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一話  どっちが天然?

 俺の通う高校は只今昼食の時間です。いつも通り、俺は屋上で弁当を食べてます。しかし、今までとは一つ異なる事があります。それは、隣に女子が座っている事です。

 彼女の名前は佐々木結衣。俺と同じクラスで、学年に留まらず高校全体で人気があります。

 ついでに言えば、俺は目立たない方なので地味です。

 そんな地味な俺と人気者の結衣が何で一緒に居るのかと言うと……実は俺も詳しく知りません。

 一緒に居るようになってからもう少し一週間なのですが、誰も居ない屋上に喋る話題が無いのに二人で昼食を食べてます。


「ねぇ、何か話無いの?」


「無い」


 そんな話を毎日している。

 前は敬語だったり苗字で呼んでたりしたが、結衣が〈敬語使わないで〉とか〈名前で呼んで〉など言われ、様々な事を決められた。


「う~ん、あ、そうだ。キョンシーって何?」


 話題が無い時、結衣はたまに、いや毎日のようにこんなどうでもいい質問をして来る。


「中国の動き回る死体妖怪?の一種……だったっけ?映画だと跳んでたと思う」


「ふ~ん。何で跳ぶの?」


「さぁ?関節が動かないからじゃない?」


「そんな事出来るの?」


「出来ないと思うよ。関節が動かないんだし。実際にやってみたら?」


 すると横に座っていた結衣が突然立ち上がり、気を付けの姿勢で関節を動かさないようにジャンプしようとして、上下に小さくピョコピョコしていた。

 最後のは冗談の積もりで言ったのだが本当にやるとは思わなかった。それ見ていたらだんだん笑いが湧き上がってきた。

 俺が腹を抱えていると視線を感じたので顔を上げると頬を膨らませた結衣がこっちを見ていた。


「何で笑ってんのよ!永がやれって言ったのに」


 口調的に怒ってるみたいだ。

 まだ笑いが治まってないのを無理矢理治めた。


「ふぅ、命令はしてないよ。それに普通やんないでしょ。……結衣ってさ、頭は良いけど天然って言うか、時々抜けてる所があるよね」


「何それ!バカにしてるの!?」


 結衣の頬が少しずつ赤くなっていく。

 さらに怒りが増したようだ。


「いや、そうじゃなくて。……その、そんなところも結衣らしいって言うか、可愛いって言うか」


「え?………」


 すると、結衣の顔が仄かに赤くなった。

 まだ怒ってるのか?


「まだ怒ってる?それとも、熱っぽいとか?」


 結衣は俯いてしまい、肩を細かく震わせていた。


「そうよね。永がそんな意味で使うはずがないよね」


「何が言いたいの???」


「あぁ、もう知らない!……まったく、どっちが天然なんだか」


 ???何の事だよ???


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