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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第一章 剣聖の弟子
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8話 初登校

「今日から学院に登校だね。一緒に行こう!」


 朝練の後、朝食を食べて登校の準備をしていたら、師匠が話しかけてきた。


「別にひとりでも行けるが?」

「私も今日は担当の講座があるんだよ。折角だから一緒に登校しよう!」


 何か保護者同伴みたいで恥ずかしいのだが、結局押し切られて、師匠と共に学院に向かった。



 学院の敷地内に入ると、案の定一斉に生徒たちの注目を集めていた。


「学院で勇者様に会えるなんて何という幸福。この学院に入って本当に良かった」

「今日は勇者様の授業が受けられる。何と有難い日だ」

「ララ先生、相変わらずお美しいですわ。でもあの若さで未亡人だなんて、本当にお可哀そう」

「剣聖様と先代勇者様の悲恋のお話が本になるそうよ」

「まぁ!それはぜひ読まなくては!」

「ララ先生と一緒にいる男は誰だよ?」

「あっ、でもよく見るとあの男の子かっこいいかも?」

「ほんとだ、見た事ないけど、どこのクラスだろ?」



「ふふっ、ゲンの事カッコいいって女子生徒たちが騒いでるよ!」

「いや、師匠の方が騒がれてるだろ」

「ゲンは、背も高いしイケメンだからきっと学院ではモテモテだよ?」


 俺は歳の割には背は高い方でガタイは良い。

 顔については考えた事が無かったが、両親ともそれなりに顔は整っていたので悪くはないのだろう。

 細かい傷はたくさん付いているが。


「俺は剣士になるために学院に通うんだ。女には興味ねえよ」


「人生の先輩としてのアドバイスだけど、恋愛は若いうちに思いっきり経験しておいた方がいいよ!本当に世界が違って見えるから!」 


 ・・・いや、既に経験してるし、世界が違って見えるってのも今現在実感しているところだ。


「まあ、ほとぼりが冷めたら考えてみるよ」

「・・・? ほとぼりって、何?」


「・・・こっちの話」



 

 校舎に着いたら師匠は講師控室に行き、俺は教室に案内された。


 教室で編入生として紹介され、軽く自己紹介した。



 休み時間になると、何人かのクラスメートが話しかけられた。


「ゲン様、お久しぶりです」


 その中で見覚えのあるピンクブロンドの女子生徒が話しかけてきた。


「えーと、あんた・・・シアだっけ?」

「はい!名前覚えていてくれたんですね!先日は本当にありがとうございました」

「いいって事よ、俺一人で助けた訳でもねえし」

「ふふっ、でもゲン様と同じクラスになれて本当にうれしいです」

「ああ、俺もクラスに知り合いがいて助かった。それと『様』はいらねえ『ゲン』でいい」

「はい!宜しくお願いします・・・ゲン」


 シアは少し頬を赤らめ恥ずかしそうに俺の名を呼んだ。


「よろしくな、シア」

 

 俺が名前を呼ぶとシアは嬉しそうに微笑んだ。



 シアはこのクラスの代表だそうで、しばらくはシアが俺の世話をしてくれるらしい。


 シアと話していると何人かの男子生徒に睨まれた気がする。

 まあ、これだけの美少女だ。好意を持ってる男子がいてもおかしくない。


 あらためて見ると、シアは本当に可愛い。

 あと数年したら師匠と同じぐらいきれいになるんじゃないのか?


「あの、顔を見つめられると恥ずかしいのですが?」

「いや、シアは本当に可愛いなと思ってな」


 シアは瞬間的に顔が真っ赤になった。


「えっ!えっ? 突然何言い出すんですか!?」


 あれっ?これナンパしてるみたいになってるか?


「いや、変な意味じゃなくて純粋にそう思っただけだ」

「それって、本心でわたしの事を可愛いと思ってると・・・」

「ああ、本気でそう思ってるが?」


 シアは更に真っ赤になった。

 あれ?俺なにか間違った事言ったっけ?


「もうっ、からかわないで下さいっ!」

「いや、からかったつもりはないんだが」


 しばらくしてようやくシアが落ち着いた。


「ゲンって、意外と女の子の扱いが上手いんですねっ」

「いや王都に来るまでほとんど女子と話した事は無かったが?」

「え?そうなんですか?」


 シアはなんだか少し安心したような顔をした。


「この学院は基本の授業の他に選択講座があるんです。ゲンは何を選択するか決めていますか?」


 この学院は将来仕事に就くための訓練校の意味合いが強い。

 選択講座は自分が目指す職業に必要な技能と資格を得るための講座になる。


「俺は『剣士』を目指してる。『剣士講座』一択だ」

「やはりそうですよね?この後、選択講座に分かれますので、ゲンは『剣士講座』の訓練場に行ってください」


 ちなみにシアは『魔法士』の講座メインに受講しているそうだ。




 シアから場所を聞いて俺は『剣士講座』の訓練場を目指した。



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