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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第八章 上級剣士
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303話 王子の婚約者

「シア!何故そこに座っている?ギル!これはどういう事だ!」


 国王と王妃の隣の席には、ギルとシアが座っていた。




 そこは・・・王族の座る席じゃねえのか?




 ギルとシアはそれこそ王族が着る様な豪華な衣装を身につけていた。

 シアは豪奢なドレスにその美貌が引き立てられて、まるで生まれながらの王女の様な風格に見える。




「不敬で有るぞ!控えよ!冒険者」


俺は四方から衛兵に槍を構えられた。


「何か事情がありそうだ、今は黙って様子を見よう」


「ジオさまの言う通りです。きっと何か理由があるはずです」


 ・・・ジオやヒナの言う通り、ここで騒いでもどうにもならないだろう。

 まずは状況の確認が先だ。


「失礼しました。話を続けて下さい」


 俺の返答に対して国王がうなずくと衛兵達は槍を下ろして下がっていった。




「さて、海の向こうの大陸の上級冒険者ゲンよ、そなた達三名で上級の魔物を討伐したと報告が来ているが、事実に相違ないな?」


「はい、こちらが証拠の魔結晶になります」


 魔物の魔結晶は川の底に沈んでいったのだが、あの後ジオが潜って拾っていてくれたのだ。


「おお!なんと巨大な魔結晶か!」


 魔結晶を見せると城内が騒然としていた。

 上級の魔物の魔結晶などそうそう見る機会なんて無いからな。


「あの魔物には長い間悩まされ続けていたのだ。討伐、誠に大儀であった。国を代表して例を言わせて貰う」

「その魔結晶は冒険者ギルドのとの規約によりその魔結晶は我が国で買い取らせて頂く」


 通常は国外遠征で魔物を討伐した場合はその国にある冒険者ギルドが引き取るのだがこの大陸には冒険者ギルドが無いらしい。

 今回の依頼は依頼主のこの国と冒険者ギルドの間で、個別に取り決めがされているのだ。


 今回の報酬はそれを元に冒険者ギルドから支給される事になっている。


「報酬は冒険者ギルドから受け取ると良い。それとは別に感謝の意味を込めて、今宵はそなた達のために宴を用意した。今日は永らく国を離れていた第二王子ギルが婚約者を連れて帰国しためでたき日でもある。思う存分楽しんでくれ」


 国王がギルとシアの方を見てそういった。


 やはりギルはこの国の第二王子だったみたいだな。

 そして、どうやらシアがその婚約者という事になっているらしい。

 何でそうなったのか、ここで問いただせる雰囲気でもなさそうだ。

 この後の宴で聞き出すしか無いか・・・




 国王達と一緒にシアが謁見の間から退席すると、俺たち三人は別の部屋に案内された。

 宴が始まるまでこの部屋で待てと言う事だった。


 宴に出席するに当たって衣装を用意したので正装に着替える様に言われた。

 俺は断ろうとしたのだが、用意されたかわいいドレスを見てヒナがどうしても着てみたいというので、仕方なく着替える事にした。




「ゲンさま!どうですか!」


 ドレスに着替え、髪をセットして化粧模して貰ったヒナがうれしそうに俺のところへやってきた。

 さっきのシア同様に、こうしてみるとヒナも生まれながらの貴族の令嬢に見える。


 ・・・いや、ヒナは元々貴族の生まれだったか?・・・


「ああ、よく似合ってる」


「ふふふ、さっきのシアさまとどっちがきれいですか?」


「・・・どっちもだ」


「ふふっ、そういうと思いました!ゲンさまもかっこいいですよ!」


 俺はこの国の騎士の正装らしき格好をさせられている。


「二人とも準備は出来た様だな」


 そこに現れたジオは、濃い青を基調としたシックなドレスに身を包んでいた。

 顔に化粧も施された様だが、まるでこの世の物とは思えない神がかった美しさを放っていた。


 例えるなら・・・そう、夜の女神と言ったところか?


「・・・わたしの負けです・・・」


 何やらヒナが勝手に自ら敗北を宣言していた。




 宴の会場に入ると、最初に俺たち三人が魔物退治の功労者として紹介された。


 紹介の後は、いきなり周りを人垣に囲まれ質問責めにあった。


 会場には着飾った女性も大勢いたのだが、その中でもヒナとジオの美貌は際だっていたから、当然の様にヒナとジオにいきなり求婚する者が後を絶たなかった。

 この大陸は多夫多妻せいなので、既婚者であっても普通に結婚を申し込んでくるのだ。

 一応、ジオは既婚者であり、ヒナは俺の婚約者である事を説明してやんわりと断ってはいたが、それでも諦めない者も数多くいたので結構めんどくさい。


 しばらくすると、会場に国王と王族達が現れ、その中にはギルとシアの姿もあった。


 最初に国王から声を掛けられ、しばらく話した後、ようやくシア達と話をする機会が出来た。




「これはどういう事なんだ?」


 俺はシアに問いかけた。


「ちょっと複雑な事情がありまして・・・」


 シアは気まずそうにそう答えた。


「込み入った話はここでは出来ないから別に部屋を用意したよ。宴の後でそこに来てくれ」


 ギルはそれだけ言うと、すぐに他の貴族に話しかけれてどこかへ行ってしまった。

 シアもこの場ではギルに同行せざるを得なかったらしく、一緒について行ってしまった。




 ・・・どうなってるんだ・・・一体?




 とにかく俺たちは宴が終わるのを待って指示された部屋に行く事にしたのだった。


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