少年よ幸せに…
少年は絶望した。
その醜い世界に。
自分の思い通りにはことが運ばないことに。
自分が考えたシナリオ通りには行かないことに。
少年はわがままだ。
だから自分の考えを押し付けた。
結果、その答えは少年の絶望だった。
自分のシナリオを考え、周りと上手くいき、少年は愉悦に浸っていたのだろう。
だから少年は失敗した。
自らの人生を幸せの世界に、できるだけ苦労のない世界に、そう考え、上手くいったと思っていた。
少年は絶望した。
少年の世界は少年だけで回っていると、少年を中心に回って行くのだと思っていた。
だから考えた。うまくいくだろうと。
なぜうまくいかない。
少年は考えた。
少年は絶望した。
考えることを放棄した。
自分にとって醜いこの世界で考えるのは不必要だと。
それから、少年は考えずに生きている。
世界は回っていく。