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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第八章 上級剣士
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281話 砂浜と水着

「わあ!誰もいない砂浜ですよ!わたし達の貸し切りです!」


 それは確かに貸し切りだろう。

 ここは海水浴場として整備された場所ではなく、ただの天然の砂浜なのだから。


 当然辺りには海水浴のための設備も何もない。


「ところでヒナ、こんな何もない場所でどうやって水着に着替えるんだ?」


「何もないですけど誰もいませんから、そのままここで着替えても大丈夫です」


「いや、俺達がいるだろう!」


「あはははは、ゲンさまなら見られても平気です。というか見てもらう約束ですよね?」


 ・・・そういえばそんな約束してたな・・・


「あっ、でもギルさまはダメですよ!わたし達が着替える間、後ろを向いていて下さい!」


「ああ、もちろんだとも。レディの着替えを覗くような紳士に有るまじき行為は絶対にしないと誓おう」


「俺だって見ねえよ!後ろを向いてるから早く着替えろ!」


「折角ゲン様に見てもらおうと思ったのに・・・残念!」


 ヒナがぶつぶつ何かを呟きながら着替えていた。


 シアとジオも同時に着替えているみたいだ。


 ・・・っていうか、ジオはもう普通にシアやヒナと一緒に風呂に入ったり着替えたりするのが当たり前になっているんだが・・・本当にこれでいいのだろうか?




「着替え終わりましたよ!もうこっちを見てもいいですよ!」


 ・・・前にこのパターンですぐに振り向いたら全裸だった事があったよな?


 それからは迂闊にすぐには振り向かない様にしているのだ。


「おおおおお!まさかこれは!」


 しかし、俺の隣で遠慮なくすぐに振り返ったギルが感嘆の声を上げている。


 ・・・まさか!本当に全裸のままじゃねえだろうな?


 俺も急いで振り返った。




 ・・・そこには・・・




 全裸ではなく、しっかりと水着に着替え終わった三人が立っていたのだが・・・




 ・・・なんというか、三人ともとんでもなく魅力的だった。




「どうですか?ゲン」


 シアが少し恥ずかし気に俺に聞いた。


「・・・いや・・・きれいすぎてびっくりした」


 うまい言葉が出てこなかった。


 三人とも共通して布地が少なめ肌の露出面積の多い水着だったが、それぞれスタイルの良い体形を最大限に生かしたデザインになっていた。

 各所にフリルなど装飾を施しつつも、体の局部的なラインは強調されており、ある意味全裸よりも魅惑的でもあるのだ。


 うっかり油断して見とれていると、いけない気分になって体が反応してしまいそうになる。




 ジオの水着は先日増量した胸のサイズを見事に生かしたデザインになっていた。

 このデザインは胸の大きさにマッチングしていないと下品に見えてしまいそうなところ、絶妙に上品さを醸し出している。

 この水着を出発前に用意したという師匠は、ジオの胸が増量する事を予知していたのではないかというくらい、今のサイズにフィットしているのだ。

 特に巨乳に強い思い入れの無い俺でさえ、ジオの大きな胸に強い魅力を感じてしまう程だ。




 ヒナの水着は、全体的にフリルが多くてかわいらしいデザインだ。

 幼い外観の割に、最近胸や腰回りに丸みが増してきて、女性らしいメリハリが付き始めてきたヒナの体形を見事に生かしている。

 最近少し増量して、ふんわりと柔らかそうに膨らんだヒナの胸に、つい顔をうずめたくなる衝動にかられそうになる。




 そしてシアの水着は全体的にスリムなシアの体形を生かしたデザインだ。

 シルエットだけを見たらほぼ全裸と変わらないのではないかというくらい薄い布地で出来ている。

 シアの裸はこれまでに何度も見ているが、全裸のシアの体形は本当に芸術品の様に美しい。

 隠してしまうのがもったいないほどの美しさなのだ。

 しかしこの水着は、肝心な部分を隠しながらも、体形の美しさを一切損なわせる事なく、ある意味それ以上に引き出しているのだ。


 特に胸の部分は、シア本来の絶妙な大きさ、位置、そして形状が見事にそのまま浮き出しているのではないだろうか?

 今のままでも十分に美しいというのに、さらに高みを目指し成長したいという強い意志を感じるその姿は、まさにシア自身の縮図と言っても過言では無いと言えるのではないだろうか?

 そんなひたむきで真摯な姿に愛おしさを感じない訳がないのだ!

 その、努力を隠そうとしつつも隠しきれていない今の水着姿は、更にそのいじらしさを増強しているのだ!




 俺はあえて言いたい!




 俺にとって究極の胸と言えるシアの胸を、俺は今、この上なく愛おしいと思っている事を!




「本当にきれいだ、シア」


 だが実際にはそんな大層な事を口に出す事は出来ず、ありきたりのあっさりとした誉め言葉しかシアにかける事ができなかったが・・・


「ありがとうございます!」


 シアは顔を赤らめながら恥ずかしそうに喜んでいた。


「今、ゲンの『小さい胸が好き』という発言が、偽りない真実の言葉だという事が確信出来ました!本当に嬉しいです!」


 言いながらシアは目を潤ませながら顔が真っ赤になってしまった。




 ・・・なん・・・だと?


 またしても俺の心の内を読んだのか?




「いやあ、本当に三人とも美しいねえ!それぞれが皆、魅力にあふれているよ。そして、ゲン殿・・・こういう時のゲン殿は本当に考えている事が全て表に出てしまうのだね?僕にもゲン殿の考えている事が手に取る様にわかったよ」


 俺の隣でギルが語り始めた。


「なんだと?」


「まずはジル殿の胸を見た時は、巨乳に興味は無いと言いつつも、意外と巨乳も悪くないかもしれ無いと思い直していたね?」


 ・・・いや、確かに不覚にもそう思っしまったが・・・


「そしてヒナさんのふんわりと柔らかそうな胸に顔をうずめたいとか考えてたよね?」


 ・・・なんでわかるんだ?こいつ・・・


「最後にシア殿の胸を見て、やっぱり自分の理想の胸はシア殿の胸だと再確認して満足な気分に浸ってたよね?」


 ・・・いや、だからどうしてそこまで俺の考えている事が正確にわかるんだ?


「違うかい?」




 ・・・いや、違わないんだが、どう答えりゃいいんだよ?




「わたしもゲンさまの気持ちが手に取る様にわかりましたよ!さあ遠慮なくこの胸に顔をうずめてください!」


 ヒナは両手で胸を持ち上げて俺の方に差し出した。




「そんなに母乳が飲みたいのなら、遠慮なく飲んで構わんぞ」


 ・・・ジオは少し解釈が間違っているかもしれない。




「ゲン・・・嬉しいです!」


 シアはそう言って俺に抱きついた。




 俺の腹に押し付けられた理想の胸は、感触も最高だと改めて再確認してしまったのだった。


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