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進化する女神:無限にスキルを書ける  作者: ライアン
運命を書き換える進化の女神
5/25

第5話:神聖インターフェース

静寂が訪れた。魔王ヴェルクラースが去った後、天音は目の前に浮かぶシステムを見つめた。

システムの下には、日本語の文字が並ぶキーボードが宙に浮いている。


彼女は頭を押さえながら、慎重にシステムに表示された内容を読み返した。



---


【現在の状態 – 神性進化システム】


【名前:天音セイレン】

【種族:半神】

【職業:神なる創造者・進化者】

【レベル:1】

【HP:100/100】

【MP:∞/200】

【筋力:6】

【敏捷:7】

【耐久:4】

【魔力:0】

【幸運:1】

【固有スキル:[神なる書き手 – Lv.1] ― ステータスボード上の任意のスキルを作成・改変し、レベルを変更する能力】

【状態:異常】

【潜在力:無限】

【追加スキル:なし】



---


「だからあいつ、私のこと女神って呼んだのか……」

理解した途端、彼女は頭を振り、叫んだ。


「嘘でしょ! 女神って!!」


「くそっ、女神って異世界転生した勇者を強化するあの存在じゃん?」

そう呟きながら、彼女は部屋の中をうろうろと歩き回る。


「まあ、オタクでよかった……みんなには隠してるけど。さて、『神なる書き手』ってことは、自分でスキルを作れるってことね。」

そう言いながら、天音は下に浮かぶキーボードに手を伸ばし、試しに簡単なものを入力した。



---


【ファイ_】

【ファイア_】

【ファイアボール_】

【エンター】


---


《おめでとうございます! 初めてのスキルを獲得しました》

【ファイアボール – 追加】

→【ファイアボール – Lv.1】


《任意のレベルを設定できます》



---


「うっそ、これ反則レベルのチートじゃん! 漫画でも見たことないんだけど!」

彼女は驚きに目を見開き、喜びと興奮で胸を高鳴らせた。

だが次の瞬間、立ち止まり、過去の記憶が胸を締めつけた。


「今は……スキルを育てることに集中しよう。考えるのはそのあとでいい。」


キーボードが数字の表示に切り替わった。

《レベル設定》


【1_】

【10_】

【100_】


「三桁までしか設定できないみたいね……まあ、これで十分。」


【エンター】


《レベル設定完了》


→【ファイアボール – Lv.100】



---


「よし、テスト開始っと。」

右手を握りしめ、希望を込めて掲げる。

彼女は拳にそっと口づけし、真剣な瞳で見つめた。


「今日、この瞬間から――私の物語が始まる。」

そう呟いた声は静かに響き、どこか現実離れした夢のようだった。


手を前に突き出し、今度は手のひらを開いて叫ぶ。


「ファイアボール!!」



---


右側に通知が現れた。

《ファイアボール – 発動》


手の前にサッカーボールほどの火球が現れる。

「すごっ、ほんとに出た!」

笑みを浮かべた瞬間、火球はさらに膨張を始めた。


「……もう、十分でしょ?」

だが彼女の言葉を無視するかのように、火球はどんどん大きくなっていく。


「ちょ、待って! 停止! キャンセル! 中止!」

何を言っても止まらない。


部屋の半分を埋め尽くすほどに巨大化した火球が、今にも爆発しそうになった瞬間――

天音は目を閉じて集中した。


次の瞬間、火球は霧のように消え去った。



---


「……あっぶな。マジでまた死ぬとこだった。」

真紅の瞳がゆっくりと開き、彼女は大きく息を吐いた。


金貨の山に向かって歩き、その上にごろりと横たわる。

目の前のインターフェースが彼女の姿勢に合わせて動いた。


「高レベルの攻撃系スキルは、今後控えたほうがいいかもね。」



---


【ゴーバック_】

【ゴーバックイン_】

【ゴーバックインタイム_】

【エンター】


→【ゴーバックインタイム – 失敗】



---


「だよね、そんな簡単にいくわけないか。」

失敗の文字を見つめ、彼女は苦笑した。


「やっぱり、まずは基礎的なものから試そう。」



