゃなくて、回復も出来るのか!


「くそったれ、火力が足りない!」


俺が上位怪人に気を取られていた隙に走ってきていた怪人達の先頭は既にビルの根元にたどり着いていた。


そして壁に手付けて、這うように登ってくる。その動きは蜘蛛のようだ。


壁をのぼり、屋上の俺へと向かってくる怪人に向けて弾を浴びせてやる。


しかしその弾が怪人に当たった瞬間、装甲に当たって弾かれた。


「……クソ、今までよりやっぱり固い」


思わず俺は舌打ちをして、しっかり狙いをつけて引き金を引いた。


両目の眼球と眉間。


続けざまに三発撃つと、風穴の開いた怪人は力つきて下へと落ちて、落下の衝撃で体液を地面へとぶちまけた。


今までも弱点だった眼球回りは今でも弱いようだが、胴体に当たった拳銃の弾が弾かれるのは問題だった。


今までは効果は薄かったとはいえ、ダメージはあったのだ。


「紅君の武器は考え直しが居るかもな」


加えて動きも早い。力もおそらくは上がっているだろう。


ファイバーズの全員が下位怪人との戦闘にもようやく慣れが見え始めていたが、これでは仕切り直しになってしまう。


良くなった事といえば的が大きくなったくらいだ。


狙いを眼球だけにしぼり、俺は銃弾を消費しながら、手榴弾を投げる。


見下ろせば怪人が自分たちの仲間の死体を押しのけるほどに山になっている。


まるで砂糖に群がるアリだ。そして俺はその砂糖だ。


「数がいつもと違いすぎる……。こりゃ、厄介だぞ。おい」


怪人の死体を食べる上位怪人が後ろに控える中、群れてくる怪人を倒す……これはやばい。


俺は手榴弾の残りをばらまき、それから脱出の為のワイヤーにフックを使ってぶら下がる


ワイヤーの始点は俺が居るビルの屋上に、終点は通りの向こうのビルに付けてある。


滑り落ちると風を切る音が耳にうるさい。


その間も銃を撃っていた俺は隣のビルの三階に転がり込む。


振り返ると、怪人たちが屋上にたどり着き、俺の滑り降りたワイヤーを手で掴んでこちらに向かってきていた。


「ついてくるんじゃない!!」


拳銃を引き抜き、窓から身を乗りだして、ワイヤーを固定している金具をぶち抜いた。


ちぎれ飛んだケーブルにしがみ付いていた怪人が重力に引かれて落ちて行く。


ともかく移動だ。ここにある装備じゃ、あの上位怪人には手が出ない。


俺は弾の切れた拳銃を床に投げ捨てて、事前に準備してあったアサルトライフルと銃弾の込められたマガジン。手榴弾を補充する。


頭の中には逃走経路を思い浮かべる。


今まで居たビルの屋上のA地点を柱として、逃走経路は約五通り。それぞれ置かれている武器が違う。


その中で敵の数が多かった場合と、上位怪人に対して必要な火力を考えるとルートは一つしか無い。


俺のとっておきの秘密道具を置いているのは大通りの東側だ。


出来ればそこは使いたくなかったルートだったが、現状を見る限りそこ以外は対抗できそうもない。


「大林さんに謝って済めば良いけど」


おそらく、謝っても駄目かもしれない。


それでも俺は覚悟を決めて、最後の手榴弾を補充し終える。


切り札を有効に使うには正面から敵を引き連れてくる必要がある。


「敵を引きつけながら切り札のところまでか……。バイクは使えないか」


逃走用に準備していたバイクの使用はあきらめる。もしそれで移動したら早すぎて敵の動きを制御できなくなる。


「パレードとしゃれ込むか……どちらかと言えば百鬼夜行だな」


俺は階段を滑り降りるように駆け下り、道に出たところで襲いかかってくる怪人の頭をアサルトライフルで撃ち抜いた。


その銃声を聞きつけたのか、わらわらと道の向こうや、ビルの間からも怪人がわき出してくる。


出来るだけ敵を集めて、逃げる。だが引きつけすぎて切り札のところに行けなくなったら詰みだ。


「ちきしょう! 俺は一人なんだぞ!」


前も、後ろも、左も、右も、上も、全部を気にしながら戦わなきゃならないのが辛いところだ。


だが文句を言ってる暇はない敵の数はどんどん増えていく。


俺は手始めに胸に付けていたテレビのリモコンみたいな装置に01と入力する。


発信された信号を感知して、事前に仕掛けておいたC4爆薬が爆発した。


爆発の勢いに飛ばされた怪人がビルの壁に叩き付けられ、まるで水風船を壁に叩き付けたような後を残す。


