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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第一章 剣聖の弟子
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9話 剣士講座

「ゲンくーん!こっちだよ!」


 剣士講座の訓練場に行くと師匠がハイテンションでにこにこしながら手を振っていた。

 男子生徒の嫉妬の混じった視線が一斉にこっちを向く。


(師匠、もうちょっと考えてくれ)


 今ので男子生徒全員から敵対視された気がする。



 簡単に自己紹介して講座の授業が始まった


「まずは転入生の実力が知りたいです」


 一人の男子生徒が手をあげて発言した。

 たしか同じクラスのやつだったかな?


「そうだねぇ、じゃ、ゲン君と手合わせしたい人、一列に並んでくださーい!」

「ちょっと!何言ってんですか?」



 男子生徒のほぼ全員が並んでいた。



「じゃあ順番に行こうか?」


 師匠が声をかけると一人目の男子生徒が俺の前に立った。


「おい、新入り、ララ先生と親しいみたいだが、シアにもちょっかい出しやがって!」


 同じクラスの男子だったようだ。


「言いがかりだ」

「うるせえ!身の程をわきまえさせてやる」


 男子は『身体強化』を使って高速で接近してきた。

 そのまま上段から俺に向かって切り下ろす。


 俺は上から振ってくる剣を自分の剣で横に逸らし、そのまま突っ込んでくる男子生徒の腹に叩き込む・・・・と危ないので、そっと当てた。


 男子生徒は自分の勢いで俺の剣にぶつかってきて、うめき声をあげた。


「大丈夫か?すまん手加減の仕方が足りなかった」


 男子生徒は教官の一人が連れて行った。



 次の男子生徒が迫ってくる。


 「シアちゃんは俺の嫁だぁ!」


 こいつも同じクラスの男子か?

 やはり『身体強化』で高速で突っ込んできた。

 横から切り込んできたのでこれを躱し、振り抜かれた剣の後ろから剣を叩きつけて相手の剣を飛ばした。

 自分の手から剣が無くなってびっくりしてる。


 

 そんな感じで戦いを挑んでくる男子のほとんどが師匠かシアのファンだった。


 

 次に向かってきたのは女子だ。


「ララ先生にふさわしいのは先代勇者様だけよ!他の男が隣に並ぶなんて許せないわ!」


 ・・・何かの妄想を抱いている女子だった。


 真正面から打ち込んできたが、剣を躱して首の後ろに手刀を叩きこむ。

 俺は音もなく倒れ込む女子を受け止めて地面にそっと寝かした。


 

 ようやくこれで並んでいた全員と打ち合いが終わったかな?


「最後は僕だね?」


 さっき手をあげたやつだったか?


「じゃ、行くよ」


 いきなり目の前から消えた。

 『身体強化』の『加速』を使ったのだろう。


 俺は左後ろから切りかかって来たやつの剣を受け流し、カウンターを入れる。


 やつは高速で後退しそれを躱した。


「今のに反応できるんだ。さすがだね」

「お前も今までのやつらとは違うな?」


 再び目の前から消える。

 今度は背後から打ち込んできた。

 俺は振り向きざまにその刃を逸らし、剣を打ち込む。

 これも高速移動で躱される。


「うわ!今のは危なかった!後ろからの攻撃まで返されるとは思わなかった・・・」


 しゃべってる間に接近して切りつける。


「って!もう来てるの?」


 とっさに『身体強化』の『加速』で回避する・・・が俺はそれを予測して打ち込みを途中で逸らし、やつの進路上に剣を回していた。


「ごふっ!」


 見事に攻撃はやつの腹に決まった。


「すまん、加減してる余裕が無かった」

「いや、こっちも本気で仕掛けたんだから・・・仕方ない」

「あんたの強さは本物だった」

「ありがとう。僕は『キア』だ」

「さっきも自己紹介したが、改めて俺は『ゲン』だ。宜しくなキア」

「宜しくな!ゲン!」


 俺はキアと握手した。




「では、結果発表でーす! なんとゲン君の全勝でした!」


 ・・・だから師匠、みんなを煽らないでくれ。


「まともなのはキアぐらいだったが・・・こんなもんなのか?」


 俺は師匠に尋ねた。


「入学したての学生なんて大体こんな感じかな?」



「悪かったな、転入生、見くびってたよ」

「すごいなあんた、負けたよ。でもシアちゃんは譲れない」

「見てろよ!次は俺が勝つからな!」

「ねえ、彼、ちょっとカッコよくない?ちょっとストイックな感じだし」

「さすがララ先生がスカウトしてきただけの事はあったな」



 だけど講座のみんなの俺を見る目は少し変わった様だった。


評価ありがとうございます!

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