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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第二章 黒衣の魔女
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49話 目的地到着

 盗賊の頭を倒したところにシアとキアが戻ってきた。


「ゲン!大丈夫ですか?」

「ああ、こっちも今終わったところだ」

「馬車の後方にいた盗賊は全員片付けたよ」

「二人とも怪我しなかったか?」

「ええ、こちらは大丈夫です」

「たいして強くなかったから僕たち二人で余裕だったよ」


 馬車の後方にいた盗賊はシアとキアの二人で無事に捕獲していた。

 残りの盗賊も全員縛り上げていた。


「皆さんありがとうございます」


 シアが馬車の『結界』を解いたので、リィナさんが馬車から降りてやってきた。


「商会の人たちや積み荷は大丈夫か?」


「ええ、シアさんが『結界』を張って頂いたので、全く被害に会いませんでした。シアさん、その歳で『結界』が使えるなんてすごい人だったんですね」

「まだ覚えたてで、いろいろ制約はありますが役に立てて良かったです」


「ゲンさんの方はお怪我無いですか?」

「俺は無傷だ。で、こいつが盗賊の頭だ」


 俺は木の根元でぐったりとしてる盗賊の頭を親指で指さした。


「そうなんですね。では私達で拘束しておきます」


 リィナさんが商会の人たちに声をかけて、頭を縄で縛る様に指示した。


「拘束が終わったらわたしが治癒魔法かけておきますね」


 重症の盗賊は拘束した後、シアが死なない様に治癒魔法をかけていたらしい。


「程々でいいぞ、こいつは完治したら危険だ」


 盗賊の頭は全身から血を流している。

 俺が死なないギリギリのところまで切り刻んだからな。


「ゲンの方は結構接戦だったのかい?」


「ああ、頭は結構強かった。こいつらもいたから『ストーンブレード』を使わなきゃちょっと危なかったかもな」

 

 俺は周りで倒れてる盗賊の子分たちを指さした。

 子分たちは『ストーンブレード』の刃の無い側で薙ぎ払ったから死んではいない。


「封印してたんじゃなかったの?」

「訓練のために使わなかっただけだ。実戦で使わなかったら意味がない」

「そりゃそーだね」


「きれいな剣ですね。これが皆さんのパーティー名の由来になった『黒曜石の剣』ですね?」


 リィナさんが俺の背後に浮いている『ストーンブレード』を見ている。


「ああ、そうだ」


 俺は『ストーンブレード』を動かし、周囲を一回りさせて元の位置で軽く振るって静止させた。


「すごいですね!こんな魔法見た事ないです」

「師匠が作ってくれた、俺専用のオリジナル魔法だ」

「ララってば、ほんとに何でもありですね」

「ああ、次から次へと驚く事ばかりだ」


「これって時間がたっても消えないのですか?」

「破棄してもいいんだが、大して魔力を消費しないから今日はこのままにしておく」


 土系の魔法の生成物は魔力供給が切れると消滅せずにただの土や石になる。

 『ストーンブレード』は発動時に大量の魔力を必要とするが、その後はわずかな魔力で維持できる。

 維持するために必要な魔力量は、俺の魔力生成量よりも少ないので、実質的に俺は『ストーンブレード』を維持したままでも魔力が減らないのだ。

 実は念のため、盗賊との戦闘の前に発動して隠しておいたのだった。


「ほんとにみんな規格外なんですね、ララの周りの人たちは」




 商会の一行は捕獲した盗賊を引き連れて次の町まで移動し、盗賊たちを騎士団に引き渡した。


「いや、君たちお手柄だよ!この盗賊団は指名手配が出ていたんだ」


 どうやら俺達には報酬が出るらしい。


「しかも全員生存したまま捕獲したなんて!凶悪な盗賊だったから『生死は問わず』だったんだよ」


 なんだ、殺しても良かったのか。

 でもまあ人を殺しても寝覚めが悪いし、まあいいか。





 その後、いくつかの町を経由して目的地の町に到着した。


 あの後は、盗賊などには遭遇せず、『下級の魔物』に数回遭遇したのみだった。




 目的地は国境に近い辺境の領地にある強固な城壁に囲まれた町だ。

 そこの領主が今回の納品先という事だった。


 領主の屋敷に着いたら、夫人が出迎えてくれた。


「リィナ!久しぶり!長旅お疲れさま!」

「エル!久しぶりね!元気そうでよかった」


 どうやら二人は知り合いらしい。


「エル、紹介するね。こちら今回の護衛をしてくれた冒険者『黒曜石の剣』の皆さんで、ララの教え子さんたちです」


「皆さん、遠いところありがとう。この領地の領主の妻でエルと申します。リィナとララとは学院時代の親友よ」


「はじめまして、シアです」

「僕はキアと言います」

「俺はゲンだ」


「あれ?シアさんは前に舞踏会でお見かけしたような気がしますけど」

「あ、もしかしたらお会いしているかもしれません」

「やっぱり、貴族のご令嬢ですよね?」

「はい、第5階位の貴族の娘です」

「まあ、それなのに冒険者をやってるんですか?」

「思うところあって、自分を鍛えているところです」

「それは素晴らしいですね」


 シアとエルさんはすっかり打ち解けた様だ。


「さあ、皆さん、疲れたでしょうから、ゆっくり休んでください。夕食を用意しますので、その時にララの話でも聞かせてくださいね」


 俺達は各自、風呂で汗を流したり、部屋で休んだりした後、ダイニングに集合した。


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