10・歴史の授業
初投稿の習作です。
お手柔らかによろしくお願いします。
推敲も重ねていくので随時、変更していく予定です。
基本は細かい修正ですが、今後のストーリーと整合性を持たせるためガラッと変更することもあります。ご了承ください。
特に1.2.3話は変更しがちです。
地名はかなり適当なので変更するかもです。
とりあえずの終わり方はだいたい決まってるので、完走できるよう頑張ります。
感想など頂けると、とても喜びます。辛辣なもの以外で…
店先の清掃がおわり、ウィリアムが店内に戻ると丁度同じタイミングで、少女2人が奥の扉から出てきたところだった。
少女たちは先程とは違い、パジャマから動きやすい服装へと着替えている。
テュルソスは、普段から店に出る制服である。
少しフリルが付いた白いシャツに、膝より少し長めの黒いフレアスカート、白いショートソックスに黒の革靴、それに黒いエプロンを腰に巻いている。飲食店らしい、シンプルな制服だ。
ウィリアムも同じような配色なので、大小コンビで統一してるのかもしれない。
アイリーンはというと、彼女の服は全て洗濯の為にテュルソスに奪われてしまったので、代わりにテュルソスの私服を貸して貰っているようだ。
羊のワンポイント刺繍が入った、水色のシンプルなシャツと、茶色系のチェックのパンツである。
しかし、サイズが合わないのか、シャツの胸回りはブカブカだし、丈も短かく、へそが見えそうだ。
パンツはウエストが少し余っているのか、ベルトできつく締め、そして裾が短く、七分丈になっている。
足元はそのまま、自前のブーツを履いているので、問題なさそうだ。
テュルソスはアイリーンから奪った、洗濯物を入れた大きなカゴを、軽く両手で持ち上げている。
あれで目の前が見えているのだろうか?
アイリーンはそれをオロオロと見つつも、どこか嬉しそうだ。
初めて友達から服を貸してもらって、どうやら内心では歓喜しているようだ。
テュルソスはそのまま、店の裏にある水場へと足取りも軽く進んでいった。
ウィリアムはアイリーンに声をかけ、カウンター前の椅子に座るよう促す。
呼ばれた少女は、名残惜しそうに何度もテュルソスを振り返り見ながら、椅子に腰掛けている。
なにもそんな長い間、引き離す訳でもないのに大袈裟だなと、ウィリアムは苦笑気味である。
この短期間で、よくもまぁこれ程懐いたものだ
ウィリアムはカウンター内に入り、ゴソゴソとなにかを準備をしている。
それをなんとなしに見ている少女は気持ちを切り替えて、これから話すべきことを考えているようだ。
しばらく後、アイリーンの正面に立ったウィリアムは今淹れたコーヒーを少女に差し出す。
自分用のコーヒーも置き、さてと。と、真面目な顔をして目の前の少女を見やる。
「まず、聞いておきたいのは…当代の勇者と巫女のことだが」
と言うと、アイリーンはビクッと肩を大きく震わせる。
そして、あ、あのと口ごもりながら、何か言おうとするのをウィリアムは遮るように
「逃げたな?」
と短く問う。
驚いた顔を向けるアイリーンにウィリアムは肩をすくめて、そうだろ?という顔だ。
アイリーンは思わず、俯きながらボソボソと話す。
「は、はい。ウィリアム様のおしゃる通りです。封印体の解放が判明した後、先生は直ぐに巡幸中の御二人を教団本部に召還したそうです。しかし、御二人はそれに応じず現在も行方がわかりません」
それを聞いたウィリアムはやっぱりなと自分の予想が当たったことにあきれ顔だ。
昨日、この少女に同じ質問をした時の反応を見れば、大凡検討がつく。
「まぁ。気にするな。お前が気に病むこたぁねぇ。よくあることだ」
アイリーンは目の前の大男が、こんな重要な事案を特に気する素振りも見せずに、しかも、よくあることだと、あっけらかんとしているのに、少し違和感を感じた。
教団の最高戦力であり、重大な使命であるお役目をもつ、勇者と巫女。
この2人が揃って行方不明なのである。
こんな大事件を気にするな。で片付けて良いものだろうか。
しかも、むしろ喜んでいるような…面白がっているような、そんな印象も受ける。
いったい何を考え、知っているのだろうか。
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勇者と巫女とは?そもそも封印教団とは?
