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第十五話:お祭りのお約束!

さて、中途半端ですが物語自体はこれ以上進みません。あとは文化祭で何が起こったのか・・・それと、各々のENDです。あとがきではお願いしたいことを書いています!

十五、

 その日、僕は保健室にいたのだった。

「やれやれ、文化祭なのに怪我するなんてお前らしいな」

「・・・・まぁ、しょうがないんだよ・・・僕だって怪我したくてしたわけじゃないんだからさ・・・」

 今日は文化祭当日・・・だが、僕は貧血のため、保健室に運ばれていたのだった。

既に、文化祭は終了しており・・・僕がするべきことなどいまさら残っていない。そろそろ片付けも終了しているような時間帯のようで、早めにホームルームを終了させてしまったクラスは既に解散を告げられており、部活があるものは部活に行っていて帰宅部の人たちはその部活を全うするために安全に帰宅の徒についていた。

「・・・まぁ、来年もあるんだからそう落ち込むんじゃないぞ」

「・・・しょうがないか・・・じゃ、僕は先に帰るよ」

「ああ、気をつけて帰れよ?」

 保健室の扉を開けようとすると・・・・勝手にドアが開いたのだった。いつからここに自動ドアが設置されたのだろうか?

「あら?鏡輔・・・気絶したって聞いたけど大丈夫だったの?」

「母さん?」

 何のことはない、母さんが僕より先に扉を開けただけだったのだ。うん、保健室に自動ドアがつく日はきっと遠いぞ。

「校庭でみんなが待ってるわよ?」

「う〜ん、わかった。じゃ、先に帰っておくけど?いいの?」

「ええ、確かに鏡輔が心配だったんだけど・・・輝さんにも用事があったのよ。ちょっと輝さん、いいかしら・・・・あら?」

「?」

 僕も後ろを振り返るとそこに座って書類を書いていた父さんの姿はなく、代わりに熊のぬいぐるみが陣取っていたのだった。あるべき熊の耳はなく、代わりに龍の角が生えているところを見るとどうやら“ラルド君”のようだ。だが、動く気配を見せていないところを見ると完璧にぬいぐるみに戻ったらしい・・・・大きさはいまだに僕並なのだが・・・

「まったく、どうしたのかしら?」

「父さんに用事があるって何?」

「用事?ああ、今日は隣町で祭りがあるのよ。私も輝さんと一緒によくいったわぁ・・・・」

 そういって頬を染める母さんを見ていると何かを思いついたのか母さんは手を叩いた。

「・・・・鏡輔、みんなと祭りに行ってきなさい!」

「え・・・どうしてまた?」

「気絶しててみんなと回れなかったんでしょう?校庭の隅にいたみんなはとても悲しそうな顔をしてたわ・・・あって間もないって思うけどあの子達と仲がいいでしょう?」

「そりゃまぁ・・・」

 何故か知らないが・・・・確かに仲がいい。

「・・・私の時のようにはならないでしょうけど・・・行ってきなさい。場所は教えてあげなくてもわかると思うけどね・・・じゃ、私は輝さんを探さないといけないからね」

 そういって僕を追い越して保健室の扉を開けて去っていった。僕も扉を開けたのだが・・・・既に廊下には母さんの姿が確認できなかった。

「・・・・僕の母さんと父さん、何者なんだろう?」

 一筋縄では太刀打ちできない二人のことも気になったのだが、祭りのことも気になっていたので僕は考えるのをやめてとりあえず四人の元へと向かうことにしたのだった。


 校庭の隅、花壇の近くに四人はいたのだった。右からシルバ、ダーク、カオス、ミスト・・・シルバとミストはにらみ合っているところを見るとこれはこれで違う祭りが見られるかもしれない。

「ごめん、待たせたみたいで・・・・」

「そんなことないですよ、先輩が倒れたのは私たちの所為なんですから!」

 ミストが真っ先にそういったのだった。

「・・・・ええ、そうですね、私たちがやったのは間違いありません・・・すみませんでした」

「すまん、鏡輔・・・限度が超えてたな」

「文化祭は確かにお祭りですけどさすがに大暴れしすぎましたね」

「そうかな?別に何もされてないような・・・」

 僕がそういうと四人は非常に重苦しい表情を見せる。

「・・・・どうやら変なところで薬が効いてしまったようですね?」

「そうだな、碧さんに感謝を一応しておかないと・・・」

「まぁ、碧のおかげといえばそうですけどね・・・・」

「・・・先輩のお母さんのお姉さんは危険な方です」

 そういって重度のけが人を見るように俺を見ている。な、何なんだろうか?

