286話 海の魔法
今度は目の前で、シアが一糸まとわぬ姿になってしまった。
その大きく足を開いた体の中心には、秘密の花びらがその姿を露わにして見事に咲き誇っていたのだった。
シアの水着はさっきのヒナと同じ様に、俺の目の前で次第に透明になり、すぅっと消え去ってしまったのだ!
一体どうなってるんだ?この水着は?
油断していたために、これも思いっきり直視してしまった!
しかもさっきまで俺が入り口を押し広げていたために、シアの花びらはヒナよりも大きく咲きほころんでいたのだ!
今の俺はこれを長時間直視する事に堪えられない・・・直感的にそう感じた俺は、咄嗟に視線を逸らし、そのまま、直視し続ける事だけは避ける事が出来た。
これは、厳しい修行を続けてきた俺の戦闘に係わる本能がこの危機的状況で咄嗟に判断した結果なのだろう。
そう・・・俺の中で今二つの本能が相反する行動を俺に課そうとせめぎ合っているのだ!
だが、危機は去ってはいなかった。
正面を向いたその場所には、そもそも全裸のヒナがいるのだ!
・・・そう俺は今、全裸で足を大きく広げた体勢の二人の美少女に挟まれているのだ!
そして、限界を超越した状態の俺の象徴の先端は・・・今まさにヒナの花びらの中心に吸い込まれようとしているところだった!
「ヒナ!何としても侵入を我慢しろ!」
「何言ってるんですか。わたしはこのまま受け入れるつもりですよ?」
「バカ!本当に入っちまうぞ!」
「だからそのつもりですってば!」
・・・ヒナに抵抗する気は無かったらしい・・・
今度はさっきのシアと時と違って水着も無くなっている。
その上ヒナに抵抗する意志が全く無いとなれば、あっさり入ってしまう可能性が非常い高いだろう。
「いいのか?ヒナはこんなシチュエーションで?」
「わたしはどんな状況であってもゲンさまと結ばれるならそれで幸せです!」
「ヒナさん!わたしが先だって約束してくれたじゃないですか?」
「シアさま、ごめんなさい。でもこれは不可抗力なので仕方ないですよね?魔物に襲われたために起きた不幸な事故です」
ヒナはてへぺろしながらシアにそう言った。
・・・こいつ、確信犯だな?
「ずるいです!ヒナさん。わたしもさっき我慢しなければよかったです」
シアが悔しがっている。
「さあ、ゲンさま!一つになりましょう!触手さん!お願いします!」
触手はじりじりと俺とヒナの距離を詰めている。
必死に抵抗しようとしてはいるが、やはり力ではどうにもならない。
そしてついに俺は肥大して敏感になったその先端に、とろける様な甘美的な感触を感じた。
「「あっ!」」
俺とヒナは同時に声が出た。
ついに先端がヒナの花びらに接触してしまったのだ!
俺の方は水着を装着してはいるものの、この水着は肌の感覚をそのまま伝えてくれるのだ。
先ほどのシアは俺の侵入を食い止めるために力を入れていたのがわかったが、ヒナの方は全く抵抗せずに俺を受け入れようとしているのがわかる。
サイズの問題は有るにしても、このまま触手が力を込めて俺を押し込んでしまえば、おそらくヒナの中に入ってしまうだろう。
・・・ダメだ・・・もう抵抗する術がない・・・
諦めかけたその瞬間、海中から何かが飛び出した。
それは水中をありえない程の高速で接近し、海上に飛びあがると一瞬で触手を切り裂き、再び海中へと潜っていったのだ!
それは大きな魚の様にも見えたが、手に持った剣を振るっていた様にも見えた。
そして水中で方向転換すると再び海上に飛び出し、触手を切り裂く。
それを数回繰り返すうちに、俺達三人を拘束していた触手は全て断ち切られていた。
俺とシア、それにヒナの三人は、触手から解放されて海に落ちた。
「大丈夫か?」
海上に顔を出した俺の前に現れたのは、ジオだった。
「あんたが助けてくれたのか?」
「ああ、そうだ。あとの二人が浮かんでこない。助けに行くぞ。捕まれ」
ジオが手を差し出したのでそれを掴んだら、突然期中に潜り始めた。
・・・これじゃ息が出来ない・・・いや・・・出来るぞ?
深呼吸をする間もなく水中に引きずり込まれた俺は、呼吸が出来なくなるかと思いきや、府不思議な事に水中でも息が苦しくないのだ。
そして隣を見ると、ジオは下半身が魚だった。
・・・これは?魔法か?
物語に出て来る人魚の姿のジオは、その強力な尾ひれで水中をぐんぐん進んでいく。
やがて目の前に沈んでいくシアとヒナを見つけた。
二人共気を失っている様だ。
早く助けないと!
ジオが二人の近くまで泳いでいくと速度を落とした。
俺がシアを抱きかかえるとジオはヒナを抱きかかえた。
シアは気を失ってはいるが心臓はしっかり動いているし呼吸もしていた。
・・・ん?呼吸してる?
そういえば俺もさっきから水中で呼吸していた。
どうなってんだ?
そんな事を考えているとジオが俺の手を引っ張って上昇を始めた。
俺はシアを落とさない様に片手でしっかりと抱きしめた。
全裸のシアが俺の体に密着する。
その感触に、ドキッとしたが、しっかり抱きしめていないとジオの泳ぐ速度の水圧で持って行かれそうになる。
俺はシアをギュッと自分の体に押し付けた。
その感触を堪能する間もなく、あっという間にジオは海面に到達し、そのままの勢いで空中へと飛び上がったのだった。




