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第八話 ゲーム

 そして一緒に第六章のボス、バーラムーアと戦う。例の救世主がラスボスを退けるが、それと同時に、「貴様らの力が知りたい」と言って戦いを挑んでくるのだ。


 その時は手を抜いているのか、この時の主人公たちの力でも善戦できる。

 第七章では修行を付けてくれるのだが、それはまた後の話だな。


 そして、バーラムーアの性質としてはつかみ攻撃が厄介だ。どこぞのバトル漫画でよく見るようなつかみ方をし、こちらを地面に叩き潰す攻撃が厄介で、やられたらもうHPの七割が削れてしまう。


 鈴奈自体は初心者だ。一応六章まで自力で進めているようだが、一人プレイと二人プレイは違う。二人プレイの場合、難易度は倍増するのだ。


 まあ、無理もないだろう。普通の難易度で二人プレイなんてしたら強敵も雑魚と等しくなってしまう。

 そしてこのボスもまた、強いのだ。おそらく今までのボスの中で一番難しいだろう。

 そして俺が軽く身構えていると、鈴奈がお気楽そうに「行っくよー」と、言ってゲームを開始する。


 そして幸先よく、俺がバーラムーアの攻撃を上手く避けながら、ダメージを与えてゆく。その効率良しで、早速必殺技を放ち大ダメージを与える。

 そしてHPゲージが削れるのを見て鈴奈が「よし!」と言った。

 だが、大変なのはここからだ。

 すぐに体制を取り直し、剣での一閃を放つ。その攻撃を間一髪でよけるが、すぐにつかみ攻撃され、俺のHPはすぐにぎりぎりまで減らされた。


「浩二君!?」

「すまん、結構削れたわ」

「むう、じゃあ私も」


 そして鈴奈が勢い良く攻めていく。「はあ、仕方ねえ」と、俺もそれに続いて攻める。


 バーラムーアは確かに強敵だ。油断したらやられる。だが、二人で冷静に戦ったら何とか勝てるレベルの難易度だ。二人プレイだから何度は上がっているとはいえ、所詮ストーリーイベントのボスなのだ。別にチャレンジモードのボスではない。

 それに俺はもちろんこのボスを一回倒している。二人プレイという事でボスの全体的な能力(速度も含めて)は上がっているが。


 そして、俺が上手く敵のヘイトを喰らう。これは前回と同じだ。


 そして、俺が敵の攻撃をよけている間にその背後で鈴奈が必死に攻撃をする。ここまではいい感じだ。だが、ここからは間違いなく今までとは同じようにはいかない。

 敵のHPが半分以下になった時、攻撃パターンが変わるのだ。すると、攻撃の範囲が広くなり、ヘイト対象がリセットされる。しかも、ヘイトをもらっても一定時間ごとにリセットされるので、一人だけに向けさせるのも難しくなるのだ。


 そして、早速バーラムーアは上に飛び跳ね、剣を地面に突き刺す。その衝撃はが周囲に飛んできた。俺は知ってるから何とか避けれたが、鈴奈は知らなかったからか、見事に攻撃を喰らってしまった、だが、大変なのはここからだ。


 衝撃波の次は黄色い波動が数発周囲に円形全方位にどんどんと飛んでくる。その攻撃を喰らったものはその場にスタンし、一定時間操作不可状態になってしまう。

 その場合、その間に大ダメージを喰らう可能性もあり危険だ。


 鈴奈は「うぅ」と、そのスタン状態になってしまった。「浩二君助けて」と懇願する鈴奈。

 仕方ない、必死で必殺技3を放ち、マヒ状態にさせる。

 そうすると、マヒで一瞬動きが鈍る。その間に、鈴奈のスタンが解ける。


「ありがとう」


 鈴奈がそう言う。そして、俺たちは再び攻撃を加える。そろそろ削り切れるはずだ。


 そして俺は「うおおおおお」と言い、剣での攻撃を複数回加える。そして、スキルを発動する。マジックポイントも大分たまってきた。今こそ……


「けずれろおお」

「こっちも!」


 そして俺のスキルに合わせて鈴奈もスキルを放つ。行けえええ。


 そして敵の体力はその攻撃でゼロへとなった。


「やったああ!!!」


 その鈴奈の言葉で俺たちは勝ったという事実をそのものにした。


「君たちの実力、それは大したものだ。お前の、いやお前たちの実力を認めよう」


 そう言われ、勝利のイベントストーリが始まる。そしてそのイベントストーリーは鈴奈の手によってあっさりと飛ばされてしまう。


「おい! 飛ばすなよ」

「だって……面白くないんだもん」

「読んでこそのストーリだろ、読んでこそのゲームだろ」

「えー、余命僅かな私にそんなこと言わないでよ。もう!」


 そう言う話じゃないだろ。はあ、


「てかさ、勉強しなくてもいいの?」

「お前がゲームに誘うからだろ。はあ、戻るか」

「そうするといいよ」

「どこから目線だよ」

「テスト前に人の家でたむろする人目線」


 そう言う鈴奈にもうそれ以上言わずに勉強に戻った。これ以上鈴奈に付き合ったらさらにめんどくさいことになる。


 そして集中すること三時間。もう五時になった時、部屋に鈴奈が入ってきた。


「どうしたんだ?」

「私……そろそろ帰るね」

「あ、ああ。じゃあまた明後日」

「……名残惜しいとかないの?」

「お前、ただ俺の家でゴロゴロしてただけだろ」

「え-。冷たいこと言うよね。浩二君って」

「……早く帰れ」

「はーい」


 そして鈴奈は帰って行った。

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