295話 勇者との関係
「んむっ」
ジオの発した可愛らしい声と同時に、俺は先端に得も言われぬ柔らかくて暖かい感触を感じていた。
下を見ると・・・・・あろう事か、不覚にも肥大してしまった俺の先端が、丁度そのタイミングで立ち上がろうと体を少し前傾にしたジオの唇に当たってしまったのだ!
俺の先端に口づけをしたまま、ほんの少し困惑した表情で上目遣いに俺を見上げるジオの表情が、なんともいじらしく、かわいく見ててしまって、一瞬俺の中の何かのたがが外れてしまいそうになる気がした。
「すっ!すまん!」
俺は慌てて後ろに下がった。
・・・ほんの少しだけ、そのまま腰を前に突き出してしまいたかったという気持ちが無かったと言ったら噓になる。
それくらい魅惑的な感触を必死に振り払って、何とか後ろに下がる事が出来た。
「いや、俺の方こそすまなかった」
なぜかジオに謝られた。
「シアかヒナの事でも考えていたのだろう?俺もララと離れていた時は夜になるとララの事を思い出して時々そうなる事があった。男とはそういうものだという事を俺もララを好きになってから理解する事が出来たのだ」
・・・またしても俺の事をフォローするつもりで、惚気と精神攻撃をかましてきた。
「そういう訳では・・・いや、その通りだ」
否定しようとしたが、それでは俺がジオに欲情してしまった事を暴露する事になってしまう。
ここはあえて否定しない方が得策だろう。
「ああ、ジオの体を見ていたらシアとヒナの体を思い出してしまった」
「はは、しょせん俺の体は偽物だ。シアやヒナの魅力には及ばんだろう」
・・・ん?ジオは自分の裸では俺が欲情しないと確信しているような発言だな?
「それにしても大した大きさだな。以前の俺やシンでもそこまで大きさには至らなかった。よほどシアたちに対する愛情が強いのだな」
・・・いや、だからこれは不覚にもジオの裸を見て欲情した結果なのだが・・・その理屈だと俺がジオの事を強く愛している事になってしまう・・・
「明日には必ず二人に合わせてやる。そのためにも俺たちは早く寝よう」
そう言ってジオは俺の前にすくっと立ち上がった。
・・・いや、言ってる事とやってる事が矛盾してるだろ?
俺が混乱していると・・・突然雨が降って来たのだ。
・・・ん?さっきまで星空だったのに?
上を見ると相変わらずの星空だったが、俺たちの上にだけ雨が強く降っているのだ。
この雨はジオが魔法で降らせているのだろうか?
そして目の前ではジオが手で自分の体を擦り始めていた。
ジオが自分自身で行為を始めちまったのかと思ったが・・・
・・・これは・・・体を洗っているのか?
「どうした?お前も早く体を洗え」
・・・行為の前に体をきれいにしないと駄目な潔癖症タイプなのだろうか?
「海水や汗が付いたままだと、体がべたついて熟睡できないだろう?ララから教わったのだが寝る前には体をきれいした方がすっきりしてよく眠れるぞ」
・・・どうやらジオは単に寝る前に風呂に入りたかっただけの様だ・・・
確かに・・・行為をするなら、水着は脱がなくても良かったはずだ。
むしろ避妊という意味では着たまま方が良かったはずなのだ。
ジオが俺の子を身籠りたいなど思うはずもなく、冷静に考えたらわかる事だった。
俺一人が勘違いして勝手に動揺していただけだった。
俺は自分の体を洗いながら、興奮がしだいに治まっていった。
うっかり目の前で全裸で体を洗っている美少女が目に入ると再び興奮しまいそうなので、出来るだけ視界に入らない様に気を付けながらだったが・・・
俺が全身を洗い終わる頃には、ジオは脱ぎ捨てた自分の水着と、ついでに俺の水着も洗っているところだった。
「もうすぐ洗い終わるから待っていろ」
「ああ、すまない」
俺はそれを見ながら、何においてもジオに及ばない自分に軽い自己嫌悪に陥りそうになっていた。
「どうした?顔色が悪いぞ?もし不安で眠れそうもないというなら俺の母乳を飲むか?ララと同じで俺の母乳には鎮静作用がある」
ジオがそう言って片方の胸を手で持ち上げたのだ!
はちきれんばかりに膨らんだジオの胸は、グイっと持ち上げられた事により、先端の突起から僅かに白い液体がにじみだしていた。
その様子は何とも官能的だった。
・・・これは直接咥えて飲め、という意味なのだろうか?
思わずむしゃぶりつきたくなる衝動が全く無かったかと言えば嘘になるが、未だ全裸の美少女を目の前にしてそんな事をしたら歯止めが利かなくなるのではないかという気がした。
「いや、大丈夫だ」
「そうか・・・実は先日大量に授乳してから乳の出が良くなりすぎて困っていたのだ。最近は入浴時にシアとヒナに飲んでもらっていたのだ。だから今夜はどうしようかと思ってな」
「あいつら・・・夜な夜なそんな事をしていたのか?」
「何でも俺にあやかりたいとか何とか言って、二人で争う様に飲んでいたぞ」
・・・そんな二人の考えている事が手に取るように分かる気がした。
「しかし無理強いは出来んからな。もったいないが今夜は捨てる事にしよう」
ジオがそう言って乳房を揉むと、乳首から母乳が噴水の様に噴き出していた。
それを見ていた俺は、母乳を捨てるという行為になんだか背徳的な物を感じてしまった。
「・・・いや、捨てるくらいなら俺が飲んでやってもいいぞ」
「本当か?それは助かる」
「ただし直接口は付けないからな。口の中に噴き出してくれ」
「わかった。では口を開いて構えてくれ」
「こうか?」
俺は顎を上げて口を大きく開いた。
「ああそれでいい」
ジオは俺に近づくと俺の口の前に乳首を構えて乳房を揉みしだき始めた。
すると俺の口の中に何やらほんのり甘い液体が飛び込んできた。
・・・なんだこれは?母乳というのはこれほど甘美で旨いものだったのか?
てっきりもっと味気ないものだと思っていたが・・・
・・・師匠の母乳も同じ様に旨いのだろうか?
ついそんな事を考えてしまった俺は、師匠の母乳を飲んでいる様な錯覚に襲われていた。
そして次第に気持ちが落ち着いて強烈な睡魔が襲ってきた。
・・・俺の意識は不思議な安心感に包まれ、眠りに落ちていったのだった。