その成り立ちについて、教団では一般信者向けに、または歴史の授業でこのように習う。
今から、300年程前、現在の聖ハズマ王国の前身であるハズマ王国に魔王が現れた。
魔王は残忍で、凶悪。
人々を殺し廻り、何百、何千の骸が積み重なる。
王国も魔王討伐を試みたが、魔王の力は強大で、何千人もの軍隊でも敵わない。
国王も逃げ、人々は絶望し、我先にと逃げ惑う。
そんなある日、1人の乙女が天に祈ると、神が乙女に力を授ける。
乙女はその力を使い、1人の騎士に護られながら、死闘を繰り広げ、ついに魔王の封印に成功する。
人々は、乙女を封印の巫女と崇め、彼女を護った騎士を勇者と讃える。
そして人々は、またいつか復活するであろう魔王を再び封印する為に団結する。
それが封印教団の前身[封印の巫女の会]である。
この[封印の巫女の会]は、あの災厄をまた起こさせない為に、神の力の研究を始める。
その後、研究が進む中、神の力は封印術と呼ばれ、この偉大な力が悪用されないように秘匿される。
同時に[封印の巫女の会]は当時の災厄で家を失った人々を助け、励まし、再び共に立ち上がろうと声をあげる。
それに賛同した人々が集まり、徐々に組織として大きくなっていった。
そして、当時の宗教団体等を取り込み、さらに大きな組織へと変貌していく。
巫女と勇者を有し、厄災から人々を守る組織…、封印教団と名を改めながら。
その後、王国内も徐々に復興していき、また以前の平穏が訪れる。
そんなある日、再び魔王が復活する。
あの災厄を知る人々は絶望し、恐怖した。また我先にと逃げ惑う。
しかし同時に思い出す、神の力で魔王を封印した、あの封印の巫女と勇者を…そして、自分たちには封印教団があることを…。
まず王国が軍隊を派遣したが、またもや、魔王の強大な力になす術なく壊滅。
封印教団が王国の要請を受ける形で、事態解決に乗り出す。
当時の封印の巫女と勇者を筆頭に、また死闘を繰り広げるのであった。
この時、封印教団は少なくない犠牲者をだしながらも、見事魔王の再封印に成功したのだ。
それを聞いた人々は歓喜した。
当時の封印の巫女、勇者、教団に感謝し、讃え、熱狂する。
この事件により、さらに封印教団は力を強めていくことになる。
その事件から数年後、ハズマ王国では国民の半数以上が封印教団の信者となっていた。
短期間に王国を2度救い、復興にも多大な貢献をしてきた組織である、国民の支持を得るのに時間はそう掛からなかった。
さらに数年後、日々増え続ける信者たちが、声高に主張する。
封印教団を国教にすべし!…その声は波となり、徐々に国内に浸透していく。
その時点で王国内のほとんどの国民が支持する封印教団を王国は無視できなくなっていた。
さらに王国中枢にも教団信者が多く存在しており、ついに王国は封印教団を国教に指定することとなる。
それを機に、国名も聖ハズマ王国とした。
こうして、封印教団は国内に絶大な影響をもつ組織へと成長したのであった。
ここまでが一般信者および、聖ハズマ王国民が歴史の授業で習う教団の成り立ちである。
テュルソスの制服は、酒場の給仕であるのと、メイドメイドしたものは好きではないので、極シンプルなものをイメージしました。
そして、やっと説明回にたどりつけました。
しかし自分の頭の中の設定を言語化して文章にするのがここまで大変だとは…
世の作家先生を再尊敬。
文章もいつも以上に拙いので、内容含め、これから推敲していくと思います。ご了承下さい。
次回も説明回です。ギャグはありません。




