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03:ねーさんペース
ねーさんって、いい。
03
腹が減ったからドームへ帰ろうと、本を抱えて歩いていたら、電話が鳴る。
ねーさんがくれた携帯。
こんなとこでもかかって来るんだな。
電話に出てみる。
「あぁ、もしもしエイル。今旧宇宙科学研究施設にいるんだよね?もう帰ったほうがいいよ。昼ご飯食べてないんでしょう?それにリスキード先生が見せたい物があるって言うからさ。」
今まさに帰ろうとしてたんだよ。
腹減ったから。
「へー、先生がー、珍しい。」
「なんだろーね?まぁ早めに戻ってきてね。」
「うん、じゃあ昼食べてねーさんとこ寄ってから行ってみるよ」
「ねーさんはやめなさい。博士って呼びなさい。」
うぇー。
やだー。
「ん、まあそういうわけだから、じゃーね!」
切られた。一方的に。
まあいいか。
いつもの事だ。
こんな風にやや面倒で、けど頭がよくて、ねーさんで、ねーさん。僕にとってそんな存在。
名を、アンナ・カフテノルという。
まぁいい。ひとまず・・・
「ここから歩いて1時間かな」
早く帰ろう。
・・・1時間歩けるかなぁ。