「……とにかく、やってやるぞ!!」


今、手元にある武装は手榴弾とアサルトライフル、そして事前に仕掛けてある爆弾を起爆するためのリモコンだけだ。


逃げるには十分だった。道すがらには撤去するのが憂鬱になるほどの爆弾を仕掛けている。


そしてアサルトライフルは拳銃よりも狙いやすく、また威力もある。使い慣れてもいる。


今日の俺なら、弾を外す気がしなかった。


だがそれでも一発で一匹怪人をしとめても……今ある弾の数ではたぶん足りない。


とにかく走りながら撃つしかない。


距離が詰まってきたら手榴弾、それでもどうしようもなくなる前に爆弾をセットしている場所に滑り込み集まった怪人を吹き飛ばして距離を稼ぐ。


前から現れた怪人に仕掛けてあった指向性地雷が反応。ベヤリング弾の集中砲火を浴びて膝から崩れ落ちた。


その後ろから、こちらに走ってくる怪人の頭を射抜く。


さらに先に進んだところで脇道から団体が迫ってきていた。


頭の中で地図を思い浮かべながら、リモコンに24と入力。


爆発音と共に転がり出した車が先頭を走っていた怪人を引きつぶし、壁にぶつかったところで中に搭載していた液体燃料をぶちまけながらド派手に火柱を上げる。


「これであの通りはクリア……」


その後も俺は準備してあった爆発物を惜しげも無く使用していく。


手榴弾も遠慮無しに投げ込む、肉のこげるような匂いが風に散らされていくが、そんな事にかまけていられない。


それだけやっても敵の数は減った気がしなかった。怪人の死体を踏みつけ、次々と怪人たちが湧き出してくる。


それでも何とか俺は転がるようにして、目的の場所までのマラソンを走り抜けた。


上手くやれたらしい。


敵は俺の後ろにしかいなかった。時間をかけただけあってA地点からここまでのルート上に怪人達は集められた。


振り返れば怪人が山ほど居る。数えるのが嫌になるほどだ。


お膳立ては整った。


そこにはちょっとした机くらいの大きさのコンテナが四つ並んで鎮座していた。


その後ろには、こじんまりとした一抱えほどの箱がある。


全力でこちらに走ってくる怪人達に向けて俺は手当り次第に手榴弾を投げつけ、先頭集団の頭を撃ち抜いて時間を稼ぐ。


「うっし! 目にもの見せてやるからな!!」


俺は急ぎ、小さな箱のてっぺんにある金属レバーを引く。


小さな箱の中から展開するようにコントロールユニットが現れた。


俺は片手で銃を撃ちながら、素早く起動スイッチを入れ、コードを入力する。


一拍遅れて、ガンと音がして前に並んだ四つのコンテナが展開する。


中から現れたのは鋼の固まりだった。それがモーター音を響かせながら首をもたげる。


それは銃と呼ぶには無骨で、情け容赦のない形をしていた。


人が手で持ち運ぶ事をあきらめた大砲の連射機……機関砲。


それが四門並ぶその中央で、俺はコントロールユニットを操作し、コンバットシステムをONにする。


機関砲に付けられたセンサーが敵を捉える。銃口の先が寸分の狂いも無く動いた。


日本名、全自動照準合わせ機能付き機関砲。


コードネーム、セントリーガン。


セントリーガンは文字通り口から火を噴いた。


アサルトライフルの連射が子供に思えるほどの大火力が四門。


怪人達は距離の近い者から順番に形を消し飛ばされる。


有無を言わせぬ、その銃弾の雨が目の前の風景を秒単位で変えて行く。


陸上防衛軍の機密開発試作機。形式番号まだ無い。


元々は海上防衛軍の戦艦に搭載されているミサイルや航空機から船を守るための迎撃用近接防御システム、CIWSを陸で使用できないかと開発が行われた内の亜種だ。


ぞれぞれの機関砲をコントロールボックスに接続する事で、情報を共有し、重複した的は狙わない。


ただ情け容赦なく、完璧な連携によって、それは怪人の命を削り取る。


詰めかけていた怪人達の残骸が当たりに散らばる。


見通しの良くなってゆく通りに感嘆の息を吐きながら、俺はセントリーガンが狙いにくいポジションの下位怪人達をしとめてゆく。


それはもう戦闘ではなく、虐殺と言っても良かった。


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