---


→【身体強化 – 追加】

→【身体強化 – Lv.4】


→【ケア – 追加】

→【ケア – Lv.999】


→【解析 – 追加】

→【解析 – Lv.999】


→【転生 – 失敗】


→【収納 – 追加】

→【収納 – Lv.999】


《おめでとうございます! 6つ目のスキルを獲得しました》



---


「けっこう書いたな……」

床に転がる一枚の金貨に目を落としながら呟く。

「失敗したのは、さすがに強すぎたからかな。それにしても詠唱も魔法陣もないって……どういう仕組み?」


彼女は姿勢を正し、ふと思いついた。


「もしかして、『解析』を使えばわかるかも?」


ボロボロの服を見下ろす。

「はぁ……そういえばここ、剣で刺されたんだったわ。まあ、後でいいか。――解析!」



---


《解析 – 発動》


赤い瞳が淡く青く光り、月光のような冷たい輝きを放つ。

いくつもの通知が次々と現れた。



---


【概要】

神と魔の本質を融合させ、死すべき者の限界を超えた存在。

その魂は書き換えられ、天にも地獄にも属さぬ新たな形へと変化している。


【人格解析】

・神のごとき優越感を持ち、存在そのものを観測すべき構造として捉える。

・高次の理解力により、相手の動機・感情・弱点を瞬時に把握し、欺くことはほぼ不可能。

・不確定や敵意に直面した際、圧倒的な傲慢さを示す。


【神性特性】

・不老不死:寿命、病、自然死によって死ぬことはない。

・超越肉体:食事・休息・睡眠など、人間の基本的欲求を必要としない。

・神性安定:疲労・痛み・恐怖・絶望などの負の感情に完全耐性を持つ。


【起源】

【???】



---


「……これ、私?」

彼女は幽霊でも見たように目を細めた。


「はぁ……だから最近、性格が変わったのか。でも、不老不死って……そんなの、まっぴらごめん。」

彼女の嘆きが広い部屋に響いた。


しかも【起源:???】。

不安と疑問が胸を締めつける。


「まあ、簡単じゃないとは思ってたけどね。」

彼女は深く息をつき、まだ残る疑念を抱えたまま呟いた。



---


「そうだ、他のスキルも『解析』できるかな?」

期待に満ちた声を上げると、通知が再び現れ、瞳が青く輝いた。



---


【収納 – Lv.999】

【説明:】

使用者の魂と繋がった小さな次元空間を生成し、物体を自在に出し入れ可能。

Lv.999での内部容量は2000立方メートルに達する。


【効果:】

・レベルに応じた容量を確保可能。

・収納物は時間経過による劣化なし。

・思考操作で瞬時にアクセス可能。



---


「うわっ、2000立方メートル!? ほとんど城一つ分じゃん! さすがLv.999……情報量がエグい。」


立ち上がり、『収納』と口にする。


《収納 – 発動》


床に波紋が走り、透き通った光の立方体が彼女の前に形成された。



---


彼女は再びキーボードを呼び出し、文字を入力する。


→【念動力 – 追加】


「よし、成功!」


→【念動力 – Lv.999】


《念動力 – 発動》


全身が緑の光に包まれ、金貨や宝石がふわりと宙に浮いた。

それらは光る粒子のように輝きながら、次々と立方体の中へ吸い込まれていく。

宝飾品、金、武器――すべてが消え、部屋は完全に空となった。



---


「……よし。第一段階、完了っと。」

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― 新着の感想 ―
Xから来ました! う〜ん、かなりの数のスキルが出ましたが扱いきれるか難しい話になりそうですね。 今後に期待したいのでブクマ、星付けておきました。
クラスごと転移というのは転生系の中でも規模が大きいですね! 転生時には人形のようだった天音が、転生後にインフレ…という表現で良いかは分かりませんが、別人のようになり、さらにはスキルを自ら作成し始めると…
構成が非常に綺麗ですね。 世界のルール説明は概ね退屈なものですが“彼女”と一緒に学ぶ流れはかなり楽しめました。
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