「本当に覚えてないんですか?」

「大丈夫だって、貧血で倒れたんだよね?貧血ぐらいで・・・シルバ、その哀れむような目は何?・・・・貧血だよね、ダーク?え、何で目をそらすの!?ちょ、ちょっと!カオス・・・その携帯で119を押してない?って、ミスト!何で目の前で十字をきってるの!?え、僕って・・・貧血で倒れたんじゃないの?」

 困惑する僕に四人は上っ面だけで笑ったのだった。

「・・・・まぁ、いいよ・・・ところでさ、これから隣町で祭りがあるらしいんだから・・・みんなで行かない?母さんに行ってきていいって言われたんだけど?」

 そう尋ねると四人は考えるような仕草を見せたのだが・・・・

「ええ、そうですね。文化祭は色々とあれでしたが・・・行きましょう!」

「うむ、いい考えだな。隣町ならそこまで遅くならないだろうし・・・」

「楽しみですねぇ・・・屋台はどのようなものがあるのでしょうか?」

「花火はうちあがるのでしょうか?え?花火はなしなんですか?」

 こうして、僕らで隣町まで行くことになったのだった。


 浴衣姿の四人の近くを歩くのはなんだか気が引けたのだが、誘っておいて一人だけ離れて歩くのも失礼だと思ったのでついて歩くことにした。

 既にあたりは暗くなっており、ここに来る途中何度か道に迷ってしまったのもあるだろうが・・・まぁ、祭りは暗くなってからが面白いのだ。

「・・・・へぇ、いろいろとあるんだねぇ・・・」

 誰に言うでもなく、そんなことをつぶやいたのだが・・・・・誰も乗ってきてくれなかった。

「・・・シルバ?」

 右を向いたが・・・・いなかった。

「・・・ダーク?」

 左を向いたが・・・・いなかった。

「・・・カオス?」

 後ろを振り返ったが・・・・いなかった。

「・・・ミスト?」

 振り向く場所がなくなったので空を見上げたのだが・・・・やっぱりいなかった。

「・・・・まったく、みんな迷子かよ・・・・はは、僕から離れちゃ駄目だって言ったのになぁ・・・」

 決して、そう、決して僕が迷子になったわけではない!



「・・ありゃりゃ、他のみんながいなくなってるし・・鏡輔さんまでいないなんて・・・・」

 シルバは辺りをきょろきょろと見渡しながら進んでいく。人ごみの中を歩いたことはほとんどないので自分が前に進んでいると思っているのだが、人の波に押されており交代しているのだった。


「やれやれ、鏡輔はともかく・・・他のみんなまでいなくなるなんてな・・・・」

 ダークはりんご飴をかじりながら辺りをきょろきょろとしていたのだった。頭のいい彼女は自ら人ごみの中を突っ切ろうとせず、その場で待機していたのだった。


「・・・・鏡輔君がいませんねぇ・・・シルバさんたちもいませんし・・・・」

 カオスは金魚を眺めながらそんなことを呟いていたのだった。金魚のほうに意識がいっており、9:1の割合で金魚が優勢だった。狙いは出目金だろうか?


