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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第八章 上級剣士
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301話 討伐依頼達成

「すげえな・・・勇者って」


 俺はジオの勇姿から目が離せなくなっていた。


「はい、ジオさまは本当にすごいですけど・・・ゲンさま?・・・さっきからジオさまのエッチなところを見過ぎです!」


 そう、俺はジオの見てはいけない部分を凝視していたのだった。


「いや!違う!スケベな目で見ていたんじゃねえ!勇者のすごさに感心していたんだ!」


「その割にゲンさまのそれはとても元気になっていますけど?」




 ・・・確かに、俺の下半身は何も言い訳できない程元気な状態になっていた。




 そんな事を話している間にも、次から次へとジオにあてがわれた男達は皆、先程と同様に使い物にならなくなっては岸に放り投げられていった。


 魔物は残りの男達をジオの前に集結して次々とあてがい続けていたのだが、そんな男達に異変が起きていた。


 残りの男達は皆、股間の物が役に立たなくなっていたのだ。


 サイズが縮み柔らかくなって、折れる以前にふにゃっと潰れてしまう状態だ。




・・・そう、ジオの周辺に集められた男達はジオの母乳を浴びていた。

 その効果で興奮が冷めてしまっていたのだ。


 ようやくその事に気がついた魔物は、役に立たなくなった男達をまとめて岸に投げ捨てたのだ。




 そして魔物が次に狙うのは・・・そう、俺だ。

 残った触手が一斉に俺の方に向かってきた。


 しかし、俺もただ見ていたわけではない。

 ジオが時間を稼いでいてくれた間に、魔物を倒すための準備を完了させていたのだ。


「くらえ!特性ストーンランサーだ」


 俺の前には特大サイズのストーンランサーが準備してあったのだ。


 ただ、いつもと違うのは中央部分が膨らんだ形をしているという点だ。


 俺はその特製ストーンランサーを至近距離から魔物の本体にぶち込んだ。


「ヒナ!跳ぶぞ!」


 俺とヒナは、ストーンランサーを発射すると同時に、ジオがいる川岸へとジャンプした。


 ストーンランサーを打ち込まれた魔物は、お構い無しに俺たちに向かって触手を伸ばしてきた。


 そう、いつもの俺のストーンランサーは貫通力は高いが、体積の大きな魔物にとっては致命傷にならない。

 

 運良く魔結晶を貫けば良いが、今回の魔物の様にどこに魔結晶があるのかわからない魔物が相手では偶然当たる可能性は極めて低い。


 だから今回のストーンランサーにはある細工が施してある。


 俺の放ったストンランサーは、最後部に引っかかりがあるため、貫通せずに魔物の体内に留まっている。

 もちろんそれだけでは上級の魔物にとっては致命傷にはならない。


 問題はここからだ。


「ヒナ!今だ!」


 俺はヒナに合図をした。


「ふふ、わたしとゲンさまの共同作業ですね!」


 ・・・変な言い方をするなよ。


 そう、これはただのストンランサーでは無い。


「いきますよ!えいっ!」


 ヒナのかけ声とともに、魔物の体内でストーンランサーが爆発したのだ!


 魔物はストーンランサーの空けた穴から体液を吹き出しながら、やがて内部の圧力に耐えきれなくなって全身を覆う殻に亀裂が入り、四方八方に爆散したのだった。


 俺たちの方に跳んできた破片はジオがちぎれた触手を振り回して防いでくれた。


 俺とヒナもジオが取りこぼした破片を剣で次々と弾いている。


 それにしても・・・予想以上の破壊力だった。

 巨大な魔物は跡形も無く粉々に飛び散ってしまったのだ。


「見事だな。どうやった?」


 ジオが俺に尋ねた。


「ストーンランサーの中に空洞を作り、そこにヒナの風魔法で圧縮した空気を溜め込んだんだ」


「それを魔物の体内で一気に解放したんです!」


「なるほど、よく思いついたな」


 これは二人の亜魔女が揃ってこそ実現できた技だ。


 しかし欠点は準備に時間がかかるため、今回の様に思いっきり油断をしている相手でないと使う機会が無いと言う事だ。


「でもこれって・・・結構危険な技でしたね?」


「そうだな・・・堅い殻に覆われた魔物が破裂した際に、飛び散った殻の破片をどうするか考えてなかった」


「今回はジオさまが気転を効かせて防いでくれたから良かったですけど、使い方には気をつけないといけないですね」


「だが、戦い方を常に考え工夫する事は良い事だ。とにかく今回はおまえ達の手柄だ。よくやったな」


 ジオのおかげという側面が大きかった気もするがジオにそう言われるとまんざらでも無かった。


「それよりもジオさま!早く水着を着て下さい。ゲンの目線がさっきからずっとジオさまの体ばかり見ていますよ!」


「そっ、そんな事は無いだろう?」


「いいえ、さっきからずっとジオさまの胸とあそこばかり交互に見ています!」


 ・・・言われてみれば不覚にも無意識のうちに目で追っていたかもしれない。


「わかった、すぐに着てくる」


 ジオはそう言って投げ捨てた水着を拾いに行くと素早く身に付けて戻ってきた。


「これで大丈夫だな」


 ・・・いや、水着姿も十分に色っぽいのだが・・・




「それにしても、あっさりと今回の遠征の目的を達成しちゃいましたね。シア様とギル様は出番無しでしたね」


 そういえば本当にこれで任務は完了なのだろうか?


「一度王都に戻って報告をしよう。シア達も王都に着いているかもしれない」


「そうですね、そうしましょう」


「そういえばあいつらはどうするんだ?」


 川岸には魔物の被害(ジオの被害?)に遭った男達が積み上げられていた。

 殆どは昏睡状態だが、股間を押さえ苦痛にもだえている男も何人かいた。


「自業自得な気もするのでほっといても良いんじゃ無いですか?」


 ヒナは自分目当てでわざと魔物に捕まった男達に辟易していた様だ。


「そうだな、今はこのままにしておいて、後でシアに治療に来させよう」


 さすがに股間のものが折れたままではかわいそうだが、少し反省する時間があっても良いだろう。




 俺たち三人は積み上げられた全裸の男達を残して王都に向かったのだった。


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