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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第八章 上級剣士
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299話 魔物の目的

 俺とジオはシア達の到着を待たずして、二人でヒナの救出に向かった。

 村長には王都に報告を頼んだのでシア達が王都に到着したら状況はわかるだろう。


 川は海から王都までは高低差があり比較的流れの早い箇所もあったが、王都から先は平坦で流れも緩やかになっていた。

 川沿いに街道が続いているので魔物の目撃情報を入手するために、川を泳がずに街道を走って行く事にした。


 街道には所々に町や村があり、魔物の情報を確認出来た。

 ただし、最初の村と一緒で残っているのは老人ばかりだった。


 魔物は上部を水面から出して、拘束した人間が溺れない様に水上で拘束していた。

 下着姿の少女と大勢の全裸の男が捕まっていたというのは、誰もが証言していた。


 中には何で魔物はあの少女の下着をいつまでも脱がさないんだと逆ギレしている奴もいたが知ったこっちゃない。


 ・・・しかし、聞く度に魔物に捕まっている男性の数が増えている気がするのだが、気のせいでは無いのだろう。

 ヒナが捕まっているのを見た男性が、変な下心でわざと魔物に捕まっているに違いないのだ。


 どうやらあの魔物は普段は事が済むと捕らえていた男女を一旦全て解放し、再び新たな男女を求めて彷徨い出すそうなのだが、今回は誰もヒナと事を構える事が出来ないため、エンドレスで男を捕らえ続けている様だ。


 附加装備の水着のおかげで貞操は守られているはずだが、周りを欲情した無数の男性で囲まれたヒナが、過去のトラウマを呼び覚まされないか心配でならない。


「魔物を見つけたら最速でヒナを救出するぞ」


 俺の心中を察してくれたのだろう。

 こういう時のジオは本当に頼もしい。


 ・・・しかし、またしても本物の勇者と自分の差を見せつけられた気がした。


 


 そんな事を考えながら川上へ向かっていくと、程なく例の魔物らしき触手の群れを見つけた。




 本体は水中に潜んでいるが捕まえた人々と触手は水上に出ているので、まるで川から生えた草むらに人が大勢からまっている様にも見える。




「ヒナ!無事か?」


 触手に捕らえられた人達の奥にヒナの姿を見つけた俺はヒナを呼んだ。


「ゲンさま!助けに来てくれたんですね!」


 ヒナはすぐに俺の声に気づいた。


「ヒナ、ひどい事はされてないか?」


「はい!この人達と何度も無理矢理関係を持たされそうになりましたが、この水着のおかげで大丈夫です!ゲンさま以外の人には絶対に体を許しませんから!」


 ヒナの周りは触手に捕らえられ、衣服を剥ぎ取られて全裸にされた男達で囲まれている。


 魔物の触手はその男達を次々とヒナに当てがおうとしているのだが、うまくいかずに魔物は少しいらついている様にも見える。


 時折ヒナの水着を脱がそうと試みているのだが、どうしても脱がす事が出来ずにいるのだ。

 あの水着はヒナ自身が自ら脱ごうとしない限り脱げない仕組みになっているからな。


 師匠の作った水着は良い仕事をしてくれた様だ。




 ・・・しかし、この状況でヒナをどうやって助けるか?


 攻撃を仕掛け様にも、捕まえた男達を人質として盾代わりに配置しているから一筋縄にはいかない。


 時間がかかるが一人ずつ周りの男達から救出するしかないか?


 ・・・どうしたら良いものか?




「俺が囮になる。その隙にヒナを助けて二人で魔物の本体に攻撃しろ」


 ジオはそう言うと、いきなりパレオ風の服を脱ぎ捨て、水着姿になって川岸に立った。


「おい!魔物!孕ませるならその娘でなく俺にしろ!」


 ジオがそう叫ぶと魔物の触手と男達が一斉にジオに注目した。


「おまえが邪魔に思っているこの水着なら脱いでやる」


 ジオはそう叫ぶと、おもむろに腰の水着に手をかけ、魔物と男達が見ている前で一気に水着をずり下ろしたのだ!


 下半身が露わになったジオは両足を開いて力強く地面を踏みしめると、今度は胸の水着を掴み思い切りよく剥ぎ取って投げ捨てたのだ。


 胸を張り腰を前に突き出した姿勢で、ジオは両手を大きく開いて力強く川岸に立っていた。


 思いっきり手足を開いて立っているため、その豊満な胸や大事なところの全てが、魔物や捕らわれている男達の方から丸見えになってしまっている。


 それを見た男どもが一気に興奮状態になったのが手に取る様にわかる。


 目の前で絶世の美女が全裸になって大の字で立っているのだ。

 興奮しない訳がない。


 俺でさえ思わず欲情しそうになるところを必死にこらえているのだ。

 

 ・・・いや・・・不覚にも俺の股間はそれ見た瞬間に既に硬くなってしまっているのだが・・・


「何やってんだ?ジオ」


「俺が捕まれば魔物は俺を彼らと交わらせ様とするはずだ。その隙にヒナを救出しろ」


 ・・・何て無茶な作戦を考えるんだ。


「ジオはどうなるんだ」


「俺なら大丈夫だ」


 ・・・大丈夫って、附加装備の水着まで脱ぎ捨ててしまったら完全に無防備じゃねえか?


 しかし、言っている間にも触手は一斉にジオに襲いかかっていた。


 ジオはあえて抵抗していないのか、あっさりと触手に両手両足を絡め取られてしまった。




 そして両手両足を四方に引っ張られたジオは、更に足を大きく開かされて拘束されてしまったのだった。



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