「ま、まさか・・・この私が迷子!?迷わないように先輩のすそを掴んでいたはずなのに!」

 ミストは絶対に迷子になることはないだろうと思っていたので非常に混乱していたのだった。きょろきょろと辺りを見渡していくたびにその目の端に涙を浮かべ始めたのだった。


「さて、これから僕はどうするべきだろうか・・・・?探すにしても誰を目印に探したいったほうがいいのかなぁ?」

 僕は人ごみが一番少ないところから人ごみを眺めていた。その中に知り合いはいないかと探しているのだが・・・・そうそう、うまく見つからないようだった。

「・・・・携帯電池切れてるし・・・そうだなぁ、迷子の放送でもしてもらおうかな?」

 そんなことを考えていたのだが・・・・一向に自体は進展しそうにもないので自分からやっとの思いで抜け出してきた人ごみの中に再び入っていったのだった。


「・・・・はぁはぁ・・・なんだか全然進んでないどころかさっきより離れてるような・・・・」

 シルバは先ほどの場所から約五十メートルほどバックしたような場所に立っていたのだった。現在進行形で彼女は後ろに向かっている。

「・・・鏡輔さぁ〜ん!!(必死)」


「あ〜そろそろ腹がたまってきたなぁ・・・飴も食ったし、イカ焼きも食ったし・・・」

 ダークは先ほどの店から隣の店、隣の店と食べ物が売っている店の前で立ち止まっていたのだった。現在進行形で彼女は焼きそばを食べている。

「・・・鏡輔〜(バトンタッチの意味をこめて)」


「あ、おじさん!亀さんも投下ですか?へぇ、ぜにがめなんですねぇ・・・」

 カオスは先ほどの店からまったく動いておらず、金魚が泳いでいる隣に新設された小さなプールの中で泳いでいる亀を現在進行形で眺めているのだった。

「・・・鏡輔君(この亀、とぼけた顔が鏡輔にそっくりだなという感じ)」


「う〜ん、う〜ん、誰もいない・・・・」

 ミストは精神面がほとんどやられているようで・・・・ふらふらした足取りで青白い顔をしながらまるでゾンビのようだった。現在進行形で徘徊している。

「・・・・先輩、先輩、先輩(まるで獲物を狙うかのように)」


 僕は彼女たちを探して走り・・・いや、人ごみで走れないので歩いて探していたのだった。

「あ、ちょうどおなか減ったし・・・・このイカ焼きを食べるかな?」

 迷子になった・・・・いや、迷子の彼女たちを探すまでは気を許すことが出来ない。

「う〜ん、たれがおいしいなぁ・・・・」

 決して、うつつを抜かしている場合ではないのだ!

「あ、流れ星だ・・・綺麗だな・・・」

 今だってどこかに四人のうちの誰かがいないか探している・・・心情的にはのどから手が出るような状態だろうか?

「・・・・浴衣着てる女の人って綺麗だな・・・」

「・・きょ〜すけさ〜ん!うわっ・・そっちじゃないですよ!」

「あ、いけないいけない!なんだかシルバの声が聞こえたような気がしたんだけど・・・急いで探さなきゃ!」

 そう、僕は彼女たちを探さないといけないのだ!

「鏡輔!こっちだぞ!あ、いま代金を払いますから・・・」

「・・・ダークもいないし・・・」

 視界に入れば見つけることが出来るだろう!

「あ、鏡輔君?この亀・・・あ、持ち出し禁止ですか?すみません」

「・・・カオスはどこだろ?」

 断言してもいい!僕は彼女たちより先に彼女たちを見つけると・・・・

「せ、先輩!うおっ!人波が・・・これほど激しいとは!」

「・・・ミストは泣いてるんじゃないかな?」


 僕は彼女たちを探し続けるだろう。そう、何があっても・・・たとえ、この人ごみが消えようとも・・・・


「あ〜みんなを探さないと!でも腹減ったから、次は何を食べようかなぁ?そういや、さっき金魚を売ってたなぁ・・・祭りって徘徊するだけでも楽しいからなぁ・・・」


 優柔不断な鏡輔はみんなとはちょっとだけ離れた場所でうろうろとしていたのだった。


さて、物語は前書きでも述べたとおりこれで終わりなのですが・・・中途半端な感じなのが微妙ですね。まぁ、きちんとENDは書きますから・・・・。END編を書くにあたって、皆さんにお願いがあります。ずばり、四人の中で思い入れのある人物は誰かということです。ちょっとあれですが、人気のあった人物のみ、優遇して後日談を書こうかなと思っています。では、次回は文化祭で何が起こったのか・・・・それを書きたいと思います。

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