プロローグ 前編
初めてのラブコメです。変な個所が多々あると思います。
矛盾点も多分あります。
俺の通う高校は、創立十年という歴史的に浅い方だ。
この高校には、一年生が屋上に出てはいけないと言う少し変わった校則がある。
二年になった俺は昼食をほとんど屋上のベンチで食べている。屋上に来る人を俺は見た事が無い。
俺は今日も屋上で昼食を食べていた。今日はいつもより屋上に出るのが少し遅れたが人は居なかった。
「あれ?」
一人屋上で食べていると後ろから声が聞こえた。
その声に気付いて振り替えるとそこには一人の女子が居た。
「屋上に人が居るなんて珍しいね。隣いい?」
「え?は、はい」
「へへっ、ありがと」
そう言うとその女子は俺の隣に座った。その後は俺と隣の女子は会話無く昼食を食べていた。
「あのさ、私佐々木結衣って言うんだけど、君は?」
名前を聞いて気付いたけど佐々木結衣ってこの高校の中で男子にかなり人気の女子だったはず。
高校二年になった時、同じクラスになったけど特に係わりは無かった。と言うか、興味が無かった。
いつもツヤのいい黒くて長い髪を後ろで一つに束ねていている。近くで見たら人気の理由が分かった気がする。
「あ、えっと、一条永です」
「あれ?一条?確か同じクラスにもそんな苗字の人が居たような……」
「……確か同じクラスだと思いますが」
「本当!?あ~なんかごめんね」
「いえ、自分でも目立たない様にしてるんで気にしないでください」
「そんな事言われても、君は私の事知ってるんだよね?」
名前聞いといて呼ばないってどうなのでしょう?まぁ、正直どうでもいいけど。
「嫌でも耳に入ってくる名前ですし……」
「嫌でもって酷くない?」
「あ、すみません。その、悪い意味じゃないので」
「それくらい分かってるって。でも、私ってそんなに有名なの?」
「男子の中では人気があるみたいです」
「ふ~ん。ま、いいや。君っていつも屋上で食べてるの?」
「はい、今日は色々あって遅れましたけど」
「何で屋上で食べてるの?」
「五月蠅い所は嫌いなんで。それに……」
「……?」
「ここなら、いつでも死ねるかなって」
「え……?」
佐々木を見たら俺を見ていた。
その顔には驚きと戸惑いの入り混じったような表情をしていた。
「で、佐々木さんは?」
「え?何?」
俺の声で我に返ったようだ。
「佐々木さんは何で屋上で?」
「あはは、私は呼び捨てでいいよ。でもそれなら、私は君の事を一条って呼んだ方がいいのかな?でも……」
何故か徐々に声が小さくなり、後半はほとんど聞こえなかった。
「あ、あの……?」
「え?何?あ、屋上で食べてるわけだよね。う~ん、あまり考えた事は無かったけど……一条君と同じなのかな」
終始少しだけ口角が上がり、微笑んでいたが最後の一言だけは笑ってないように見えた。
指摘などありましたらお願いします。
褒められると調子に乗るのでほどほどにお願いします。