表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第二章 黒衣の魔女
39/373

39話 中級討伐

 新生勇者パーティーは『中級の魔物』に遭遇した。


「シアさんは『シールド』を展開、ゲンとキアは左右に分かれて『棘狼』が向かってきたら避けて」


 『中級の魔物』の『棘狼』と遭遇した俺達はレンの指示で討伐を始めた。


 『棘狼』は狼の様な体形で、全身が尖った棘に覆われている。

 速度特化型の魔物で、『身体強化』の『加速』と同じことができる。

 離れた場所から一瞬で接近し強靭な顎と鋭い牙で相手をかみ砕くのだ。


 『棘狼』の移動開始と同時に、こちらも回避行動をとらないと即死する。


 全身の棘も強靭でふつうの攻撃では弾かれてしまう。


 『中級の魔物』の中でもかなり厄介な相手だ。



 俺とキアは囮として『棘狼』を誘導し、後の三人が魔法で攻撃を仕掛ける。


「うわっ!こっちに来る」


 『棘狼』はキアの方にターゲットを絞った様だ。


「回避しろ!」


 キアと『棘狼』は同時に加速に入った。


 次の瞬間、キアがいた場所に、『棘狼』が噛みついていた。

 

「あっぶな!これ、一瞬でも遅れたら即死じゃないの?」

「だから最初からそう言ってるだろ」


 そして『棘狼』に同時に10数本の『ホーリーアロー』が突き刺さる。


 ルナとシアが放ったものだ。

 シアの放った『ホーリーアロー』はまだ2本だが、魔法を同時に2つ放てる時点で、既に一般的な『魔法士』のレベルを超え始めている。

 10以上の魔法を同時に放てるルナが異常なのだ。


「ゲン、キア、もう一回お願い」


 レンの指示で俺達は再度囮として『棘狼』の前に出る。


 レンはシアやルナたちを守るための防御魔法『結界』を展開している。


 普通の防御魔法である『シールド』では『下級の魔物』程度の攻撃は防ぐことができるが、『中級の魔物』の攻撃となると防ぎきれなくなるのだが、レンの『結界』は中級の魔物の攻撃でも破る事は出来ないそうだ。

 しかも内側からの魔法攻撃は可能という優れモノだ。

 

 『シールド』は発動した位置に固定されたまま動かないが、レンの『結界』はレンの意志で発動したまま移動ができるらしい。


 『中級魔術師』便利すぎるだろう。


 『棘狼』は今度は俺の方をターゲットにした様だ。


 『棘狼』の特攻と同時に俺は『附加装備』のブーツの『加速』を利用してその場から離れる。

 同時に『棘狼』が俺のいた場所に食らいついたが、様子がおかしい。


 なぜなら、俺が『置き土産』を残しておいたからだ。


 俺の『ストーンブレード』を飲み込んだ『棘狼』はもがき苦しんでいる。


 腹の中を俺が『ストーンブレード』で切り刻んでいるからだ。

 さすがに刃が見えないのでデタラメに振り回すしかないのだが、十分に効果はあるようだ。


 『棘狼』はのた打ち回っている内にひっくり返り、腹を上に向けた。


 『棘狼』は背中側は硬い棘で覆われているため攻撃が通りにくいが、腹側には棘が無いので攻撃が通りやすい。


 そのタイミングを逃さずに、三つの『ウィンドスラッシュ』と一つの『アクアスラッシュ』が『棘狼』の腹を縦横無尽に切り裂いた。


 『ウィンドスラッシュ』はルナが、『アクアスラッシュ』はシアが放ったものだ。


 いずれもUターンを繰り返し、何度も『棘狼』の腹を切り裂いていく。


 やがて、ずたずたに切り裂かれた『棘狼』の腹を突き破って、『ストーンブレード』がとびだし、その亀裂から魔結晶が転がり出た。

 

 魔結晶を失った『棘狼』は動作を停止し、討伐が完了した。


「それにしてもグロ過ぎないか?」


 キアがぐちゃぐちゃに切り裂かれた『棘狼』の腹を見て口を押さえた。


 シアの方は魔法の制御に必死で集中していたため、それどころでは無かった。


「もう少しきれいにスライスした方が気持ち悪くないですね。今度からそうします」


 ルナがちょっとずれた事を言っている。


「シアちゃん、魔法の制御、上達しましたね。『アクアスラッシュ』を何度も往復できていましたよ」


「ありがとうございます。でも一つを制御するだけで精一杯でした」

「あれだけ出来る様になれば大したものですよ」


 シアは着実に上達しているな。


 練習では既に二つの『スラッシュ』の制御をやり始めているが、二つになると制御があやしくてまだ実戦では使えないそうだ。


 高速移動する刃を正確にコントロールするなんて確かに難しい。


 俺は軽量級の『スラッシュ』の制御は、ストレスが溜まるのであまりやりたくはない。

 すっかり重量級魔法特化型になってしまった。


 実は『ストーンブレード』は師匠が『ストーンスラッシュ』の魔法陣をアレンジして、俺専用に改良してくれたものだったりする。


 刃の形状や長さ、重量バランスを俺が使いやすいようにと調整してくれた。

 形状も『スラッシュ』系特有の三日月型ではなく、剣っぽい形だ。

 ご丁寧に発動の呪文も『ストーンブレード』に変更してくれた。

 しかも俺以外が魔法陣を真似ても発動しないプロテクト付きだったりする。


 魔法陣ってほとんどアレンジできないって話だったのに師匠、規格外すぎるだろ?


 師匠の固有資格である『魔法陣術士』って何なんだろうな。

 


 まあ、俺としては助かっているので構わないが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